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月夜の晩に



月夜の晩に君が泣いた

嫌だ嫌だとつぶやきながら

僕の胸で君は泣いた

だから僕も一緒に泣いた




星降る夜に君はなげいた

ここでは生きていけないと

僕の手を取り君は悔やんだ

だから僕も一緒に逃げた




日が昇る頃 君は決めた

やっぱり帰ると笑顔を見せた

振り向かないで歩き出した

だから僕は背中を押した



それから君は強くなった

あの日のことが嘘のように

元気いっぱい暮らしている

だから僕は見守った



月夜の晩も 星降る夜も

日が昇って沈むまで

君のことを考えていたんだ

だから僕は気持ちを告げた



僕は君が好きだって

心の中の思いを全部

君に聞いてもらいたかった

だから僕は後悔しない



君はなぜだか困ったように

「ごめんなさい」と僕に言った

悲しくてたまらない

だから月夜の晩には夜道を歩いた



そしたら偶然君に再会

黙って一緒に月を見上げた

君と月と僕 ここから始まる物語は?

だから僕はあきらめきれない



僕が泣いたら君はどうする?

そんなことを考えた

君の心を傷つけたくない

だから泣くのを我慢した



もう二度と会えなくても

今夜のことは忘れない

月よりきれいな君の横顔

だから僕は前を向く



ひとりになって感謝した

君との出会いに

そして君との別れに

だから僕は 

今 幸せだと言えるのだろう








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