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サブキーパーの抱える役割と影響力、そしてロマン

聞き飽きていると思う。けれども今日も言います。

キーパーというのは特殊なポジションだ。


試合に出られない期間が長いサッカー人生だった。


たった一人しか出られないという特性のなかで感じる、GKチームの特異性、ここにはきっとロマンがある。

一番手になれなければ基本的には出番は回ってこない。

そんなサブキーパーは矛盾を抱えながら生きる。


サブキーパーは、試合に出ているキーパーに対して、誰よりも理解者でなければいけない。

GKは難しいうえに孤独だ。

失点して負けてしまうとき、プレーに疑問が残ったとき、フィールドプレイヤーに対してフラストレーションが溜まってしまうこともあるだろう。

そんなときに孤独にさせないことがサブキーパーには必要だと思う。

GKの葛藤はGKにしか理解しえない。

これはもう絶対だ。

フィールドプレイヤーにも、GKコーチにさえ分かりえないと思う。

理解者であることが求められる。


チームにとって客観的な立場になる時も必要だと思う。

試合に出る確率が最も低い立場だからこそ、チームから一歩離れて客観的な目を持つことが出来ると思う。


時には道化になって盛り上げることも必要だろう。

時にはサブのメンバーを叱咤激励する必要もある。

時にはヒール役になって厳しい意見をぶつけられるかもしれない。


他のポジションではできない、GKのサブだから出来ることなんじゃないかなと思っている。


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だけども、決して試合に出られないことを受け入れてはいけない。

突然来る出番に対応できないからだ、そうするとチームを地獄に落とすことになりかねない。

常に準備をしなければならないし、試合に出ることを望まなければいけない。

その日々はひどく疲れてしまうこともある。

出番がくるかもと高い熱で準備をする、来ない。準備する、来ない。

かるたの空札のような、精神がすり減る日々かもしれない。

けれども、やる。GKだから。


そして必ず自分が一番手になる必要がある。

それは自分にとってであり、チームにとって、その必要がある。


ライバルのため、チームのためと、サブキーパーとしての戦いに正面から向き合う姿は必ずチームに刺さる。


そんな選手が試合に出ることはチームにとって、応援する人にとって最高にボルテージの上がる光景。

それって応援する人を幸せにできてるって言えないかな?


大学時代には、たかが一選手が試合に出るというだけでチームが一つになる瞬間を目の当たりにしてきた。

ありがたいことに、自分もそういう選手になれたんじゃないかと思う経験をさせてもらえた。

3年時にとあることからサブキーパーであった自分にチャンスが回ってきた。


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その試合


僕の思い上がりかもしれないが、初めてのような熱気の応援を感じた。

そんな応援は僕の背中をおした。

いわゆるゾーン。クリアな頭で、プレーする快感に酔いしれた。

あの快感だけはもうどうにも言葉にならない。


ひとつ残念な話をすると、その試合は負けた。

絶対に勝ちたかったけれど、準備が足りなかったんだろう。

けれども、サブキーパーのチームに与える力を確信した。


たくさんの役割を抱えてる。

理解者にもならないといけない。

客観的な立場も求められる。

でも常に自分の準備も万全にしないといけない。


今試合に出られないキーパーには、求められることが多い分、たくさんの人を幸せにする影響力を持ってる。

GKはサッカーに関わる人を幸せにする可能性、秘めてる。


試合に出られないっていう、できればしたくないような苦い経験とどう向き合うか、これって選手にとって絶対に大事だな。


言葉にすればするほど思う。

GKにはロマンがある。ありすぎる。








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