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自己否定を解消して心を楽にする方法 その①

■自己肯定感を高めればいいというけど

メンタルが不安定になりがちな人の特徴の一つは、自己否定の気持ちが強いこと。
何かあると自分を責めてしまって、落ち込んでしまう。

かといって、自己肯定感が強すぎて、なんでも「これでいいんだ」としてしまうと、問題が解決されないからやっぱり落ち込む。そもそも自己肯定感を高めろって言われてもさ、できないんだよ……と、できない自分をまた責めてしまう。

これを解消するにはどうすればいいの? というのが、今回のお話です。

■なぜ自分に優しくできないのか?

自分に優しくできない理由は、勘違いかと。
勘違いってなんのこと? って思ったかもしれません。

人間は誰でも失敗します。新しいことしようと思ったらとくに。
自分がどれぐらいできるかも分からない。どこにどれだけ力をいれればいいのかも手探り。だから目標立てる場合も、本来かかる時間より少なく見積もって、案の定うまくいかなくて「もういいや」ってなりやすい。

経験ありません?

で、そのときの反応の一つが、自己否定です。
僕も以前そうだったんですが、立てた目標どおりにできなかったとき、

「俺はなんてダメなんだ……なんで決めたことができないんだ……!」

って自分を責めます。

でも自分を責める前に、

「いや、ちょっとまてよ……?」

と問いかけてみると、顔が別の方向に向きます。
そこに見えるのは、外から見た自分の目標。

そもそもの目標の立て方が間違ってたら、いくらがんばっても無理だと思いません?
これまで全然筋トレしてなかった人が、

「よし、腕立てを1日100回やるぞ。これで俺も細マッチョになれるな」

などと妄想を膨らませて挑んでも、まず無理です。
でもそれって、その目標を達成できなかったことが問題かというと、そもそも目標に無理があったと考えるのが自然ですよね。でもなんか責めちゃうのです、自己否定が強い人って。

僕もそうだったのでよく分かりますが、目標を修正しようって考えにならず、立てた目標が"不磨の大典"であるかのように、そこに自分を合わせようとするという狂気が芽生えてしまう。

達成不可能な目標を他人に強要したら、たとえば上司→部下だったらパワハラで大問題になりますよね、今だったら。でもそれを自分にやってしまうのが自己否定。

こんな感じで↓

上司
「おい●●、今月の売上を報告しろ」

部下
「えっと……目標まで50万足りませんでした……」

上司
「足りませんでしたじゃねぇよ。100万って言ったよな? やるって言ったよな?」

部下
「はい……でもそれ……」

上司
「気合が足んねぇんだよ! 人よりうまくできねぇんだったら睡眠時間削ってでも営業してこいや! てめぇに休日取る資格はねぇぞボンクラが!!

ボンクラはおまえ(上司)だよ、睡眠時間削るとか論外だろ、と言いたくなるところですが、↑のように、他人が誰かにしてるのを見ると「おかしい」と思うのに、なぜか自分にはその「おかしい」ことをしてしまう。そりゃあメンタルも病みます。だから自分を責めるのはよくない、やめようって話にはなるんですが……

■でも自分を責めてしまう

たぶんこの記事を読んでくださってる方は真面目な方が多いと思うので、でも自分を責めてしまいますよね、きっと。自分を責めるのをやめようと思ってやめられるなら、苦労しない、そう思うと思います。

では、代わりの行動を決めたらどうでしょう?
たとえば自分を責める代わりに、

「失敗することもあるよ。でもさ、ここまで頑張ったじゃん。こことここはうまくいったし。うまくいかないって思うところは、何かミスがあったのかもしれない。どこでミスしたと思う? 自分の行動を確認していけば、うまくいったところとダメだったところ、仕分けして分析できるんじゃない?」

みたいに、自分に声をかける。
紙に書いてもいいし、パソコンやスマホで打ってもいいし、声に出して自分に伝えるのもありです。

セルフ・ディスクロージャーという、自己開示のやり方にも似てますが、"外に出す"ことで、結果的に感情と距離を置けるので、反射的に自分を責めてしまうのを防げます。

■大切な人に声をかけるように

といっても、自分にそんな声をかけるのは照れくさい、恥ずかしい、なんか嫌だ……って思ってしまう人もいると思いますが、そんな場合は、自分にとって大切な人を思い浮かべてみてください。
もし、そういう相手がいなければ、そういう相手がいることを想像してみてください。

その人が仕事で失敗して落ち込んでいるとき、なんて声をかけますか? 失敗しちゃってさ……と話をされたら、どう答えますか?


「仕事で失敗しちゃってさ……今まで上司からそれなりに評価されてたと思うんだけど、今回の件で全部ダメになったかも。なんか俺って、詰めが甘いんだよなぁ……」

「失敗すると、全部終わったような気持ちになるよね。上司が思ってたより怒ってこなかったりすると、余計に怖いって思っちゃったり、他のことも全部うまくいかないって感じがして」

「そうなんだよ。でもしょうがないよな、俺のせいだし。全部俺の責任だから……」

「その仕事に関すること、全部一人でやってたの?」

「いや、そうじゃないけど、企画したの俺だし、中心になってたのも俺だからさ……」

「企画に関わってた人たちは、全員ミスなくやりきったの?」

「いや、ミスはちょこちょこあったよ。フォローしきれない部分もあって……上からは突然締め切り早められたりで、てんやわんやだった」

「コントロールしきれないことって出てくるもんな」

「まあね。でもやるって言った以上、やっぱり……」

「失敗は失敗なんだと思う。でもさ、企画を通して、できる限りことはやったんだろ? だったら、そこについては胸はっていいんじゃない?」

「でも、うまくいかなかったんだぞ?」

「結果はね。でもうまくいった部分や、学びになった部分もあるんじゃない?」

「それは、まあ……」

「チャレンジしたから失敗したって考え方もできるし、次に生かすって考え方もある。結果ダメだったってことが全部じゃないと思うよ」

「そうか……そうだよな……ありがとう」

というふうに、自分にも声をかけてみる。自分の内側の声を聞いて、それに対して友達に声をかけるように話してみる。

友達にそうできるのが思いやり。
自分に対してそれができるのが、自分への思いやり。
心理学で、セルフコンパッションと呼ばれるものです。

自分に優しくしよう、思いやりをもとうっていう真面目さから、いったん距離を置いて、失敗して落ち込んでる自分に、辛いよな、分かるよって声をかけてみる。
自分に思いやりをもつのが難しいなら、まずはそんなふうに、声をかけてみるのはどうでしょうか。

最初はくすぐったいかもしれませんが、徐々に慣れて、数週間もしたら効果を実感できますよ。

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