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危険な暑さの中で戦う球児を涼しい室内で観戦する異常な夏の風物詩

夏といえば甲子園。テレビ中継で自分の出身や馴染みのある地域出身の高校を応援しつつ観戦を楽しむ方も多いのではないでしょうか。しかし、その中継では、明らかにおかしなことがあります。

甲子園の異常さに気づいていますか?

引用元:【熱闘甲子園】初日から熱中症で多数救護室へ。NHK「選手は倒れていません」 → 「誰かが死ぬまで、いや死んでも止めないだろうな」との指摘も

NHKは甲子園を中継しながら、画面横では大きな文字で『熱中症警戒アラート』の文字を表示していました。『熱中症警戒アラート』が発表されている地域では、熱中症の危険性が極めて高くなっています。また、(1)不要不急の外出は避け、昼夜を問わずエアコン等を使用する、(2)エアコン等が設置されていない屋内外での運動は原則中止、など命を守る行動を優先することが呼びかけられています。

勿論、連日甲子園球場は屋外での運動は中止するレベルの暑さになっています。甲子園だけ涼しいわけではありません。つまり、命をかけて懸命に野球をする高校生を、多くの人は空調の効いた快適な室内で娯楽として観戦して楽しんでいるのです。これが、日本の夏の娯楽になっています。異常だとは思いませんか?

甲子園にも暑さ対策は導入されたけれども

大会を主催する高野連も対策なしに甲子園を行っているわけではありません。2023年の大会から、暑さ対策として5回終了後の10分間のクーリングタイムが設けられています。

しかし、クーリングタイム終了直後に熱中症とみられる痙攣で運ばれる選手が続出する、クーリングタイムにサーモグラフィで体温を測ると「(体温が)45度ぐらいあった」(体温ではなく表面温度だと思われる)、など、暑さ対策には限界があることが見て取れます。どんなに対策をしていても、危険な暑さの中野球をさせることは高校生を酷使していることは明らかです。子どもを酷使させる様子を見て娯楽にするー画面の向こうの高校生の置かれた状況に気づけば、これが異常であることが分かります。

まとめ

甲子園は日本の夏の風物詩であり、文化です。しかし、年々暑さがひどくなる中、前例踏襲で夏に大会を行うことがもはや高校球児への虐待に近い、そんな状況になっていると感じます。ふと冷静になって、画面の向こうの高校生の置かれた状況に思いを馳せてみませんか?

引用文献


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