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攻撃的な発言をする中学生の心をひらく効果的な方法

『ぶっ殺す!』と攻撃的な中1男子。
目がヤバい。
色々話しを聴いていたら、涙を流して過去を話してくれた。
さて、わたしは何をしたのか。

繊細な子ほど抱えているものが大きい。そして周りがみんな敵に見える。

前回の

からの続きです。




何が彼の心を動かしたのか

全然そんなターンじゃなかった(と思っていた)のに…

正直言うと、私の言葉の何が彼に響いたのかわからなかった。

ロジスティックに聴くわけではなく

無意識に聴いていたから。

それが、いわゆる「強み」と言うものなのだろう。


今回はそれを分析、、考察してみようと思う。


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私の手法 その1 《目は口ほどに物を言う》

まずはなんと言っても目を見る。

日本人は目で感情を表現すると言われています。


外国人は口で感情を表現すると言われています。

これは一時期よく目にした記事で
目で読み取る日本人と口元で読み取る欧米人。 




ただ、わたしは、”そう言う傾向がある” という程度に思っています。




[目が笑ってない]というけど、


目が笑ってないから心が笑っていないのか?


といえばそういうわけでもないですもんね。



本当に笑ってないかどうかはその人の筋肉の使い方でしかないと思います。




少なからず、目は感情を表します。


悲しければ涙が出るし

寂しくても涙が出るし

悔しくても涙が出る


嬉しい時は目が細くなったり

頬骨あたりの筋肉にも変化が見られますよね。



怒ってる時は、眼が鋭く細くなり

睨みつけたりします。


だから、目から状態を探れるし、交信もできます。

そんな中で、

教室に入ってきた、彼は目がヤバい!!

彼は確実に怒っていた。


(あからさま過ぎて私は笑ってしまったが。)

私の手法 その2 《ある程度の他人目線》

何でもかんでも深刻に捉えない。


もちろん彼の怒りには共感してあげるが、大して深刻だとは思わないスタンスでいる。

これは、私自身のメンタルトレーニングの所以かもしれないが、

【大変だ】と思えば大変なことになるのだ。


そして、ある程度のゆとりを持っていることで、
そこに、彼が自分で考える余白が生まれるのかもしれない。


例えば、わたしは、娘が小さい頃、転んだとしても、いちいち助けなかった。

大して痛くないのに、痛いね、痛いね。かわいそうだねぇ。とかって言うと

それを言われたこどもは、余計に痛くなったり、自分がかわいそうな存在に思ってしまう事は大いにあり得るからだ。

じゃあ次は怪我しないためにどうしたらいいのか?

痛いのは自分だ。

お母さんは痛くない。

そうやって子ども自身の中で
出来事と自分の感情を適切に結びつけることをさせてきたのだろう。

こちら側からの声がけで、
娘の感情を外部から揺さぶることはしてこなかったのだ。

だから、彼には彼の感情があり、
それを尊重する手法なのだろう。

私の手法 その3 《承認欲求を満たす》

怒りは、自分の思いが認められなかったり、受け入れられなかった時に出やすい。


人は皆、承認欲求が高いからだ。


ここで間違えちゃいけないのが

承認欲求よりも自己実現欲求の方が高いと言う事

以下はマズローの欲求5段階です。

⑤. 自己実現の欲求
④. 承認欲求 
③. 社会的欲求 
②. 安全の欲求 
①. 生理的欲求

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つまり

④承認欲求が満たされていなければ、⑤自己実現が難しい。



逆に言うと⑤自己実現をしたい場合は、④承認欲求が満たされている必要がある。

怒りの根本を探っていく。


答えさせるために


やらなくてはいけないことは

オープンクエスチョンであること。

『うん』とか『ちがう』とか一言で答えられる質問ではなく、

自分の思いを語らせる質問でないといけない。

なぜなら、

こちらで勝手に推測しないためだ。

ポイントは“勝手に”推測しないということ。

子どもだからといって、感情が自分と同じなんてことはありえないのだ。

ビジネスでもそうだろう。

お客様の痛みはヒアリングして初めて知ることができるのだ。

さて、オープンクエスチョンだ。

ここでは、意図的にNLPの手法を使う。


いつ、

どこで、

どんなふうに、

誰といる時、

どんな気持ちになるの?


わかりきってることでも

まずは話させる。



後から知ったのだが、

私の発していた言葉は


FBIのメンタルトレーニングと同じだった。


『それ望んでる現実なの?』

『どんな風に生きたいの?』


『どうしたらいいと思う?』


とはいえ、

大体まだここでも

「死ねばいい!」が出てきます。




『自分が変わらなくてはいけないとしたら何ができると思う?』


「何もできない。」


という。


『そっか。何もできないと思ってるんだね』


『でも、

先生は、他の日本人より、二つの血が入っていることはすごいことだと思うよ?』

「…!?」

『他の日本人にはわからない文化とかがわかるんだよ?』

『感じ方も違うんだよ?』


『すごいじゃん。』

『2つの心があるみたいなんだよね』

『だから、人の気持ちがわかっちゃうんだよ。』

『キミはとても優しい子なんだよ』


そう言われた彼は、

鳩が豆鉄砲を食ったような目をし、また涙を浮かべた。

認められるということ
自分の境遇を分かってくれる大人がいるということ
それを知ってもらえることができるだけでこどもは変わる。

わたしは、精神科医ではありませんが、


傾聴することと

目の前の魂の叫びに寄り添えれば

民間のカウンセリング資格でも(別になくても)

目の前の子の心を開くことは可能だと思っています。


そして、私の手法や言い回しは、多分なんとか心理士とかソーシャルワーカーとも違う。

優しくはない。

でも、愛しかない。

彼らの良さは知ってるから

問題を問題扱いしないカウンセラーがいてもいい。

古いタイプの心の教室にいらっしゃる様な方はとにかく甘いと思う。

もちろんそれが彼らには必要なのかもしれない。

でも鬱陶しく思う時もあるのではないか。

別に優しくしてほしいわけじゃないと思うのだ。



私が日本語教師になろう!

そして、絶対小学校に入るんだ!と思ったのは


日本に住む外国由来の子供たちにとって

アイデンティティが迷子になりがちになるからなんです。


そこに手を差し伸べたかった。


自分を攻めないで欲しいから。


彼の涙に、

あぁ…抱えているものが大きい。


そして、なかなか人には言えなかったんだな。

わかってもらえなかったんだな。

とつくづく思いました。


ママは、母国に帰りたいんだそう。


でもね、治安が悪いから、治安の良い日本に住むのがいいと自分を抑えてる。

わたしはブラジルの現実を知らないからなんとも言えないけれど、

お母さんも、抱えているものが大きい。

市教委に、お母さんと話せるように伝えてみようと思う。


そして、忘れてはいけないこと。


それは、息子は母語を話せないということ。


母国に帰ったら


彼はまた“自分は何人なんだ!!!”と自分を責めてしまうことだろう。


なんとも胸が痛いことです。

日系ブラジル人が多く住む静岡県磐田市。その東新町団地で日系4世を中心に結成されたヒップホップグループ「GREEN KIDS」は、自分たちの生い立ちや社会からのけ者にされてきた経験、そして夢をラップに乗せる。彼らの複雑なアイデンティティに米紙が迫った。
https://courrier.jp/news/archives/213407/


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