「さようなら」は言わないよ
もしも僕がひとりでも
どうか心配しないで
もしも波が荒くても
どうか不安がらないで
もしも姿を見失っても
どうか探さないで
誰にでも起きることではないけれど
僕なら大丈夫
この広い大海原のどこかでちゃんと生きているから
さすらうように流れるように
我が身をかえりみながら旅を続ける
この体が海底(うなぞこ)に沈んでも
「さようなら」は言わないよ
これは天命
これは運命
悲しいことなどひとつもないと
僕は笑って海の藻屑(もくず)になる
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