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映画「ブリタニー・ランズ・ア・マラソン」(2019年)

個人的所感によるあらすじ


ニューヨークで暮らすブリタニーは、パーティ三昧の不健康な生活を続けていた。太った外見や自堕落な生活を見ないふりをしていた彼女だったが、ふとしたことで病院を訪れた彼女は、医師から血糖値や血圧の数値の高さを指摘され、このままでは生活習慣病は免れないと告げられる。危機感から近所でジョギングを始めてみる彼女だったが、偶然の出会いにも恵まれ、ニューヨーク・シティ・マラソンへの出場を目指すことにするのだが・・・。


ちょっとネタバレな感想


フルマラソンの距離は42.195km。例えば東海道本線であれば、東京を起点にして戸塚駅が41kmくらいになる。
こんな長い距離を自分の脚で走るなんて、と思う人は当然多くいる。どうしてわざわざ苦しい思いをするのか、それこそブリタニーのようにお酒でも飲んでわいわい楽しくやっていればいいじゃないか。

しかし、不思議なことに、走ること、ランナーであることにひそかに憧れる人も多い。自分にはできないと思いながら、健康やらダイエットやら、なにかのきっかけで走り始め、そして走ることそのものにはまる人もたくさんいる。
あげくの果てに、最初は走れないと思っていたフルマラソンの距離を、お金を払い、苦しいトレーニングをしてまでも走ろうと思うようになるのだ。

恋愛や仕事、健康への不安など、走るようになったからといってブリタニーの生活のすべてがよい方向に変わったわけではない。
それでも、走ることに目覚めたブリタニーの表情はどんどん変わっていく。正直、そこまで美女っぷりが上がったわけではないのに、確かに魅力的になっていくのだ。女性をとっかえひっかえしていたイケメンが、追いかけてくるくらいに。

マラソンは不思議だ。どれだけ途中苦しくても、走り出したことを後悔しても、一度完走した充実感を得てしまえば、つい次はどれにしようか、と思ってしまう。
目標を達成した自分に対するゆるぎない自信と自己肯定感、この味を知ってしまったらなかなかやめられなくなる。
その輝きが、周囲に自分も走ってみたい、と思わせる要因なのだろう。

ニューヨークシティマラソンは、東京マラソンと並ぶ世界6大マラソン大会のひとつだ。様々な挫折と再出発を経て、そのニューヨークシティマラソンを無事に完走したブリタニーは、今ではすっかり一人前のランナーであり、余裕を持った大人に見える。
この物語は史実らしい。映画の中のブリタニーも現実の彼女も、これからも挫折することはあるだろう。でも、一度でもフルマラソンを走りきれたという自信は、きっとこれからも彼女たちを支えるはずだ。






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