武勇伝
どうも。
東野京(ひがしのみやこ)です。
LINEで誕生日の人を通知してくれる機能ってありますよね?
先日その機能で通知された人物を見て過去の思い出が蘇ってきたので、今回の記事ではその知人について記していきたいと思います。
大学時代の私
今から遡ること十数年前、私は大学生でした。
大学生を自称するのも烏滸がましく感じられるような、所謂Fラン私文です。
特待生的な制度や授業料の減免制度があったことが大きく、それがなかったら大学になんて到底通うことの出来なかった私にとっては唯一の救いでした。
結果的に国公立よりも低コストで4年間のモラトリアムを手に入れられたのですから、買い物上手だったかもしれません。
せっかくなので思う存分勉強をしていたら最終的に(教職課程の単位を含めてですが)200を超える単位数を取得してしまっていました。
他学部のゼミにも紛れ込ませてもらったり教職課程の面々と模擬授業の練習会を主催したりとそれなりにアクティブだったと思います。
アルバイトも焼肉屋さんとコンビニ夜勤を掛け持ちしていたりして、シフトが被った日はそのまま寝ないで大学に行っていたりしました。
今の私と別人過ぎますよね。
なんだか武勇伝みたいになってしまいましたが、今回の主役は私ではありません。
私の大学時代の一学年上の先輩です。
先輩、その名はゆーたそ
私の一学年上の先輩にゆーたそさんという人物がいました。
彼は私とは他学部で、経済系の学部の方でした。
教職課程の繋がりだったか、知人経由で知り合ったかのどちらかだったと思います。
ゆーたそさんは優しい人で、いじられキャラでもありました。
彼のバイト先のラーメン屋さんは非常に美味しく、私は足繁く通いました。
いつの間にかゆーたそさんよりも彼のバイト先の店主と仲良くなり、気付いたら携帯番号を交換するまでになっていました。
妹の手術があった際には
「何かあったらいつでも連絡してくれていいからね」
と暖かい言葉をかけてくれた店主のことを第二の親のように慕っています。
割と早くに親を亡くした私の人生には“自称親代わり”の人が少なからず存在するのですが、これまでの経験上そういう言説を用いる人のことは一切信用できません。
思いっきり話題がそれてしまいました。
隙あらば自分語りみたいなのは良くないですね。
ここからは再びゆーたそさんの話に戻していきたいと思います。
武勇伝、武勇伝、武勇でんでんででんでん
ゆーたそさんはよく武勇伝を語るタイプの人間でした。
彼の伝説ベストテンで1ネタ書けそうなレベルです。
それがオリラジのネタのような面白武勇伝だったら良かったのですが……。
いくつかピックアップしてみると以下のような内容です。
・野球部だった高校時代はエースピッチャーだった
・野球部の頃はモテ過ぎて部室でマネージャーを抱いてあげた
・北乃きいと遊んだことがある
悪い人ではないのですが、何かと己の実績や過去をひけらかす人ではありました。
個人的に本当に凄い人はひけらかさないというか、もっと上を知っているので自分の事を凄いとは思っていなかったりする節があるのかなと思います。
部活動で全国に行っていた後輩や、県の選抜メンバーだった同級生、高校時代超強豪校で全国上位かつ大学時代は今の日本代表選手の先輩だったバイト先の同僚なんかは皆謙虚の塊のような人間でした。
ゆーたそさんの他にも何人か武勇伝が無限に湧いてくる人間がいたりしたので、そういう自己肯定感が高い人が多かったのかなと思います。
笑えない自虐ネタを連発する私とは対極の位置に存在する彼等ですが、普通の人々からしたらどっちもどっちなので類友なのかもしれませんね。
綻び
ある日、ゆーたそさんと同じ高校だったという別の先輩と知り合いました。
共通の知人としてゆーたそさんの話題になったのですが、雲行きが怪しくなります。
「エースだったって本当ですか?」
「エース……?補欠だったはずだけど……」
なんとなく拭えなかった違和感の答え合わせが思わぬところで実現してしまいました。
ピッチャーだったとだけ話しておけば良かったのにどうして盛りに盛ってしまったのでしょうか。
ちなみにモテてもいなかったそうです。
SNSのアイコンも痩せていた頃の盛りに盛った自撮りだったのですが、そんな感じで人生そのものも盛りに盛ってしまっているのでしょう。
それ以来彼の武勇伝を聞く度にこういう時どんな顔すればいいのかわからないのという声が脳内に響きます。
おわりに
ザコシさんくらい何でも誇張しすぎている節はありましたが、それを除けば優しくていい人なんです。
ちょっと女好きみたいな気配はありましたが。
本当に悪く言うつもりはないんですよ。
彼は今も元気にやっているのでしょうか。
大学を出てからは特に縁がなくなり、元バイト先のラーメン屋の店主経由で彼の話を聞くことが多かったのを思い出します。
今は遠く離れてしまって中々行く機会がなくなってしまったのですが、あのラーメンがまた食べたいな……。
最後までお目通しくださった方、ありがとうございます。
また何処かでお目にかかれたら幸いです。
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