小説を書き始めてみて
小説を書いてみようと思ったのは、一昨年の夏ごろ。
友人の展覧会を手伝ったときに、ふと思いついて、物語を書き始めた。
舞台は、真夜中の展覧会の会場。
絵に描かれている主人公の男の子が絵の中を通って、同じく絵に描かれている、ある女の子に会いに行く話。
その作品をきっかけに、去年は、本腰を入れて、小説を書いてみることに挑戦してみた。
いま、書いている未完成のものを含めれば、3本書いた。
春ぐらいに書き終わったのは、公募に出して、みごとに撃沈。ジャンルとしては児童文学で、原稿用紙換算(20×20)で150枚ほど。
初稿は一昨年の12月ごろ書き終えた後、1か月寝かせて、そこから3か月かけて推敲した。
簡単なあらすじとしては、小学生の男女5人組が、見たら幸運に恵まれるという噂のあるパジャマ姿のおじさんを探すという話。
我ながら、なんだか、よくわからない話だ。
反省点としては、枠にとらわれてしまったなという後悔があるということ。児童文学っぽいものにしようと、がんじがらめになってしまった。
いま完成したものを見てみると、とても窮屈に見える。あまりワクワク感がないというか。相手に受け入れてもらおうという意識が作品の流れをひどく悪いものにしている。
最初に書いた展覧会の話は、特に何も意識せず、公募にすら出そうと思っていなかった。
ただ楽しくて、書いていた。
公募には、出来たから試しに出してみようというような軽い気持ちだった。ビキナーズラックというかそんな力が働いていい結果がでたのかもしれない(地方のある文学賞で佳作をいただいた。一応、ここで読めます)
2本目は、11月ごろ、公募に出した。
原稿用紙換算で117枚ほどの作品。ジャンルは明確には判断できないが、自分なりにはハートウォーミングな話。
この話は、初稿は2か月で書きあげてから、かなり放置した。作成日時に見ると、推敲に取り掛かったのが、なんと7か月後。なんでこんな間を置いたのか、いまとなってはまったく謎。
なので、初稿と最終的に完成したものは、まったく違う姿になった。冷却期間を置くと、作品とのいい距離感が出来て、頭も冷静なので、躊躇なく直せる効果があるようだ。
この話は、前回の反省を踏まえて、楽しく書くことを意識した。枠を設けず、自由に。
自己評価ではたぶん、前作よりはいい出来になったと思う。結構、満足。けど、自己評価は当てないならない。判断するのはあくまで読んでくれた人だ。
ポストに投函してから、しばらくして、もう一回自分の書いてみたものを見てみて思ったことは、勝てないなということ。このジャンルなら、自分よりうまい人がいる。つまり自分でなくてもいい。そんなことを思った。
結果はまだでてないので、なんともいえないが・・・。
3本目は、現在、絶賛書き直し中だ。
書く側になってみて、意外だったのは、小説を一本完成させたら、もっと心の底から達成感が湧いてくるかなと思っていたが、そんなことはなくて、どちらかというとホッとしたという感情のほうが強かったということ。
「よっしゃー」って感じではなく、「よかった」と安堵のため息をつく。そんな感じだ。
小説を書いていて、突然書く意欲がなくなる日があったり、自分の力不足を感じてガックリすることもあった。
けど、なにかをつくっているプロセスは、思いのほか自分に力を与えてくれる。大げさに言うと、生きているという実感を持てた。
とりあえず、今年も小説を書くことは続けていく。
そのためには、時間の使い方だったり、自分をコントロールする術だったり、改善点はたくさんありそうだけど、一番は、自分にしか書けないものを、ただ楽しく書けたらいい。
Twitter:@hijikatakata21
最後まで、読んでくださってありがとうございます!