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広告コンテストで入選した話、というか恥部の話。

・はじめに

普段はマンガアプリの仕事をしている私ですが、先日プライベートで「新聞広告クリエーティブコンテスト」という広告のコンテストに参加しておりました。

今回は参加の経緯と制作レポートを書いていきたい…と思ったのですが、結果として長々と自分の恥部を語るような形になってしまいました。(チームのみんなごめん。ちゃんとしたのはまた今度書きます。多分…)
ちなみにこの恥部は、「他人からしたらどうでも良いけど、自分的には見られるとやたら恥ずかしい」タイプの恥部です。そういうのって、あるよね。

目次
・参加までの経緯…コピーライターになりたかった話
・コンテストに参加した話
・思い出しちゃった
・おまけ:正義の話を、少しだけ

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・参加までの経緯…コピーライターになりたかった話

2017年の夏、私は仕事に飽きていた。

当時私は、ハンバーガーショップの店長をしていた。店長は非常に楽しい仕事ではある。ただ、私は飽き性だった。

ぼんやりと転職したいな、と思っていた時、これまたぼんやりと眺めていたテレビに、広告業界で華々しく活躍するアートディレクターのドキュメンタリーが流れた。

ああ、かっこいい。こうなりたいな。でもアートわかんないや。絵が描けなくてもなんか近い仕事ないかな。

…コピーライターとか?

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という、濡れたふ菓子ぐらいのフニャフニャな気持ちで、青山の教室で開かれるコピーライターの講座に通い始めた。
半年間、動機こそアレだが講義は真面目に受けた。

講座には様々な人がいた。私のように異業種から広告業界に転身したい人、既に広告の仕事をしている人、学生さんなどなど。年齢や職種をまたいで、その中の何人かと仲良くなれた。

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講座通いと並行して、転職活動も始めた。

私はコピーライターになりたかった。
なりたかったが、なれなかった。
私には、そこまでの根気と熱意と何より実力がなかった。そのくせ、クリエイティブなものへの憧れは生意気にも持っていた。全く悔しくないといえばウソになるが、夢破れたというと真剣な夢追人に対して失礼になるぐらいの、ゆるい挫折だった。

結局、縁あって現職のマンガアプリの仕事に就いた。
想定外だったが、クリエイティブ周辺の仕事だし、学生時代に出版社で働きたかったこともあったので、内定が出た時は即決でOKした。

講座終了後、仲間の何人かは、転職を成功させてしっかりコピーライターになった。かっこいいな、と思う反面、そこまでの熱意を持ち合わせない自分に対して、苛立ちのような諦念のような、すこし冷えた感情が手元に残った。

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あれから3年。今の仕事もそれなりに気に入り、楽しく過ごせている。
あの冷えた感情も、過去のゆるい夢も、今やよき思い出になった。

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・コンテストに参加した話

今年7月。
キナリ杯受賞作品集のことを知らせたくて(ドヤりたくて)、講座時代の仲間のグループLINEに久しぶりにメッセージを送った。

後日その中の一人が、「新聞広告のコンテストに参加するから一緒にやろう」と声をかけてくれた。(彼はコピーライターとして活躍を続け、今や広告代理店の名門に入っている。すごい。誰よりも努力し続けたんだろうな、と尊敬する)

一時とはいえコピーライターを志していた身として、そういった話を貰うのはうれしい。しかも本職のコピーライターから。二つ返事でOKした。

チームに参加してみると、メンバー構成は下記の通りだった。
私以外、全員がその道のプロとして活動している。

・コピーライター
・ディレクター
・デザイナー
・フォトグラファー
・マンガアプリ雑用(私)←?

うーんこの場違い感。なんで呼んだの?
賞とってて縁起よかったから?ラッキーアイテム枠?

などと思っていたが、彼ら曰く、アイデア出し要員で呼んだとのこと。なるほどアイデアの壁打ち相手ぐらいならできるかもな〜と思ったが、がっつり私も企画から考えてとのことだった。ひぇ。恐れ多い。でもやる。

提出締切まで時間もなかったので、毎日のようにやりとりをして企画を詰めていった。それぞれが仕事を終えた後、毎晩LINE上でコピーやデザインを持ち寄り、あーでもないこーでもないと議論を交わした。久しぶりにコピーを真剣に考える時間は、楽しかった。めちゃくちゃ楽しかった(語彙力)。

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制作期間は1週間ほどしかなかったが、なんやかんや議論を重ねて5案ほど作品ができた。8月頭、提出。
そのなんやかんやを語り出すともう一記事ぐらいのボリュームになるので、ここでは割愛する。

余談だが、この制作期間中に私の子どもが産まれている。親族以外では最初にここのメンバーへ出産報告をした。より私のラッキーアイテムみが深まる。

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10月、コンテスト結果発表。
私たちの作品の1つが最終選考まで残った。が、受賞は逃した。

「これって 入選 ってことでいいのかな?」

自分たちの結果に何かしらの名前をつけたくて、あとかっこよく「入選しました(ドヤァ)」って言いたくて、チームのLINEに送信した。

どうかなぁ、わからんなぁというレスが返ってきたが、結局「入選したものから入賞を選ぶんやで」とyahoo知恵袋に書いてあったので、みんなでそれを信じることにした。最終選考まで残ったことを「入選」と名付けるのもまた、立派なコピーライティングだ。たぶん。

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・思い出しちゃった

私はコピーライターになりたかった。
かつて見たゆるい夢を、今回のコンテストが楽しかったせいで思い出してしまった。

そんなわけで今、私は宣伝会議賞というコピーのコンテストに挑戦している。

あー、楽しいな。残念ながら楽しい。これを仕事にできたら、幸せなのかもな。
でも熱意の無い(しかも飽き性の)私なので、これを仕事にするのはやっぱり難しいだろうな…。また私の中で、憧れと諦めが摩擦している。

昔の思い出になったはずのゆるい夢が、今になって少し生温い。


おしまい

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・おまけ:正義の話を、少しだけ

入選した私たちの作品、タイトルを「正義」という。

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このところSNSなどで、不祥事を起こした人への過剰なバッシングが目立つ。そんな暴力へのメッセージとして、この広告は作られた。
(このメッセージに関しても書き出したらとんでもない文字数になりそうだ。特に昨今のnote界隈ではホットな話題でもあるし。)

ここでは一言だけ。
正義が自分の手元にある(と思ってる)時こそ、言葉の使い方には気をつけたいですね。

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新聞広告クリエーティブコンテストの 受賞作はこちら。さすが面白いです。そして我々の作品含む 入選作がこちら。実名が並ぶ中、「村上牛」って載っているのが何とも恥ずかしい。

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