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【絵本】しあわせハンスを読む

絵描きのフェリックス・ホフマン Felix Hoffmann (1911-1975) 
有名な絵本は「おおかみと7ひきのこやぎ」。ミリオンセラー。
わたしはこういうデッサン基調の絵が大好き!

(1)初見感想

表紙の絵に惹かれた。動物や町の人たち、ハンスの表情が見てて楽しい。

でもさ、この話は何……!?この話はハッピーエンドと言うには奇妙すぎる…。途中からどんどん不安になってきたよ。

(2)変なあらすじ

原作はグリム童話。
7年間の奉公で退職金に金塊をもらったハンスくん。
その金塊が重いからと馬に変え、牛に変え、豚にアヒルに
どんどん価値のないものに変えていく。
わらしべ長者のちょうど逆。

最後はすべて失うのに、ハンスくん笑ってるの。
重い荷物がなくなって嬉しいよ!って。
変な話。この絵本を読んだ子どもは、いったいどう思うんだろう?

(3)構成を調べてみる

web-しあわせハンス01

web-しあわせハンス02

こんな感じで、ハンスの方からどんどん「交換して!」と交渉していく。

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なぜすべてを失うのか。
なぜすべてを失ってるのにしあわせだと笑うのか。

あらすじに納得は行かないけど、ホフマンさんの絵は面白いので、結局何度も読み返してる。謎の多い寓話と、再読性の高い絵本。

この本からなにかを読み取って、答えを得る必要などない気がした。
気が向いたらなんども読めばいいんだな。
それで、いつも違う気持ちになればいい。

(4)ラストのほんとうの感想、落書き

「まったく ぼくくらい しあわせもんは、てんかにいないや」
こうして、こころうきうき みちをいそぎ、
ほどなく かあさんのうちに つきましたとさ。

これがラストページのセリフ。

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金塊そんな用途で使い切ったって知ったら、おっかさんは怒ると思うんだよね。次のページめくったら、絶対怒る母がいるに違いない!!!!妙にこわくてドキドキして、ラストが近づくと次のページがめくれないのですよ。

…ということで、図書館で3回くらい借りて毎回ドキドキしまくってから、この絵本を購入。amazon取扱はなく、古本屋さんで。
ホフマンさんの本で一番好きかも。





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