僕は行き来する
さっきまで 僕は夢を見ていた
きれいな きれいな 夢
さっきまで 僕は夢の中にいた
すてきな すてきな 夢
周りは淡い水色で囲まれ
そよ吹く風が 頬をなででくれる
体は宙を漂い 喜びに包まれる
どうしようもなかった悩みは
手の届かないところに去って行ったのだ
さようなら
さようなら
別れの言葉を二度つぶやく
もういいんだよ 何もかも
しっかりと呼吸をしなくては
自分が消滅してしまうことも
地上にとどまらなければ
没することも
夢の中の僕には関係のないこと
これが夢だということを
僕は どうやって気づいたのだろう
現実の世界で起きる困難は続く
悲しみを悲しみのまま
苦しみを苦しみのまま
受け止めるには
僕は愚か過ぎる
さっきまで僕は夢を見ていた
楽しい楽しい夢
もう二度と目覚めなくてもいいと思うくらいの幸福感
夢から覚め 我に返るとき
僕は落胆する
夢は夢
現実は現実
それが夢だったということを
僕はどうやって気づいたのだろう
さようなら
さようなら
別れの言葉を二度つぶやく
もういいんだよ 何もかも
きちんと呼吸をして
自分になりきる
地面に足をおいて
立ち上がる
夢の中の僕には関係のないこと
もう十分
そう思う日が来るまで
僕は行き来する
夢と現実の間を
もう十分
そう思う日が来るまで
僕は行き来する
幸福と不幸の間を
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