海外の方にはやさしい日本語で対応を
日本に来る外国人旅行者の数は年々増加しています。また、外国籍児童数も増加傾向です。そこで英語で対応と思っても自身の英語能力の問題やそもそも英語が通じないなどの理由でうまくいかなことは多いです。そこで登場するのが『やさしい日本語』です。これはどういったものか、本記事では紹介します。
やさしい日本語の特徴
日本語非母語話者にとって、分かりやすく配慮した日本語使用が『やさしい日本語』と呼ばれます。以下のような特徴があります。
短い表現
『食べて下さい』などのような敬語や丁寧語は避けて『食べます』『食べる』という『〜します』形や短い表現の言い方が伝わりやすいです。特に『〜して下さい』の意図で『〜します』形を使うことは、日本語初学者対して有効です。
例:△逃げて下さい ◯にげます ◯にげる
熟語は避ける
音から成り立つような二字熟語は難しいです。そのため、例えば『困難』ではなく『難しい』という表現のほうが伝わります。
例:△きけん ◯あぶない
名詞を避ける
『名詞+する/ある』の言い方は避け、『〜する』というような短い表現に可能な限り言い換えましょう。
例:△ゆれがある ◯ゆれる
否定形ではなく肯定形
否定形は伝わりにくい表現です。肯定形で言い換えられないか工夫してみましょう。
例:△時間がない ◯忙しい
漢字にはひらがな
ひらがなだけでなく漢字も合わせて意味が伝わることもあります。ある程度日本語学習をしている人にとっては、漢字は表意文字であるため、見ただけで意味が何となく浮かびます。
例:避難(ひなん) 日本語(にほんご)
やさしい日本語が必要な理由
第一に、日本人皆が英語で海外の方に対応するのはハードルが高いという現実的成約があります。苦手で誤解を招く恐れのある英語を無理して使うよりは、使い慣れている日本語を私たちが工夫して使ってみましょう。
第二に、日本に来る人の大半は英語非母語話者であり、そもそも英語が通じないことが多いのが実際です。例えば、2023年3月の国別来日者は1位が韓国、2位が台湾、3位がアメリカです。4位以下も、アジアの国が多く、お互い英語非母語話者である場合、必ず英語が通じるとは限りません。
第三に、日本に来る人は日本文化や日本語に親しみたい気持ちがあることです。日本語を使ってみたい、話したいというニーズが来日者にはあるのです。
第四に、日本に定住する予定の人には、やはりその国の言語に慣れて習得することが求められます。日本語での対応は相手のためでもあります。
やさしい日本語を使う場面
やさしい日本語は、災害時、おもてなし、そして長期滞在者との交流の場面で使うことが多いでしょう。
災害時には、わざわざ言語に流暢な人を探している余裕もありませんから、日本語で最低限のことを伝える努力をするべきです。おもてなしの場面でも、日本文化や日本語に親しみたいというニーズに答える意味であえて日本語を使う必然性があります。また、日本に長期間住んでいる近所の方にも、むしろ日本語を使って話すほうが良いでしょう。日本で生活する以上、日本語の習得は必須であり、その後必ず役立つからです。
まとめ
英語が話せないからといって、外国の方とやり取りができないわけではありません。日本語を有効に使ってコミュニケーションをしてみましょう。
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