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東洋医学講座 79

〇五季における旺相死囚休①

五季とは、春・夏・土用・秋・冬であります。その五季のめぐりに、木・火・土・金・水の五気がどのように盛衰しているか、順を追って解説します。

≪木≫

木は春に旺となり、夏は休、土用は囚、秋は死、冬は相となります。

木ー春=旺(草木は、春気にあってその力を十分に発揮し、伸長が旺(さか)んであります)
 ー夏=休(草木は、夏気にあって、伸長を休んで、枝葉を伸ばします)
 ー土用=囚(草木は、朝夕の土用の涼気にあって、実を結んで内在の囚われの身となります)
 ー死(草木は、秋の冷涼の気にあって、葉を落とし、生気を根に内在し、成長を停止させます)
 ー冬=相(冬の草木は春気に旺するために、発芽の準備を進めています)

≪火≫

火は夏に旺となり、土用に休、秋は囚、春には相となります。

火ー夏=旺(火は熱体であり、夏の暑さには強いため、最も旺んとなります)
 ー土用=休(土用は、日中は暑いが、朝夕に涼がたち、火は休の方へ行きます)
 -秋=囚(秋は、冷涼の気がたち、火を囚(とら)えて、熱の発散を削ぎます)
 ー冬=死(冬の太陽は最も小さくなるために、火力が発散するのを停止させ、熱作用を死に追いやります)
 ー春=相(寒かった冬から徐々に加熱して、火体を強め旺に相する力となります)

≪土≫

土は土用の長夏に旺となり、秋に休、冬に囚、春に死、夏に相となります。土の自然作用は火気とほとんど同じで、暑気の中に涼気が混入しようとする陰陽変化の作用があり、万物を緩ませる働きを持っています。

土ー土用=旺(緩もうとする力を強める季であります)
 ー秋=休(緩もうとする力を休止して、凝固性を生じて休んでいる季であります)
 ー冬=囚(緩もうとする力が寒冷の気に閉ざされて、囚となります)
 ー春=死(緩み停止しようとする力が春の強い陽動にあって、その力を停止させます)
 ー夏=相(夏の暑気に緩解の兆しが出て、活気づいてきます)

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