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傘猫 (Twitter140文字小説)

 傘を叩く音が一分前より大きくなった。

 早く帰ろう。

 逸る気持ちが地を濡らす音と比例し大きくなる。
 
 ふと仔猫が見えた。

 彼か彼女はじっと真っ直ぐ目線を送ってくる。

 頼む木陰に雨が漏っている。

 吐息を漏らし彼か彼女に歩み寄る。

 そっと差し出す傘に一声鳴いた。

 ありがとうと言っているのかな?


あとがき

散歩中にふと見た風景が元です。

捨て猫を連れ帰ろうとしていた小学生がモデルです。

たまにその少年と散歩中に顔を合わせますが、元気に仔猫は育っているそうです。

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