花とともに季節を2度めぐる暮らし 〜皐月花暦〜
足元の小さな草花が顔を出す3月。
水仙やチューリップから連翹にエゾムラサキツツジ、そして桜へと、ひと月で勢い良く背の順に開花していく4月。
5月。
季節がゆっくりと進む北海道は、春の花たちがのんびりと咲き続けてくれて、月の半ばを過ぎれば初夏の花木とともに薫風に揺られて…。
ツツジといえば桜の後に咲くイメージですがエゾムラサキツツジは桜の開花前に咲きます。
割と背が高く存在感があるので、春先の小さな花たちがようやく咲いた頃にエゾムラサキツツジに気付くと「あ〜花だ!」というすごく単純な感情なのですが、嬉しい気持ちになります。
エゾと付く通り、北海道にだけ自生しているそうです。
色えんぴつに、山吹色があったことを思い出しました。
そのくらい親しみのある色だったんだと再確認。
パステルカラーの春の中で元気をくれる、そんな色。
一重と八重の花がありますが、こちらは八重咲きでした。
4月の末に満開になったソメイヨシノが散り、5月は八重桜が長く楽しませてくれます。
5月上旬、楽しみにしていたライラックの季節到来。
鈴蘭もライラックと同じ頃に咲きます。
5月の微風に薫るのは藤。
微風ではなくてかなり強風の日が多いのですけどね。笑
我が家の庭で増え続けるオダマキ。北海道に住むようになってからは歩いているだけでオダマキをあちこちで見かけるのが普通なのですが、関東ではそこまでではなかった気がします。
私の住む街ではピンク系×白や紫系×白のバイカラーが多く咲いています。
八重咲きなのでふわふわっとしている姿がかわいいのですけどね、繁殖力が強いようで春が来るたびに「こんなところに⁉︎」と庭のオダマキたちに驚かされています。
と、ここまでは5月半ばまでに咲く北海道の花たちでした。
場所は変わって、5月半ば過ぎの横浜へ…。
5月が終わる頃に帰省をしたので咲き始めの紫陽花を楽しむことができました。紫陽花はこうして梅雨に入る少し前に咲く花という認識でしたが、北海道で紫陽花が咲く時期は7月から8月。なので、この帰省から戻っても暫くは紫陽花とは会えません。
スモークツリーは赤系と薄い黄緑系の2種類あるのだと自分の中で大雑把に分けていたのですが、ピンクや白など沢山品種があるのですね。
横浜は「グリーンネックレス」終盤。4月とはまた違う涼しげな色をした初夏の花たちを楽しむことができました。
地元相模原の公園。アナベルがたくさん咲くことを数年前にSNSなどで知りました。高校時代に行ったきり、花が咲いていた記憶はありません。
雨降りが続いた帰省の期間。
遠くへ出かける予定もあやふやに、幼馴染と紫陽花を見に行ってみることに。
幼馴染はこの公園が初めてだそうで、私もだけれど市内だというのに意外に行ったことがない場所ってあるもの。
そこまで期待はせずに出かけた公園、いやはや見事でした。
駐車場に車を停めて少し歩くとまずは沢山の鮮やかな薔薇がお出迎え。紫陽花を見にきたのに、嬉しくなる散策のスタート。
薔薇は少し見頃を過ぎていましたが、紫陽花は色づきがまちまちでまだこれから見頃を迎える感じでした。園内には200種1万株の紫陽花が咲くそうで、紫陽花だけを楽しむなら電車に乗って出かけなくてもここで充分。(言い切ります。笑)
そして実家の庭。
母に聞き忘れて名前が分からず、「庭の花 赤と白 5月」と入れたらすぐに出てきたチェリーセージ・ホットリップス。
実家の庭、ここ数年でマイナーチェンジをして小綺麗になりました。
以前はジャンクな感じで、それはそれで好きだったのですけど両親が高齢になり手入れが楽なようにタイルを敷きました。
母が楽しめるよう、知り合いの庭師さんにいい感じにしてもらってすっきり。
帰省で紫陽花を楽しみ、北海道へ戻ると薔薇は咲き始め。
紫陽花はまだ小さな小さな粒々の蕾の姿。
もう慣れてしまいましたが、こんなにも季節が巡る速度が違う。
神奈川 : 薔薇 見頃過ぎ 紫陽花 七部咲き クレマチス 見頃
北海道 : 薔薇 五部咲き 紫陽花 小さな蕾 クレマチス 見頃
私の感覚ですが、5月下旬から6月初めの薔薇と紫陽花とクレマチスの咲き具合を神奈川と北海道で比較するとこんな感じ。
同じ横浜でも八景島とみなとみらいの辺りでは紫陽花の咲き具合が違ったりして、行ってみてあれれ…となったり。
植物たちは本当に敏感。
帰省した関東で楽しんだ花を、住んでいる北海道でまた1ヶ月半後に楽しむことができる。
たった1時間半飛行機に乗れば着いてしまうから、この季節の時差を受け入れることが毎回数日間できず、特に北海道に戻ってから出歩かない日が続くとまだ関東の花の余韻を引きずったままなこともあります。
関東ではあまり見かけないけれど、北海道ではよく見かける花。
北海道ではあまり見かけないけれど、関東ではよく見かける花。
どちらでも咲いてくれたらいいのに…なんて思ってしまうけれど、どちらも見ることができる。
当たり前のようになっている帰省でちょっと薄れていたかもしれない。
花が好きな私にとってこんなに贅沢なことってないのだろうということ。
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