ある弱小の分析チームが人材採用のために頑張った6つのこと
これはなにか
こんにちは。Hikaru Kashidaです。
メルカリという会社の分析チームのマネージャをやっています。
いまの会社では2年ほどマネージャを勤めているのですが、マネージャとして頑張ったことの一つとしてなんといってもチームの採用が挙げられます。
以前書いた記事内で、採用を頑張ったぜ!という話をいろいろとしましたが、その実際の手法などについてはほぼ触れることができませんでした。
せっかくですので、どんな活動をしたのかを簡単にこの機にまとめておきたいと思います。多少でも参考になれば幸いです。
記事を読んだ方から嬉しいコメントいっぱい頂いています〜
謝辞
BIチームの採用を一緒に盛り上げてくれたみんなへ、いつも無理ばかり言っていた僕ですが、この場を借りてお礼を言いたいです。
まつお、かとーちゃん、いわっち、やのしゅん、かおりん、あさいちゃん、めぐさん、Aoちゃん、おくあやざんまい、なつきFM、さいまるさん、さよさん、りっちゃ、すずまり、まっつん、のなしょー、しゅーさん、BIチームのみんな
思ったことと、起こったこと
僕がメルカリに入社した時には、チームの人数は3名だけ。
採用についても全く系統的に行われてはいませんでした。
さらに、マネージャになって採用責任を負うことになった僕も、本格的な採用活動を担当するのは初めてという状況でした。
そんな中で手探りで始めて、そもそもデータアナリストという職種の採用の難しさにすぐにブチ当たりました。
※注記 : 僕たちのチームは「データサイエンティスト」というよりは「データアナリスト」の職種の色が強い
そもそも転職マーケットにあまり人が多くない。
この職種に効率的に出会えるチャネルが見当たらない。
比較的希少種なので、優秀な人は現業に満足してるパターンが多い。
また、データ関連の職種の間での混同が激しいのも悩みでした。
初めてしばらくは、採用ペースは遅々として進まず(最初の1年で一人を採用しただけでした)、採用観点でいうと、社内の全ポジションの中でも圧倒的な問題児部署だったという自覚があります。
人が増えなかったせいで、本当にいろんな部署に迷惑をかけました。
それでいうと、今でも全然人は足りなくて迷惑をかけているくらいですが。
今時点では、(元のチームは日本担当/米国担当に部署は別れましたが、合わせると)15名程度のデータアナリストが元気に働いています。チームとして、この二年で10名+ を採用した計算になります。
さしたる数ではないかもしれませんが、以前に比べるとだいぶ陣容としては充実しましたし、採用自体も軌道に乗ってきたとは思っています。
頑張った。
さて、なにを頑張ったのかという話ですが、かなり多岐にわたる採用アクションを試しています。これだけの手数を打てたのは、HR/PRチーム、そしてもちろん自チームのメンバーのみんなのおかげです。
本当に感謝しかありません。
頑張ったこと
採用についての取り組みは、最初から上手くいっていたわけではなく試行錯誤のくりかえしでした。いろんなことにトライしましたが、やったことは大枠上記図の6つに分類できます。
1 / 社外ブランディングをちゃんとやる
→ チームを知ってもらうことが大事
2 / 候補者接点を多く持つ
→ 転職意向の低い人も含めて、多くの人との出会いの場を作る
3 / 候補者キープ・イン・タッチを怠らない
→ 出会えた人でもすぐのジョインは考えづらい、という人も多い
→ ちゃんとつながっておいて、転職意向が高まる機会まで待つ
4 / 選考プロセスを整える
→ ふるい落とすためではなく、チャンスを増やすための選考プロセス
5 / 妥協しない採用基準
→ チーム内で採用基準をちゃんと合意し、共通言語化する
6 / オファー後ケアに全力を尽くす
→ 最後の最後まで、徹底的に候補者に寄り添う
ちょっといろんなことを試しすぎて、全部を書けているか自信がないですが、やったことをひとつひとつ解説していきたいと思います。
※ 量が多いので、一旦1~3について書いています。
4以降については後日追記、もしくは後編記事のような形で出そうかと思っています。
1 / 社外ブランディングをちゃんとやる
そもそも、働きたい会社/チームだという認知を多くの人にちゃんと持ってもらうことが重要です。積極的に情報を発信しないと、誰も自分たちに気づいてなんかくれません。
A / オウンドメディア
僕の働いている会社では、メルカンやTech Blogなど非常にPVを多く集めることに成功している自社メディアを持っています。
僕たちBIチームも何度か記事を投稿しています。
記事の作成は、基本的に次の2パターンにわかれます。
ひとつめは自分たちで書くものです。チームの紹介や使っている技術などについて、データアナリストの視点から書いていくものなどが多いです。
どういうことをやっているチームなのか、具体的に自分がしたい仕事と一致していそうか、をイメージしてもらうのが主な目的になります。
ふたつめのパターンは、社内のライターにインタビュー形式で話をさせてもらって、その内容を対談形式で記事にしてもらうものです。
メルカリには企画力・執筆力に長けた非常に優秀なライターたちがいる、「People Branding」という素晴らしいチームがあります。
どのようなバックグラウンドの人材が、どのような考え方で働いていて、メルカリにどのような魅力を感じているのか、を掴んでもらうのが主な目的になります。
B / 外部媒体
メルカリはオウンドメディアも強力ですが、それだけに頼ってしまうのはよくありません。社内の媒体だけだと、
・リーチできる層が限られ、かつ偏りすぎてしまう
・客観的な視点だと思われない
などの弊害が起きがちです(People Brandingチームの受け売りです)
そのため、外部のメディアにある程度露出するのはオススメです。
僕たちの場合、「分析」「チーム作り」「キャリア」「仕事ノウハウ」など、いろいろな切り口を考えてメディアにアプローチしていきました。
このあたりの打ち出し方の企画や、メディアへの提案なども、人事や広報などが最大限に力を貸してくれるのはメルカリという会社の本当に良いところです。
また、最初のうちはマネージャの僕が中心的に露出していましたが、徐々に他のメンバーなどにも出てもらうようにしていきました。
ひとつ、コツと言うか、感覚値レベルの所感なのですが、
一つの記事だけでなく、ある短い期間に複数の記事がバズるようにすると一気に注目度が増すように思えます。ですので、複数の記事をある時期に集中して仕込むのが効果的ではないでしょうか。
C / イベント
自チーム/自分自身のブランディングのために、Data Leaders Talkという、新しいイベントの主催で始めたりもしました。
久しぶりに会いたい人などを呼んで接点にしたり(これについては後述)、外部メディアを入れて記事にしたり、
参加者のブログで取り上げてもらったり、
その他、一緒に登壇するメンバーも自分で選んで親交を深められたりと、何かとメリットが多いです。
D / 登壇
ブログを書いたりメディアに露出をしたりしていると、登壇などにお誘い頂く機会が増えます。
全てお受けしているとキリがないので、僕の場合は講演の内容がメディア化されることが確実なものだけを受けさせていただいていました。(お誘いいただいたのに断りした件は、誠に申し訳ないです)
その場の聴衆のUUだけだとせっかくの情報公開の効果が限定的なので、メディアで記事化してもらうことの確約を取り付けるようにしていたほか、講演資料のSpeakerdeckでの一般公開なども許可してもらうようにしていました。
E / 個人のTwitter
ある時から、採用ブランディングのために個人のTwitterでの発信をめちゃ頑張りました。詳しくはこちらの記事で公開しています。
結果的に、Twitterは採用にもかなり役立ったと思っています。
2 / 候補者接点を多く持つ
ブランディングを頑張っていても、自然応募を待っているだけだと良い人材は取れません。僕たちがチームに加わってほしいのは、
「現状の会社でも活躍していて十分厚遇されていて転職する気は無い」
というような人材であることが多いです。
そういう人を採用するためには、多くの人との接点を積極的に作り、潜在的なタレントの出会いを増やすことが重要になります。
A / カジュアル面談
オフィスに来てもらって、1on1で話す会を定期的に企画しました。
毎回、募集のニュアンスは微妙に変えたりはしていますが、転職意欲が顕在化していない人/いきなり応募などはまだ躊躇っている人などとの接点を作るのに有効です。
募集は自分のTwitterでBosyuを使ってやるパターンが多いです。1回の募集につき、10-15人くらいは会えます。
また、転職エージェントさんに登録している候補者で、転職活動は本格的にはしていないけど、いろんな情報収集をしたい人からの面談にも応じた利するパターンもあります。
採用色を全面に出した場合に比べ、より潜在層にリーチすることができるため、先述の条件に当てはまる人に会える機会が増えるメリットがあります。
>「現状の会社でも活躍していて十分厚遇されていて転職する気は無い」
> というような人材であることが多いです。
デメリットとしては、なんといっても時間がかかります。これまでに何度が実施したのですが、一度募集をすると、そこから向こう2週間ほどは夜の予定が全て面談で埋まります。
とある面談強化週の予定。
昼間は分析とマネージャ業をこなしつつ、夜は面談祭り。
この期間中は、初対面の人と話す機会が圧倒的に増えるので、その分昼は無口になります。
一人でやるのはどうしても無理があるので、最近ではチームのメンバーに協力してもらうことで、より多くの方の面談の希望にお応えさせていただくことができるようになりました。
最近では、一ヶ月まるごと全ての日でカジュアル面談ができる企画なんかもやったりしました。
B / ミートアップ(社内)
定期的に、Drink Meetupのようなイベントを会社で開催しています。
新しい候補者との出会いの接点になるほか、すでに会ったことがある人で、定期的に近況の交換等をしておきたい人を誘ったりします。
メルカリはほとんどの職種でこのような(採用を目的とした)Drink Eventを行っています。
C / ミートアップ(個人)
メルカリに入社した直後に、データ関係者が集まる Data Analyst Meetup Tokyo というイベントを個人的に立ち上げました。
こちらはメルカリへの採用が直接的な目的ではありませんが、自分の主催のイベントを持っておくことは、新しい業界関係者との出会いや情報収集、また後ほど触れる「定期的に会いたいタレントとの接点」という意味で非常に役に立ちます。
D / ダイレクトリクルーティング
いわゆるLinkedinやビズリーチなど、ダイレクトリクルーティング系のチャネルを使って、スカウトメールなどを送っています。
人事の方でもちろん協力はしてくれますが、最終的な送付対象の選定などは全てチームのマネージャで行っています。
E / リファラル
定期的に社内のいろんなチームのメンバーに、データアナリストの知り合いがいないかなどを直接聞いてまわります。
また、社外の友達などから候補者を紹介してもらえることもあります。
このあたりは、チームのブランディングが上手く行っていることの相乗効果で、Web上の記事などでメルカリの分析チームに興味を持った人が友人経由で面談を申し込んでくるケースなどが多くあります。
元メルカリの出身者が、転職先を探している知人に僕たちのチームを推薦してくれるパターンなども有りました。
リファラルは社内/社外での評判と、ネットワークが広い人との関係値を保てているかが、なによりも鍵になります。
F / 人材エージェント・リレーション
人材エージェントと定期的にお会いして、採用したい人物像などをすり合わせたり、マーケットの状況をアップデートしてもらったりします。
採用したい人の像や選考プロセス、メルカリで働く魅力などについて15枚ほど資料を拵えてプレゼンしたり、その資料をエージェントに共有したりしました。
3 / 候補者キープ・イン・タッチを怠らない
個人的にはこれが一番難しかったポイントです。
「この人と一緒に働きたい!」
そう思える人と出会えたとしても、得てしてそういう人は短期的な転職意欲が薄いことが多く、長期戦になります。そのため、繋がりを維持して定期的にお互いの情報をアップデートする機会を持つことが必要です。
これに関しては、僕はなにがベストなやり方なのか、ということを発見できていません。基本的には次の二通りのやり方でなんとかしていました。
もっといいやり方があるよ!っていう方はぜひ教えて下さい...
A / SNSとかで定期的に絡む
時折思い出したようにメッセをして飲みに行ったりするという、非常にアナログなやり方です。
ベタベタなやり方ですが、何度か飲みに行っているうちに、メルカリに対しての温度感が高まってきてジョインを考えてくれるようになる、というパターンが結構あります。このやり方で何度か会っていたからこそ採用できた、という人が事実何人かいます。
社内では、山田/小泉などはじめ、このやり方で大物の採用しているという人が多くいるので、ベタながら効果的な方法と思われます。
※ 飲み会を乱発して肝臓を壊さないように配慮する必要があります。
B / イベントに誘う
自分で開催しているイベントなどがあると、久しぶりに会いたい人などはその開催時にお誘いすることができるので非常に有用です。
連絡するきっかけになりますしね。僕の場合は、会社でのDrink Meetupイベントや自分で主催しているイベントがある際には、Keep−in−touchしたい人に声をかけたりすることがありました。
4/ 選考プロセスを整える
A / メルカリBIチームの選考プロセス
こんな感じです(2019/3 現在 今後は変わる可能性あります)
①書類選考
・meetupとかカジュアル面談ですでに話していて、マッチングありそうな場合はここは顔パスな場合もあります
↓
②技術書類
・簡単なSQLのチェックと簡単な分析のお題をレポートにまとめて提出
↓
③面接
・3~4人とオフィスで面接
・実際の分析に近いお題を出してのディスカッションのケース面接
・人事面接はなく、全てチームのデータアナリスト(マネージャ含む)
時期によって多少変えてきましたが、いまはこんな感じで落ち着きました。
B / "間口を狭める"のではなく"広げる" 事を考える
選考プロセスで意識しているのは、「間口を狭める/絞り込む」のではなく、むしろポテンシャル層を取りこぼさないために「間口を広げる」方を大事にするということです。
例えば、上記②の技術書類はそのための一つの取組みです。
以前はSQLのスキルなどをチェックするために、オンサイト(対面)で面接中にその場でSQLを書いてもらっていました。
それはそれでよかったのですが、それで続けているうちに、次のような疑問が湧いてきました。
僕らのチームで行う仕事は「面接者に見られた状態という緊張の中で」「わからない文法を調べることも許されず」「SQLを書く」というスキルが必要だろうか?
むしろ、僕たちでさえも、仕事中でわからない文法や不安な点は調べながら書くのはそこそこ普通だと思います。
また、そもそもの学習力があれば、SQLは選考時点では完璧でなくても、自分で調べてちゃんと課題をこなせるだけの意欲と成長曲線があれば問題ない、という風に思えることのほうが多いです。
そんな背景から、オフライン(時間が十分にある状態で、ひとりで)でのSQLテストに切り替え、好きなだけ考えたり調べたりしながら課題を解いて良いという、書類技術課題方式に切り替えました。
また、カジュアル面談などを多く行い、それから応募をいただくケースも、やはりレジュメだけではわからない候補者の魅力などを理解できる(経歴上は分析経験が強くないが、話すと分析のセンスがありそう、とか)ので、間口を広げる手法の一つとも言えます。
このように、
・秘めた実力を持つ候補者のポテンシャルを見過ごさない
・実際の業務とは近いシチュエーションで実力を図る
ことを是として、選考プロセスを組んでいます。
もちろんそれでも、一人の個の人間のポテンシャルをはかるということは非常にむずかしく、100%完全な判断というのはありえないでしょう。
重要なのは、業務負荷を嫌うあまり、偽陽性を過度に恐れて強めのナタを振り下ろしすぎないようにすることです。偽陰性こそが恐ろしいパターンもあることを十全に理解すべきでしょう。
C / 候補者に寄り添った日程調整を心がける
優秀な人材は忙しいです。
>「現状の会社でも活躍していて十分厚遇されていて転職する気は無い」
> というような人材であることが多いです。
現業でも頼られていて、社外活動なども充実していて時間調整が簡単でない人が過半でしょう。
そういった人材に面接の時間を割いてもらう際に、十把一絡げに平日の業務時間ど真ん中だけを候補日として提示すべきではないと考えます。
僕らのチームでは、選考が進んでいてマッチング度が高そうな方が、現業が忙しいなどの場合は、朝や夜(業務後くらい)の時間などの候補も提示できるように、人事やチームメンバーとの調整を怠らないようにしています。
このあたりは、チームメンバー(面接者)の協力と人事の調整能力あってのお話で、またあまりに業務時間外の稼働などを乱発してしまうとメンバーが疲弊するので、慎重に行うべきではあります。
ただ、有望な人材に何往復も面接調整の手間をかけた挙げ句、面接と次の面接の間が週単位で空くような愚は避けたいところです。
ここについては、人事の方にも何度もお願いして、最短の日程を組めるように調整する習慣をつけるようにしてもらっていました。(うるさいHiring Managerですみませんでした。)
また、他の施策としては、一度の来社で複数人と会ってもらえるような調整や、1day選考のように短期集中で選考を終えられるイベントの実施なども試したりしていました。
5 / 妥協しない採用基準
A / 採用基準のチーム内言語化
こちらの本の第4章でも書かれていますが、僕たちのチームはチーム内で独自に言語化された採用基準/採用選考時の評点項目を持っています。
noteでも読めます。
「パトス」「エトス」「ロゴス」というもので、はたから見ると何を言っているのかわからないと思いますが、チーム内の共通言語で、チーム内ではキチンと意味が理解されているものになります。
このようなアナロジー的で内部用途限の共通言語は、初期の理解ハードルは多少ありますが、一度腑に落ちてさえしまえば、コミュニケーションコストが大幅に下がりますので、お薦めです。
上記の書籍の文章から抜粋して説明します。
これはもともと、ギリシャの古代哲学者のアリストテレスが、自著で述べた「人を説得するのに重要な3要素」を引用して、現代の企業人風に再解釈したものです。
パトスとは英語で言うところの「Passion」で、メルカリで働くにあたっての熱意や動機などがマッチしているか、という観点を表しています。
エトスとは英語で言うところの「Ethic」で、広い意味での人間性ととらえて解釈しています。具体的には、コミュニケーションのとり方やチームでの協働がちゃんとできる、周囲から信頼を得られる人間性なのか、という観点を表しています。
ロゴスは英語と言うところの「Logic」で、自分が主張したいことを論理的で説明可能な形に落とし込むスキルを有しているか、という観点を表しています。ロジカルな思考ができるかどうか、という点や分析の設計から定量化までが適切にできるか、という点が該当します。
データアナリストとしてのハードスキルという意味では一般的にはロゴスに依るところが大きいと考えますが、メルカリ社内では価値を出すためにパトス/エトスのような、ソフトスキルも非常に大事であるととらえているため、この3つの項目は並列に置かれています。
BIチーム内では採用候補者の評価は実際にこの3つの項目で行い、評価シートの記入もこの項目にそって設計されています。面接官から面接官への引き継ぎも、この3項目にそって行われます。
また、候補者のことをより詳細に理解するために、この3項目をさらに「今後身につけることができるタイプの素質かどうか」で分けて考えています(これを便宜的に先天的要素・後天的要素)と呼んでいます。
たとえばパトス(=情熱)については、メルカリという事業に対しての関心や熱意は、面接などを通して理解を深めることで高まっていく可能性はありますが、「データ分析を通して何かを実現したい」などという、仕事そのものへの熱意を醸造することはより難しいと考えられます。
B / 採用基準を貫く
3年前にメルカリに入社して、採用面で特にすごいな、と感じることはその基準への妥協のなさです。
採用基準においてボーダー付近と判断されたり、面接者によって成否の判断がわかれたり、All Greenでない時には、人事の方から「その迷いが生じている場合は、採用はお見送りしたほうがいい」とアドバイスしてくれることでした。採用数目標を持っている人事チームの人間が、この発言をするということには、メルカリの採用に掛ける思いと、プロフェッショナリズムを感じたのを覚えています。
メルカリも大きくなってきたので、採用基準に関しての考えは各チームでだいぶバラけてきているようには見えます。
が、僕たちのチームでは昔ながらのメルカリの採用基準の考え方を貫いているつもりです。
どれだけ人が足りない状況でも、採用数目標が課された状況でも、それによって採用基準が影響を受けることはあってはならない。
これは、時として多少はた迷惑に映る側面もありますが、この信念を崩さないほうが最終的には全ステークホルダーがハッピーになると、そう強く信じています。
6 / オファー後ケアに全力を尽くす
オファーを出した後は、不安に思っている点や迷っている点が無いかを、丹念にヒアリングして、候補者のケアを怠らないようにしましょう。
元からつながりがある候補者の場合は、オファー後に即刻メッセなどで率直な感想(入社意欲や他社選考状況、不安点など)を聞きます。エージェント経由の場合はエージェントにお願いをします。
その後、オファー後の面談をオフィスで行ったり、他のメンバー(時には他職種)に会ってもらったり、会食という名のぶっちゃけ飲みに誘ったりと、なるべく話せる限り、もう一段のより深い相互理解を目指します。
全てに納得した状態で、オファーにYesと言ってほしいですからね。
(そうして、「メルカリさんに入社します」という返事をもらえたときの嬉しさって、本当にヤバい)
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございました。
さて、こちらの記事でも触れたのですが、この記事執筆の次月から、今のチーム(メルカリBIチーム)を離れてメルペイのチームに異動します。
メルペイでもデータアナリストは絶賛募集中なので、そちらに移っても採用は引き続き頑張っていきたいと考えています。興味ある人は是非気軽にご連絡下さい。(TwitterのDMオープンにしていますので。)
では、次の記事でまたお会いしましょう。
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僕がこれまで書いた記事で人気があったものは、こちらのマガジンにまとめてありますので気になる方はぜひチェックしてみてください。
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