【2022年下半期】今オススメしたい書籍10選
「年間52冊は絶対に読む」と決めて3年目。今年も何とか53冊読めました。
下期は24冊と上期の貯金に助けられた形ですが、人生で最も忙しかった今年も目標を達成出来た所は、自分を褒めてあげたいです。
この23冊の中から、自分的TOP10をご紹介します。どれか一つでも、皆様に「読んでみたいな」と思って貰えるものが紹介出来ていたら嬉しいです。掲載順は、ざっくりオススメ順になっていますが、あまりお気になさらず。
過去の書籍紹介記事はマガジンに纏めていますので、こちらもどうぞ。
1.自分をいかして生きる
上半期NO.1書籍として紹介した「世界は贈与で出来ている」で紹介されていた「ゆっくり、いそげ」で紹介された本。本の数珠繋ぎです。
この本では、「自分」と「自分自身」と「他者(社会)」の”3すくみ”を考えます。つまり、自分自身というものは、分かる努力をしない限り、決して分からないものであると。
その上で、自分自身と他者(社会)の間のどこに「自分」を置くかが大事であり、決して0-100ではない、と説きます。
「自分」や「人生」という当たり前のことに、全く新しい観点を私にくれました。一段、自分の人生が深くなった気がします
出版は2009年ということで、13年読まずに生きてきたことをちょっとだけ後悔させられてしまう、そのくらい素晴らしい本です。
2.ケーキの切れない非行少年たち
2020年のベストセラーですが、ようやく読めました。
非行少年の実態やエピソードからも学ぶものがありますが、それよりも衝撃だったのは「非行少年になり得る5要素プラスワン」として書かれている内容は、応用すれば人事戦略にも展開出来るということ。
"一般人"と"非行少年"の差なんてそんなものであること、そしてリベラルアーツが如何に重要であるか、の両方を同時に学びました。
そして、この書籍によれば、非行少年の兆候が出るのは8歳ごろ。小さなサインも見逃さない親であろうと誓った一冊でした。
3.決戦!株主総会 ドキュメントLIXIL死闘の8カ月
これを7月に読んだときは、「こりゃ下半期No.1はこれだ」と確信するほどに圧倒された一冊でした。
薄氷の戦いを繰り返した瀬戸社長ですが、その胆力、リーダーシップにはひれ伏すしかありません。
この本の何がすごいって、ほぼ全員が実名で登場していることです。膨大な取材とエビデンスを積み上げていることは、手に取るように分かります。
「嫌われた監督」もそうでしたが、超一流のジャーナリストが書いたドキュメンタリーというのは、密度が凄い。
経営やコーポレートガバナンスに関心のある方は、絶対に読んだ方がいいです。
4.GE帝国盛衰史――「最強企業」だった組織はどこで間違えたのか
世界中から信頼され、崇められていたGEも、薄皮はげば三菱、東芝、みずほといった、日本を騒がせていた会社となんら変わらないことを教えてくれました。
この書籍からの学びは一般化・抽象化を経て転用先が沢山あるので、別途noteに纏めますが、現役の総合商社マンには「絶対に」読んで欲しいです。コングロマリットの先輩の惨事から、是非学んで欲しいです。
5.経営戦略としての人的資本開示
「人的資本経営」がバズワードみたいになってますが、この本は「開示」と言う観点で基本事項・重要事項をしっかり押さえた、HR関係者は必読の一冊です。
とりあえず、これと、ISO30414を遵守した会社の開示内容2-3社見ておけば、人的資本開示・人的資本KPIについてはある程度十分な知識が手に入ると思います。
6.ほんとうの医療現場の話をしよう
一時期話題になった、医学部入学試験における男女差別に対する筆者の解釈や、優秀な外科医の必要条件は「短気」であることなど、医療現場の知られざる実態、情報が書かれています。
「医」に興味のある方、関わりたいと思っている方にとてもおススメの一冊です。あと、漫画ですが「フラジャイル」もどうぞ。
7.歴史思考 世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する
本書冒頭の「歴史を知れば、楽になる。僕らの当たり前が当たり前でないことを知る、それがメタ認知」をしっかり体現する一冊。
既述の『ケーキの切れない非行少年たち』では、「認知能力」の有無、多寡が人生を大きく変えることを教えてくれました。認知能力が低いと、非行に走る可能性が一気に上がると。
そして、この本はその一歩先の「メタ認知」。これが出来るようになると一気に人生が楽になります。これを7つの具体的なエピソードを通じて教えてくれる、充実した一冊です。
8.99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ 決定版
この本のポイントは「リーダーとしてパフォームするのに、目から鱗の内容なんていらない」、ということ。
一つ一つはめちゃ当たり前のことだが、それをしっかり実行していけるか。この本自体がとても読みやすい構成であることもあり、それがすーっと入ってくる良書。
個人的には佐久間さんの「ずるい仕事術」と一緒に読むといいと思いました。
9.人材育成・人事の教科書 ハーバード・ビジネス・レビュー HR論文ベスト11
社員としてHRに物申す「野党」から、自分がそれを司る「与党」となって強烈に感じているのは「アカデミアの重要性」です。
自分が何かのHR施策を考える時に参考にするのは「歴史」「ケーススタディ」、そして「サイエンス」、この3つです。このどれにも紐づかない施策はほぼ確実に失敗しますが、「ケーススタディ」はその会社固有の要素が多分に入っているので、一般化して転用するのは結構難しいです。
そういう時に、そのことばっかり考えて、仮説を立て、実験し、立証してくれているアカデミアの力を借りない理由はありません。
読んでみれば「こういうアンケートでこういう設問を設定し、こう分析するとこうなる」といった形で、具体まで紹介しているものもあります。
それをそのまま使わずとも、その過程をなぞることで思考が刺激され、質が一気に向上します。定期的にHBRのまとめ書籍を読むのは大事だな、と感じさせてくれた一冊です。
10.人間主義的経営
今年「人事の寺子屋」でお世話になった岩崎さんが訳された一冊。
「ブルネロ・クチネリ」は1978年に始まったブランドですが、たった数十年で世界で認知されるカシミヤブランドになりました。その裏には、「人間」そのものを大切にする経営スタイルがあり、世界の名だたる経営者たちが彼のもとを訪れます。
正直、「経営指南書」を読んでいるというよりは、「芸術作品の中に入る」ような一冊です。とても詩的で素敵な表現が続きますが、これをイタリア語から日本語に訳した、、、と考えると、訳者の凄さにも驚かされます。
「人的資本経営」とか言って、ResourceかCapitalかなんて話をしていますが、そもそも「人間」と向き合えよ、という本です。
おわりに
前回に続き、今回も紹介した本の大半が「周囲の人が勧めてくれた本」か、「良いなと思った本が言及している本」のどちらか、でした。
ただ、反省としては歴史書や小説が読めなかった(プロジェクト・ヘイルメアリーは絶対に読みたかったが。。)。徐々に近いエリアでピボットしている気がするので、2023年は少し意図的に「飛ばし」てみたいと思います。
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では、また来年お会いしましょう!良いお年をお迎えくださいませ!
次点
TOP10としては挙がらなかった、でもおすすめの本を紹介します。
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