ぬいぐるみも顔が命
最初の試作トライアルを経て試作再開した『あぱとぅん』のぬいぐるみ。
今回は口を閉じた状態で進めています。 3Dモデルから起こした型紙データをIllustratorで修正し、縫い合わせ部分は全て誤差0.4mm以下に整えました。 今回の試作ではフェルトを使用して形状の確認をしています。 フェルトは摩擦によって表面が毛羽立ち、毛玉になりやすいので以前検証したように縫い上げたらコーティングしています。
アンチピリング加工のフェルトって無いのだろうか?
参照: フェルトでぬいぐるみを作るときの表面処理はこれが正解か?
さて、本題へ。
ぬいぐるみの顔って、細かな表情は大抵刺繍が施されていたりしますね。 僕はぬいぐるみ作りも立体造形だと考えているので、可能な限り表情も造形で表現したいと考えています。 今回の試作の肝になるのは閉じた口元の表情なので、楽しみながらやってみよう!
まずは型紙どおりに縫ったままの状態がこちら。
多少の起伏は表現できていますが、のっぺりとしていて表情は感じにくいですね。
元になっている3Dモデルはこんな表情です。
つぐんだ口元は、口角が少し上がっていて頬がふっくらしています。 上唇と鼻のあたりもふっくらしていますね。 この表情を再現できるかどうかチャレンジ!
まずは閉じた口のラインが凹むように、裏に別布を当てて縫い留めます。 次に、上唇、下唇、頬の膨らみを作る。 裏布と表地のフェルトの間にちぎって丸めて形を作った中綿(化繊のもののほうが整形しやすいです)を挟み、ピンで留めて形を想像しながら整形していきます。
形が決まってきたら、裏布と中綿を留めるために裏側から糸と針で軽く縫い留めていきます。 このとき、糸を引きすぎると形が狂ってしまうので加減が大事。
次に、表地と裏打ち(中綿と裏布)がズレないように縫い留めますが、ここでは裏側から表地の繊維を少しだけ針ですくうように留めていきます。 このときも糸の引き加減が重要で、引きすぎると表地に引き攣れが出てしまうし、緩すぎるとズレてしまうので慎重に、慎重に留めていきます。
こうして口元の表情を造形で表現できました。 最初の状態と比べると全然違いますね!
若干上側に引き攣れが出てしまっていますが、まぁ試作だし目を付けたら目立たなくなるかもしれないのでこのまま進めましょう。
次回は手をピックアップ。
サポートしてくれる人が増えると、新しい作品を作る余裕も出てきます。余裕は新たな可能性を見出す機会をもたらしてくれますね。新たな可能性からは今までと違った視点も生まれるかもしれません。