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やまもとはると/下北沢THREE


6月16日、やまもとはると、カモシタサラ、秋山璃月による弾き語りライブ「フラクタル」が、下北沢THREEで行われた。


01.ほし
02.追う風
03.未定
04.公園
05.花
06.未定
07.からっぽのプール

”ほし”が始まると、星にも鳥にも白い花にもなれるけど、何にもなれない自分を思ったり、遥か彼方の星屑を思ったりする。とにかく、彼の歌を聴いている時、”思う”のだ、正確に言えば、”思わされる”が近いかもしれない。2曲目、”追う風”では、知らない人の見たこともない故郷を、溢れるような気持ちで感じる。自分を、型取った風を思い出しながら。

「1年前の6月1日に作った曲です。」と、始まった”公園”。彼に1年前の6月1日に何があったかは、知る由もないが、曲を作ってしまうような、何かが明日私にも起こるかもしれない、とアップテンポに乗せられて、考えてしまう。口笛が吹けるようになるとか、そんな些細なことが起こればそれで、御の字なのだ。

私たちは、明日も駅の改札を出たり入ったりしなくてはならない。それに加えて、何かを信じることも、下を向くことすら難しいけれど、こんな曲があれば、とりあえずは大丈夫でいられるという1曲”からっぽのプール”で幕を閉じた。
3曲目と、6曲目は、まだ曲名が決まっていないとのことだが、ライブハウスで生きるこの曲を、今聴きにいき、何かを”思って”欲しいと切に願う。

人に優しくなるには、寂しさを知らなくてはならないのかもしれない。ただ、その寂しさは、必ずしも、苦しさを含むものではないのかもしれない。そんなことを、彼の歌が凪いだ後も、思うのである。(ひお)

写真  オオタケソラ @funyachoco_

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