はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康を…

はり・きゅう専門 ひごころ治療院

新丸子・武蔵小杉のひごころ治療院でございます。地域の健康を支える鍼灸院。あなたの健康をカスタムメイド。伝統と最新の科学を融合した治療で心身のバランスを整える治療を提供します。 ネット予約は http://higokoro.com/reserve

最近の記事

東洋医学講座 298

〇脾と土用▽土用の働きについて ▼〝鬼門〟とは 4つある土用の中で最も条件が悪いのは、冬の土用と夏の土用であります。なぜかといいますと、四季的によくないからです。人体にとって、寒冷の激しいときは体内で暖房装置の働きがなされ、暑いときは冷房装置の働きがなされることによって体力エネルギーが消耗されています。つまり、その時期はエネルギーの消耗がそれだけ激しいわけであります。したがって、秋と春の土用に比べれば、非常に条件が悪いということが分かります。そればかりではなく、寒冷時や暑

    • 東洋医学講座 297

      〇脾と土用▽土用の働きについて ▼土用の成立 1年に四季があるということは、つまり、1年の働きに4つの特徴があるということになります。そして、4つの働きはそれぞれ種類が全部違います。種類の違う特徴をつくるためには、働きを変化させなければいけません。そこで変化が生じるわけであります。このように4つの変化が行われることから4つの季、つまり冬の水の気、春の木の気というようになっていきます。ふつう、春の加熱作用は冬の寒冷の状態から徐々に温めていきますが、これは1つの線上にあって変

      • 東洋医学講座 296

        〇脾と土用▽土用の働きについて 土用とは、1年では丑の月、辰の月、未の月、戌の月の18日間です。 丑(冬)の土用は1月17日から2月3日、節分までの18日間、辰(春)の土用は4月17日から5月4日、未(夏)の土用は7月20日から8月6日、戌(秋)の土用は10月21日から11月7日までのそれぞれ18日間です。これが4季365日における土用の配当であります。 これを方位に配当しますと、東北の丑の方、東南の辰の方、西南の未の方、西北の戌の方の四隅正中線上に配当されていますが、

        • 東洋医学講座 295

          〇脾と土用脾は五行では土行に属し、四季では土用に当たります。脾は人体においては大地のように、万物である全組織を含み、栄々の中心的働きを成しています。同様に五季における土用は、春夏秋冬の間隙に位して、これらの四季を調整しています。 人体では四臓を栄々を成している脾臓に当たるのが土用であります。 1年72日間土用があり、とくに、夏、冬の土用は鬼門といわれ、土気が強いです。 土用の及ぼす作用には、次のようなものがあります。 ①土化作用が強い(腐食作用) ②温度の高低に差があ

          東洋医学講座 294

          〇脾と歌歌う、語る、話す、読経するなどは、生理作用として脾を賦活させます。しかし、体力以上に歌いすぎたり、しゃべり過ぎたりして、脾を傷つけます。 ▽発声と臓器の関係 歌というのは、発声を変化させながら声を伸ばしたり、縮めたり、休んだりして歌うということです。話す、語ることと似ている発声であります。他の五行発声音と比較すると、木の場合は呼ぶ声です。つまり、おーいと呼んだ時の体の状態はどうなるか、実験すると分かるかと思いますが、へその上辺りに力が入り、とくに肝臓の辺りに力が入

          東洋医学講座 293

          〇脾と宮音宮とは、五行では土性の音で、喉音であります。 五十音では、アイウエオ、ヤイユエヨ、ワヰウヱヲに属します。 木=角音(牙音)・・・カ行 火=微音(舌音)・・・タ、ダ、ナ、ラ行 土=宮音(喉音)・・・ア、ヤ、ワ行 金=商音(歯音)・・・サ行 水=羽音(唇音)・・・ハ、マ行 ▽宮音は土性の音 脾は宮音で、宮音は東洋では土性の音です。喉音というのは、喉の発声音です。喉音を発声することによって脾系に関係し、また脾系の働きによって喉音を発声することになります。 例えば

          東洋医学講座 292

          〇脾と緩脈▽脈診部位と四季脈 ●人体の脈所 人体で脈が分かりやすいところは、太い動脈が体表に浮いているところであります。古人の説く全身の脈所には、頭部に3か所、手部に3か所、足部に3か所の天人地の脈所があります。 首から上、頭部の脈所は、上焦の働きを通じて全身の状態が現れ、手の脈所は、中焦の働きを通じて全身の状態を現し、また足の脈所は、下焦の働きを通じて全身の状態を現します。 全身にめぐる血液の流動状態は、全身にまんべんなく循環しながら、その他使用しているからだの組織

          東洋医学講座 291

          〇脾と緩脈健康な成人の脈状は、一呼吸に4~5動(腎気ありて無病の人)、1分間に15~16呼吸(72~80動)であります。 また、健康小児の脈状は、一呼吸5~6動、1分間に80~90動であります。 全身における主な脈診部位を図に挙げます。 緩脈は脾を現わし、長夏の午後のときに現われる脈状であります。すなわち、長夏には緩脈となり、午後には緩脈を現わし、他のときにでも緩脈を現わすのは、脾が変化しているときであります。 緩脈を生理的に説明しますと、内臓を始め、全身が恒温をやや

          東洋医学講座 290

          〇脾と黄色▽〝気〟と色について ▼体色に現われる臓器の変動 人体において、黄色の顔は脾の変動を示し、脾旺の場合は少し黄色味で活気のある血色を示します。病態の場合は木剋土で黄色が濃く、活気がなく、血色が悪くなります。全体的な体色づくりは、大きくは肝の働きによるものですが、他臓の働きが強くなると、その臓器の影響を受けて体色が変わります。 例えば、静脈血のをからだの隅々から吸い上げて、動脈血をめぐらせる心臓の働きの影響を強く受けると、体色は赤くなります。また、肝臓の働きが亢進

          東洋医学講座 289

          〇脾と黄色▽〝気〟と色について 光はエネルギーの波動であるといわれていますが、様々な古典にも記載があり、その中には非常に素晴らしいことがたくさん書かれています。ここでは天気の色、気を中心とした色について説明します。 ▼四季にもそれぞれ色がある 春の気は木気の色であり、万物を青くします。これは自然の草木の変化の色で、九星の色と同じであります。図のように、春、三碧は若緑、次は四緑で深緑となり、夏は九紫で紫になります。 草木の緑は、紫外線が加わると紫色になりますが、これは青

          東洋医学講座 288

          〇脾と黄色色の生成は古代から究明されています。『般若心経』の一節に、「色即是空、空即是色」とあり、『天経或問』にも、「気は火を包みて転動するときは風となり、吹くこと急なるときは声となり、集まりて発するときは、光となり、なお合して凝るときは形をなす」とあります。これを現代流に訳しますと、光はエネルギーの波動であり、その波動の長短が色光の種類を生じ、また光波エネルギーは、さらに急激に終結するときに熱エネルギーともなり、物質にも変化します、となります。 ひとたび大気が転化すれば光

          東洋医学講座 287

          〇五味の生成▽五味との働きと人体 ▼甘味を摂り過ぎると... 甘味は口から食道を通り胃に入ります。胃に入ると、甘味は感じられず、適量であればブドウ糖に変化してエネルギー源としますが、過剰のときは胃の収縮筋を弛緩させます。胃痙攣のときは、胃の筋が引きつっている異常亢進の場合なので、砂糖湯を飲むと症状が消失します。これは甘味を入れると、神経の興奮を緩め、筋肉の引きつりがとれるからです。このような作用から、糖質が胃の中に入ると内臓筋が緩むことが分かります。 甘味を過剰に摂取す

          東洋医学講座 286

          〇五味の生成▽五味との働きと人体 ▼五味の基本ー甘味 五味には、酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の五種類ありますが、これは単なる符号であります。常識的に考えると、間違いやすいのは甘味というと砂糖だけを考えがちですが、そうではなく、甘味は糖質、すなわち含水炭素のことを指します。 五味の母胎は土の甘味です。この甘味がある刺激を受けて、酸味に変化し、その変化の度合いによって酸味の度合いも異なります。カルメラは砂糖を焦がして作ります。糖質が夏・昼の火気を加えられて苦味となりますが、

          東洋医学講座 285

          〇五味の生成土の中からつくられている甘味は土質の持つ味で、この土性の甘味質が四季作用にあって他の味質をつくっています。 酸味は、春・朝の大気作用に化生された味 苦味は、夏・昼の大気作用に化生された味 辛味は、秋・夕の大気作用に化生された味 塩味は、冬・夜の大気作用に化生された味 ▽五味との働きと人体 ▼五気と五味 地球の自転公転により、春夏秋冬と二十四時の五気があります。これらが交互に地上に働きかけ、天地交合して人気が生じ、その人気として生じたものがすなわち五味であり

          東洋医学講座 284

          〇脾と甘味『素問』に「天は人を養うに五気をもってし、地は人を養うに五味をもってす」とあり、体形の生ずる本(もと)は、酸味・苦味・甘味・辛味・塩味のうち、人体で一番量を必要としているのが甘味であって、その他の四味は比較的少量で良いとしています。 五味は五臓を栄養するといわれ、甘味は脾を栄養するので、脾の占める分野は全身のほとんどであることからも、甘味を大量に必要なことがうかがえます。 脾は最も多く必要とする甘味すなわち糖質は、含水炭素で人間が主食としている米・パン・麺類をは

          東洋医学講座 283

          〇脾と思慮▽脾と思慮の関係と働き 脾と思慮の関係でありますが、思慮とは、文字通り思い憂うること、思慮・憂慮ということであります。いずれにしろ、脾は精神的な問題から切り離して考えることは難しいのであります。思うと言うことと考えるということは少し違いますが、どのように違うかはっきり分けるとなれば、一瞬戸惑うかと思います。根っこは一つであるが故にとくに難しいわけであります。 考えるということは、知恵を使い、腎気を使います。一方、思うということは、いわゆる表面的な働き、つまり感情