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ICT教育「先進的な自治体」と残念な自治体の差

「トップが頑張れ」
系の2020年記事。

「初任者頑張れ」
の2023年現在。

ICT教育「先進的な自治体」と残念な自治体の差

「まず、その理由として挙げられるのが自治体にはICTの専門家がいないことです。さらに従来型の“チョーク&トーク”といった教えることが主体の授業にどっぷりとつかってきた学校には、変化を嫌う体質がある。とくに中学校では『教科』ごとの縦割り意識が強く、ICTは教科の専門性を壊すものと懸念する教員も少なくなかったのです」

「急いで導入を進めているために、端末の入荷やWi-Fiの工事が遅れているなど問題点を挙げればきりがない。しかし、教育委員会が『これからどんな教育を目指すのか』というビジョンと、そのためのロードマップを策定しないままに進んでしまっているのが最大の問題です。確かに今年度末が導入期限ですから、余裕がないこともわかります。しかし、“チョーク&トーク”という教える授業しか知らない教員が、いきなり協働的な学びをやれと言われても難しい。そのためにもビジョンとロードマップに沿った取り組みが重要になります」

「トップの力」

トップがICT教育に積極的で、強力なリーダーシップの下、組織をオープンにして外部のネットワークを活用しながらICT化を進めている自治体は強い

「教育委員会は一般的に閉鎖的でした。その中で、これまでも開かれた教育委員会になろうとやってきたところは、GIGA、コロナという大きな変化にも対応できています。例えば、広島県の平川理恵教育長や熊本市の遠藤洋路教育長のように、トップ自身がネットワークを持っていて、積極的に動いている自治体は強いですね」

次に挙げるのが「県や市町村の首長と教育長が、しっかりと手を携えて取り組んでいること」だ。象徴的な例として、平井氏は戸田市の菅原文仁市長と戸ヶ崎勤教育長の連携を挙げる。そして「ビジョン」。そもそも旗印がなければ組織は動くことができないから、とくに重要だと強調する。

「通常、ビジョンの策定は、こんな子どもたちを育てたいという思いからスタートします。そこから必要なツールは何かを探っていくというステップを踏んでいきます。それを円滑に進めるために必要なことは、やはり人材を育成することです」

そこで次に挙げるのが「教育委員会内でいい人材がそろっていること」だ。

「学校の先生はもちろんですが、先生を指導する立場である教育委員会の指導主事もICTについて勉強をしなければならない。行政のトップと教育長、そして事務方の行政マンと指導主事がタッグを組めているところは強いんです。戸田市は異動が当たり前の自治体にあって、教育委員会が直接人材を採用して専門職を育てています。最後は、自治体に組織を引っ張れる人がいるかどうかで、結局のところは人なんですね」

また来年度は、GIGAスクール構想によるICT機器整備が済み、いよいよICT機器を活用した授業づくりの段階となる。つまり、目指す授業を進めるための教員研修と、新たに必要になったハード・ソフトの整備という、いわばポストコロナのステージとなる。これらを支えるためには、ICT機器と授業づくりの両面の知見を持ったエキスパートが必要である。そこで各自治体への教育CIO(Chief Information Officer)の配置が求められるという。

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