#19 マイナスの中のプラス

なんもない主婦が起業するストーリー19です。

前回はこちら

父と母、二人の病院通いをしながら
月に1回の交流会の仕事と
少しずつ増えてきた継続クライアント。


当時は、対面が主流だったので
（と、いうかそれしかなかった）
大阪のカフェでしたり会議室を借りたり
色々やってみた。


「電話でもしたいな〜」と思いつつ
まだzoomは一般的に知られていなくて
交流会で出会った、あるいは友人からの紹介だったので
みなさんほぼ対面希望だった。


一方で、入院してる母はワガママいい放題だった。


「あれして、これして。
みんなに配りたいからお菓子買ってきて。
入院してる人と写真撮りたいからカメラ持ってきて
現像してきて」


父の面会と私も家庭があるのに
お構いなしだった。
どんなに、私が嫌だと言い返しても
母は引かなかった。

「私、病気だから。何もできないから」



お向かいのベットに入院していた女性が
「あんたわがまま言い過ぎや」
と、注意してくれたほどだった。



面会に行くと愚痴もすごくて
私のストレス度は高かったが
母のリハビリは順調に進んでいった。


むしろ母は病院が楽しいようだった。


看護師さんもリハビリの先生もみんな優しい。


コミュニケーション下手で
多くの人と揉めて生活してきた人だから

””周りのみんなが優しい状態””

は居心地が良かったのだろう。


たくさん話せるし
リハビリ病院では若手だ。
みんな母を年下扱いで
「あんたは若いから」
と、言われていたらしい。


マイナスの中にもプラスはある。
どちらを見てるかだけなのだ。


父は骨折から退院したが
あい変わらず施設にはなれなかった。


精神が体調に影響するのは本当で

父の視野は急激に狭くなり
円だった視野は点になった。

認知症もどんどん進行していった。


面会のたびに調子が悪くなっているのが見てわかった。


まるで、見たくないものがあるから
目が見えなくなっていくかのように。


現実を受け入れたくないから
認知症で覚えることができないように。




もしかしたら、人は病気でいる方が良いってことも
あるのかもしれない。


そう思えるほどだった。


続く・・

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