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新年度の学校の先生の忙しさ

新学期は忙しいです。しかし、そのイメージはなかなか理解されません。そこで、転勤してすぐに1年生の担任をもつ教員の場合の例を紹介します。


新年度当初の例

4月1日 初職員会議準備 新年度準備

パソコンなどは新任者にはまだ準備中で、校務分掌も翌日の初職員会議で発表され管理職より委嘱されるため、仕事はまともにはできません。そのため、年休を取ったり、転勤先の学校へ挨拶しに行き荷物を運び入れて机の整理だけすることが多いです。

4月2日 着任 初職員会議 校務分掌発表

午前中は会議です。新年度の資料(80頁超)が配られ、それぞれについて説明されるのを聞いて理解します。また、校務分掌が発表され、自分が学校でやるべき仕事が大まかに知らされます。

午後はそれぞれの校務分掌の会議、学年での会議、特別委員会での会議などがあります。それぞれの会議では、詳細な役割分担が示されたり、前年度の担当者からの資料の引き継ぎが行われたりします。前任者が転勤している場合には、資料だけがドサッと渡されることになります。その場合、今までやったことのない仕事でも、資料を元に推測しながらこなすことになります。また、未決定の場合には校務分掌の代表を決めます。大抵は、特別委員会の代表ぎめです。代表になると、その分掌の責任を負って自分がリーダーシップを取って仕事をすることになるので大変です。

4月3日 始業式 入学式準備 学級の掲示物作り 家庭向け通知作り 校務分掌資料作成 

午前中は始業式で在校生が登校してきます。午後には、入学式準備と共に、学級開きの準備で掲示物(学級目標、座席表、掃除分担表、座席シール、学級通信など)を作成します。さらに、行事が4月にある場合等、締め切りが既に決められているものについては、校務分掌の役割分担に従って、企画立案のための書類を準備します。教員数が減った今では、校務分掌は一人で2〜3を担当することが珍しくはありませんので、業務は多岐に渡ります。その傍ら、部活顧問の業務として、練習予定表を作成したり、顧問の協会登録をしたり(自腹)、4月の大会へ申し込んだりなども行います。

4月4日 入学式 PTA入会式

いよいよ入学式です。式典は午前中には終わりますが、新入生から回収してチェックする書類(生徒カード、住民票、各種保健調査票、スポーツ振興センター加入申込書、入学時の誓約書、学校徴収金の口座振替書、自転車通学届、通学証明書の申請書、マイナンバー利用同意書、就学支援金の申請書、学習用タブレット関係書類、教育活動における個人情報同意書)が膨大にあります。回収したあとに、これらに不備がないかも全てチェックするのが担任の仕事です。

入学式が終わると、式場片付け、書類のチェックや保護者からの問い合わせの電話対応などであっという間に午後は終わります。部活に熱心な学校では、入学式後に1年生の勧誘があり、午後は練習をしたりもします。部活の練習には顧問の安全配慮義務があるため、練習をするなら午後は部活を見なければいけません。練習が終わってから新入生の書類のチェックなどを夕方〜夜に行います。

4月5日 実力テスト

全校生徒が揃います。学期始めは実力テストが実施されることが多いです。実力テストの結果によって、習熟度別の講座分けをすることもあり、授業が2日後から始まる場合には、その前日までにテストを全て採点し終えて、講座分けまで行わなければなりません。しかし、テストが終われば午後には部活動がありますから、のんびりと採点はできません。分掌の仕事もこなしつつだと夜遅くなり、テスト用紙を自宅へ持ち帰って採点することも珍しくはありません。

4月6日 部活の大会や練習試合

前任の顧問が既に入れていた部活の大会や練習試合の引率を行います。5月の総体に向けての市大会などが行われることが多く、大会は基本的に一日かかります。

4月7日 部活の練習日

この日は部活の練習日です。総体前なので、土日両日の活動日程がすでにくまれていることも多く、昨日の反省を活かして練習が行われます。顧問は付き添いになります。

4月8日 新入生オリエンテーション、生徒写真撮影、部活オリエンテーション

新入生には、授業時間を使って授業の進め方や学校の案内などのオリエンテーションを実施します。年間予定表を配ったり、進路指導主事からの話を聞くために体育館の音響準備をして新入生を集めたりなどです。担当になっていればオリエンテーションの資料作りもこの日までにおえていなければなりません。一方、実力テストも終わり、2、3年生はいよいよ授業開始です。2、3年生の授業を保つ場合には担任業務と並行して授業も行います。

4月9日 1年生授業開始

いよいよ1年生も授業開始です。しかし、お気づきでしょうか。ここまでまともに授業準備をする時間はありません。

まとめ

学校の新学期はおおよそこのようなスケジュールで進んでいきます。さらに5月には、高体連の大会(高校総体)や中間テスト、6月には県総体が控えており、7月末まで一息つく暇はありません。

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