アメリカの言語発達アセスメント (PLS-5) 標準検査

夏セメスターが始まりました。このセメスターが終われば、学位(学士)がもらえます!音声言語障害学専攻の科目はSpeech Language Assessmentのみ!(卒業単位要件の関係で入門スペイン語も取ってます笑)

Assessmentとは、カタカナで言うアセスメント。日本語では「評価」でいいんでしょうか。紹介状(Referral)を持ってやってきたクライアントの言語、音声スキルを適切に測定し、その後の療育(orリハビリ)方針を決めるための大切なプロセスがアセスメントです。

夏セメスターは8週間のセッションなのですが、現在2週目が終わりそうなところです。

0ー7歳までの言語発達の評価には、アメリカでは、Preschool Language Scales 5th edition(PLS-5)と言う、標準検査が用いられます。標準検査というのは、テスト受験者と同じ年齢でテストを受けた人々のスコアが釣鐘曲線のように分散していているとして、テスト受験者はその全体の標準からどれくらい離れているのか(言語発達評価においては、特に標準と比べてどれくらい低いのか)をみます。素点(raw scoreといいます)=テストの問題の合計数ー受験者が間違った問題数です。素点が出たら、それをテスト受験者の年齢の標準スコアと比較し、どれくらい遅れいているのか、または定型的な発達をしているのかを検証します。(年齢ごとに標準点が違うので、違う年齢の標準と比べ、受験者は7歳だが、言語発達のレベルは5歳のそれである、というような比較もすることもあります。)

多くの保険会社は、このアセスメントで、母集団(7歳児全員)から2標準偏差(Standard Deviation;SD)以上(全体で下位2.1%以下)は低くないと、言語療育の必要性を認定してくれないそうです(つまり言語療育費が保険から出ない。)アメリカでは、保険、医療、おカネは密接に関係しているので、アセスメントが客観的で信頼できるものであるというのが重要視されます。

学校で提供されている療育は、感覚としては2SDよりも平均寄りな子供達もかなりいます。療育を提供できる基準が違うのだと思います。

私の住むカリフォルニアでは、ヒスパニック人口が多いので、スペイン語の方が強い子供には、PLS-5のスペイン語バージョンが使われるそうです。
そこで気になったのは、日本国内で、未就学児の言語発達の評価はどのように行われているのでしょうか?アメリカのPLS-5みたいな標準テストがあるのでしょうか。ご存知の方、ご教示ください。

PLS-5のテストの様子(4歳児、定型発達)
①Receptive Skill(受用的言語)のテスト

②Expressive Skill(能動的言語)のテスト


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