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枯 れ 花

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悲しみは 涙より多く
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2024年2月の記事一覧

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

時代を彩るのは 熱帯魚なんだと
交差点を渡りながら
ふと気付いたのは 僕の事だろう

味気ない日常の中で
誰かに話したかった 形の悪い想い出と
夜のベンチに座った 顔の思い出せない僕と僕達

いつもそうだった
注釈や説明や傍線やルビを好んで
本当は そうだと 誰も言っていないのに

言われた気になっていることを信じた

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

僕は君のことをタンポポの様だと言った
タンポポの様に 可愛いと言った

タンポポと云うのは
時折 パセリの様な顔をして
皿の端に乗っているけど
一応 食えるらしいけど

食ったことはない

君は帰り際
明日は風邪を引くから会えないは と言った

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

この頃の時計の秒針は
とてもスムーズに回る様で

だから とても静かな夜で

僕は古い夜を知らないけれど
古い夜も こんな感じだったんだと思う

それから カチコチと秒針の鳴る夜があって
カチコチと鳴らない時計が生まれて

僕は いずれ 深く 眠る

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

心当たりを尋ねた彼の見せた写真は夕陽であった

これ この色を長く
本当に長く探したのだと言った

すまないが 僕が知るアカは
赤と朱と紅しかないと答えると
彼はうなだれ とぼとぼ と去った

後ろ姿に影が長い

夕陽を血の色に例えるのは
僕にさえ嘘だ

未熟な僕が描く点線

未熟な僕が描く点線

魚の絵をな
正面から描く奴ってなぁ
案外 おらんもんな とか

お前 そらぁ 横に寝た魚はな
皿に乗った煮えたやつだぜ
なんて言やぁ
そうでもなかろうが

けれど お前にゃ参るわな
泳ぐのだろう

いいやぁ まだ寒いわさ