膝蓋骨

膝蓋骨は、自由下肢帯の大腿骨に繋がっている大腿の骨の一つで、膝の前面を保護している人体最大の種子骨です。

膝蓋骨は、三角形の骨で「日本人体解剖学 (上巻) 」では「元来、大腿四頭筋の中に発生した種子骨」という解説が見られます。
膝蓋骨は2~6歳頃までの間に骨化するが、先天的理由もしくは再生不良が原因で膝蓋骨が無い人もいます。また上・下の2部に分かれる分裂膝蓋骨を持つ人は人口の約2%程度いるとされ、その間に靭帯の入ることがあります。通常、自覚症状はありません。

膝蓋骨の外側変位は、外側広筋・大腿筋膜張筋・大殿筋・中殿筋・腸脛靭帯の拘縮と内転筋群と縫工筋の弱化が疑われます。
Knee in(X脚)を制限しつつ、内側広筋の筋力強化と外側広筋と腸脛靭帯のリリースをします。
O脚での自転車こぎ、復帰に際してはカット、ツイスト動作し、ランニングやジャンプフォームに注意します。

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〈構造〉
膝蓋骨には、2面3縁があります。

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1. 面
膝蓋骨には、前後に面があります。

(1) 前面
膝蓋骨前面には、大腿四頭筋の腱と膝蓋靱帯が付着しています。

(2) 後面
膝蓋骨後面には、大腿骨と接する関節面があります。

2. 縁
(1) 上縁
上縁(膝蓋骨底)には、大腿直筋と中間広筋の停止腱が付着しています。

(2) 内側縁
内側縁には、内側広筋の停止腱が付着しています。

(3) 外側縁
外側縁には、外側広筋の停止腱が付着しています。

関節
膝関節は、スポーツ障害やサルコペニアなど、多くのシーンで問題になる重要な関節のため、運動指導者やセラピストして理解しておくべき主要関節です。

大腿骨と脛骨(大腿脛骨関節)、膝蓋骨(膝蓋大腿関節)との間の蝶番関節で、人体で最大の関節です。

脛骨の関節部分はほぼ平らな形をしていて、その上を、大腿骨の丸い先端が転がるようにして動きます。
平らな板と丸いものの組み合わせで、それが転がるのですから、とても不安定であることが容易に想像できます。そのため、大腿骨と脛骨をつなぐ主として4靱帯と2半月板が、膝関節を安定させるために重要な役割を果たしています。
関節の内面は滑らかな軟骨で覆われ、その間には半月板と呼ばれる組織が介在しています。更に関節部分は関節包で包まれており、その内側の滑膜から関節液が分泌され、潤滑機能を果たしています。これら軟骨、半月板、そして関節液が働くことによって、膝関節は滑らかに動きます。

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【機能】
1.屈伸運動
大腿骨の脛骨上の転がり運動と滑り運動の複合運動です。大腿骨内・外側顆(顆部の最も幅の厚い高さ)中央と後ろ1/3の間、大腿骨下端の関節面での前後径における後部1/3、かつ関節面から2~3cm上がったところに屈伸の運動軸があります。大腿骨と関節面が脛骨の2倍の大きさがあるため、完全伸展から20°屈曲位までは転がり運動のみですが、徐々に滑り運動の要素が加わり最終段階には滑り運動だけになります。大腿骨の関節面は、外側上顆の方が内側上顆よりも短いため、従ってその距離を補うために外側上顆部の方が転がり運動の要素が大きくなっています。

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