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ジャイアンがテレビから消える!?

近年放送業界を悩ませているコンプライアンス。驚くことに、コンプライアンスの波は昔話にも押し寄せているようである。例えば、誰もが知る名作桃太郎。従来のストーリーは桃太郎が動物と協力して鬼を打ち負かすというものだったが、桃太郎がヘリコプター並みのうるさい声を出して鬼を困らせ、平和的な解決をするという謎の展開に変更されたらしい。

この話を聞いて私の脳内にある一人の男が浮かんできた。その名も

私と目が合いましたね?

剛田武である

彼は虫の居所が悪いと罪なき者に暴力をふるい、定期的にリサイタルを開いて学友や近隣住民の鼓膜や三半規管を破壊し、更には「お前のものは俺のもの、俺のものも俺のもの」という、19世紀のイギリスのような発言を繰り返し、弱き者から様々なものを取り上げている。

剛田の行いは人道に反するものであるが、彼はあくまでもアニメのキャラクターであり、コンプライアンス違反となるような存在だとは私は思わない。しかし、悪を懲らしめていただけの桃太郎ですらコンプライアンス違反となってしまう時代である。罪なき者をいじめる剛田はなおさらだ。このままだと剛田は消滅し、第一話だけに登場した謎の面長帽子少年に取って代わられてしまうだろう。


これがその帽子少年。田中直樹に似ている。

あるいは暴力的だった性格が改善され、「汝の隣人を愛せよ」が口癖の聖人キャラに変身してしまうかだ。

もう一度言うが、私は剛田の存在はコンプライアンスに反していないと思っており、私自身、暴力的ではあるが男気や優しさも兼ね備えた剛田のキャラクターは大好きである。

コンプライアンスの波がドラえもんにまで押し寄せ、偉大なる漫画家の藤子先生の意匠が凝らされた剛田のキャラクターが変えられてしまう日が来ないことを強く願うばかりである。


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