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東洋医学講座 311

脾系統の病理と実邪

脾気実なるときの症状

・腹が痛む
・腹がはる
・消化しない
・身が重い
・よく飢えを感ずる
・足が萎えて、歩行しにくい
・足の筋肉が引きつり、下腿部に痛みを感ずる

脾の実邪は瀉すのがよいでしょう。

脾気虚なるときの症状

・四肢が動かしづらい
・下痢をして消化しづらい
・嘔吐する
・腹がはる
・腸が鳴る
・倦怠して臥すことを好む

脾の虚邪は補すのがよいでしょう。

脾の実邪の症状

実とは、充実して体力もハイランクにあるという意味合いを持ち、脾が実なるときの症状とは、脾実タイプに実邪が入ることをいい、丈夫な人に強い邪が入ったときの症状といえます。

脾が虚なるときの症状は、脾の弱いタイプの人に弱い邪が入った場合の症状をいい、虚証タイプの人は滅多に実邪が入ることはあり得ません。もし実邪に侵されれば、これは死ぬ可能性があります。反対に実証タイプの人に虚邪が入らないのかといいますと、そうではなく、例え虚邪が入ったとしても発病しないので病気とはいえません。実証タイプの人が発病するのは、その体力に見合った実邪が入ったときなのであります。

同様に、虚証タイプの人に実邪が入らないことはありませんが、まず虚邪でも入りやすい体なのですぐに症状として出ます。そこで、その症状を危険信号として受け止め、仕事を控えたり、食事を摂生をしたりして、治療のほうへと専念するために重くはなりません。つまり、虚邪が入ったにとどまることになります。もちろん、そのまま不摂生を重ねていけば、実邪が入って危険なことにもなりかねません。

したがって、脾実なる症状とは、言葉を変えていうと体力のある人の脾系の病証であるといえ、脾虚なる症状とは、体力の低下している人の脾系の病証であるといえます。

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