はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康を…

はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康をカスタムメイド。伝統と最新の科学を融合した治療で心身のバランスを整える治療を提供します。 ネット予約は https://higokoro.com/

最近の記事

東洋医学講座 318

脾と肺運気と時代病 昔は肺疾には栄養を与えて脾力をつければいいといわれていましたが、これは要するに第二次世界大戦までのような結核全盛の肺機能低下時代にはとくに大切だったわけでした。今日では抗生物質ができて結核は少なくなったといわれています。 菌はいつの時代にもあるので、それに負けるかどうかはその菌に対する人間の抵抗力にかかっています。そして、時代病として現れるようなときに人間の抵抗力には、天の気の働きが大きく影響しているのであります。ちょうど肺系に相剋現象を起こす運気がめ

    • 東洋医学講座 317

      脾と肺相生関係における力差 脾は、脾体としては全ての臓器に複合的に相生していますが、脾気という単気としても肺と相生しています。ところがこのような相生の関係でも、両者の間で力に差があり過ぎるとよくありません。差はバランスを崩す元になります。 差があるときに力がない方は礼を尽くして接し、力がある方はそれに応えて、力がない方に自分の力を合わせればいいのであります。例えば、結婚のときの相性でも先天の星が相生関係にあっても、お互いに力の差があり過ぎて、しかも心が狭くて包容力がなけれ

      • 東洋医学講座 316

        脾と肺脾と呼吸 脾はまず人体全体の基盤であり、その中で肝気・心気・脾気・腎気という気で働いています。五気は脾体の一部を借りて自分の臓器とし、また、脾で消化・吸収された五味によって養われているので、広義の意味では脾は全ての臓器に相生していることになります。 次に、脾体は天の気を肺を介してとり入れようとします。現代医学でも明らかにされているように、肺自身は自ら呼吸をする力はなく、横隔膜の収縮を中心にした胸郭内の陰圧の変化によって肺は膨張し、大気をとり入れています。横隔膜は、胸

        • 東洋医学講座 315

          脾と肺脾と肺は母子協力関係にあり、脾土の母が堅実なるときは子である肺金は衰えません。 消化器が健全で胃(意)気が盛んなときは、肺活力も強く、その活気は末梢の皮膚にまで及びます。消化器が虚弱なときは、胃気が上がらず、肺気も少なく、皮膚も枯れて活気を失います。 肺は脾にその力を生じられて、脾の有余が肺気力となります。脾体は人体そのもので、その人に吸う力がなければ呼吸ができないように、脾体に勢いがあればあるほど肺活力は旺盛であります。 口から肛門までの消化器運動を始め、小細胞

          東洋医学講座 314

          脾系統の治法脾土は、心火の血液循環に養われ、肺金を生じ、腎水を剋し、肝木に剋されます。 脾気の不足の本は心火にあり、火の源泉は命門にあります。しかし、命門の下焦の火は、直ちに土を養いません。腎力・肝力を通して心を養い、脾土が養われます。 脾力がなく、腎邪実なるときは、邪水はかえって官鬼である土を侮り、水剋土となり、水毒肌肉に注ぎ、浮腫の症を現します。 腎は水穀を受けてこれを化し、大腸に至って後に二陰に出ます。二陰を司るところは腎で、腎が病むときは二陰が和さず、二陰が和さ

          東洋医学講座 313

          脾系統の病理と実邪脾虚の場合 脾虚の場合の症状を説明します。 ①四肢が動かしづらくなるのは体力が低下しているためで、全体が動かしづらくなるということであります。 ②嘔吐するのは、虚証タイプの人の場合、体力がないのでどのように逃げよう、守ろうという姿勢になりやすいためです。力があるものは、邪に対して向かっていこうとしますが、虚の場合は、内を守ろうとする力が働きます。そこで外に排泄することにより体を守ります。 ③腸が鳴るのは、腸は火力発電源なので、熱源が不足すると冷えます

          東洋医学講座 312

          脾系統の病理と実邪脾実の場合 ①脾実のときの症状として腹痛を挙げます。これは実でも虚でも現れる症状でありますが、腹痛を実なる症状として挙げた場合、実証タイプの人は痛みは強くなります。 なぜ痛みが強いかといいますと、実証タイプの人は体力があり、抵抗力も強いのでとても痛がります。しかし、実際には治りやすく、その反面、無理をしやすく、不摂生もしやすくなります。痛がる場合は、まだ体力が十分にある証拠であります。 虚証タイプの人は、防衛力が一歩退いて中に入るので、あまり痛みは強く

          東洋医学講座 311

          脾系統の病理と実邪脾気実なるときの症状 ・腹が痛む ・腹がはる ・消化しない ・身が重い ・よく飢えを感ずる ・足が萎えて、歩行しにくい ・足の筋肉が引きつり、下腿部に痛みを感ずる 脾の実邪は瀉すのがよいでしょう。 脾気虚なるときの症状 ・四肢が動かしづらい ・下痢をして消化しづらい ・嘔吐する ・腹がはる ・腸が鳴る ・倦怠して臥すことを好む 脾の虚邪は補すのがよいでしょう。 脾の実邪の症状 実とは、充実して体力もハイランクにあるという意味合いを持ち、脾が実な

          東洋医学講座 310

          脾系統の時の病理 脾系統の病理は、申酉戌の刻(午後3時~9時)に癒えやすく、寅卯辰の刻(午前3時~9時)に悪化しやすいです。巳午(午前9時~午後1時)を待って未の刻(午後1時~3時)に起こりやすくなります(大抵、各土気の時間には変化しやすい)。 なお、四季・日・時の他に、年・年齢の輪廻による病理もあります。 年=金年はよく、木年は悪化し、死の転機になりやすい。 年齢=幼腎旺、少肝旺、壮心旺、中脾旺、晩肺旺のいずれの年齢時の脾病。晩年は治りやすく、肝旺の青少年期は死にや

          東洋医学講座 309

          脾系統の日の病理庚辛の日に癒えやすく、甲乙の日に悪化します。甲乙の日に死ななければ、丙丁の日を待って戊己の日に起こります(再発に苦しむ)。 日と脾系統の病理 日における病理も、やはり旺相死囚休のめぐりでみます。 暦を見ますと、今日は十干の何の日に当たるかが分かります。日のめぐりは、十干を中心として考えます。 例えば、今日が壬申(みづのえさる)の日だとします。壬は水グループに属すので、壬申の日は水性の相生・相剋を見ればいいわけであります。水に対して相剋を受けるのは、心が

          東洋医学講座 308

          脾系統の四季の病理脾病は秋に治りやすく、秋に治らなければ春に著しく悪化し、春に死ななければ長夏を待って起こる性質があります。 脾病の主症状は、代謝閉塞しがちとなり、体が重く、倦怠感が強く、体中の関節に痛みを感じます。 四季と脾系統の病理 脾経の四季の病理については、旺相死囚休を使い、五季の相生・相剋のめぐりで説明します。 病が脾にある場合は、脾は土性に属すので、土という符号に合わせますと土生金で、秋に癒えやすいことになります。秋が旺になれば、土にとっては子供が旺なので

          東洋医学講座 307

          脾と噦噦(えつ)はしゃっくりのことで、脾に変動、または病変が起こると、横隔膜が痙攣が生じ、しゃっくりとなります。 重症者のしゃっくりは、死相であります。 横隔膜の働きとしゃっくり 噦とはしゃっくりのことで、脾に深い関係があります。しゃっくりは、横隔膜の異常痙攣によって起こります。横隔膜は、体幹の中にあり、体の上下に仕切っているものであります。この横隔膜の運動によって、呼吸・循環・消化器官の蠕動運動などが容易に行われます。また、肺臓運動・心臓運動・胃腸運動が、この横隔膜運

          東洋医学講座 306

          脾系統の生成中央は湿を生ず 湿は土を生ず 土は甘を生ず 脾は肉を生ず 肉は肺を生ず 脾は口をつかさどり 脾は味をつかさどり 脾は黄色を生ず 脾は涎(よだれ)を生ず 脾は香気を生ず 経絡においては、足の太陰脾経となり、胃に合し、胃は腑にして陽表をつかさどり、足の陽明経としてめぐる。脾は臓にして、陰裏をつかさどる。 脾系統の成り立ちと働き湿は、水気と土気から生じます。水は親和性を持ち、吸引力があり、土の濾過的浸透力によって湿を生じます。中央は湿を生ずというのは、地面に水を撒い

          東洋医学講座 305

          土気の生成天にありては湿となし 地にありては土となし 体にありては肉となす 臓にありては脾となす 色にありては黄となす 音にありては宮となす 声にありては歌となす 生理変化にありては噦(しゃっくり)となす 竅にありては口となす 味にありては甘となす 志にありては思慮となす 四季にありては長夏に旺となり 脈にありては緩となり 形にありては肌肉となり 精神にありては意を蔵す

          東洋医学講座 304

          脾と湿1年における五気を土性に配当すれば、湿がそれに当たります。1年では長夏に当たり、夏の熱気を受けて地上の万物が水気を蒸発し、大気中に湿気を含み、湿性の大気となります。適湿はよいですが、過湿は脾体を傷つけます。 大地においても湿土は適湿な土であります。そして、万物を養育し、燥土は無湿な土であり、万物が枯れてしまいます。泥土は過湿な土で、万物が養育できません。 脾体も同じように潤湿を好み、過・不及を憎みます。 脾土 100  |       好拮抗 腎水 100 (この

          東洋医学講座 303

          脾と五・十脾は土性に属し、土性的働きをしています。数の土性は五・十であります。 1 2 3 4 5 ・・・生数 腎 心 肝 肺 脾 6 7 8 9 10 ・・・成数 天一水を、地二火を、天三木を、地四金を、天五土を生じ、地六水を、天七火を、地八木を、天九金を、地十土を成す、と古人は説いています。 五・十は生数・成数の熟成数 古典によれば、「天一水を生ず」とあり、自然界、つまり、地球上では、はじめに水が生じたといっています。人体では、天地なる父母が腎精体を生じるので、人