フェルトでぬいぐるみを作るときの表面処理は?
フェルトでぬいぐるみを作ると、表面が擦れて毛羽立ったり毛玉ができてしまいます。 これは割と皆さん悩まされているんじゃないでしょうか。
僕もいろいろ試したり調べてみて、かなりいい方法を見つけました!
調べたり試した方法をいくつか挙げ、最後に僕が効果的と思う方法を載せますね。
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1)アイロンがけ
まず初めに試してみたのは『アイロンをかける』というもの。 これは、フェルトの繊維圧縮が不十分なことに着目した毛羽立ち対策の一つですが、一時的に多少の効果は見られても継続的に毛羽立ちを防止するほどの効果は見られませんでした。
2)ピケ液
洋裁で使用するほつれ止め。 これはフェルトの端が毛羽立ったりほぐれてしまうことを防止するには効果があると思いますが、面の毛羽立ちを防止するにはあまり向いていませんね。
ほつれ止めとしてはポピュラーな商品です。
3)静電気防止スプレー
フェルト製品の手軽な毛玉防止策として紹介されているようですが、体感できるほどの効果は見られませんでした。
4)アクリルニス
もともとペーパークラフトなどに用いる仕上げ用ニス。
スプレータイプと液状タイプがあります。
これはある程度の効果が期待できます。 実際に羊毛フェルト作品の表面保護用に使用されている方もいるようです。 僕は今回これを選びませんでしたが、いい選択肢なんじゃないかなと思います。
ここまでは僕が今回採用しなかった方法です。
次に紹介するのが、現時点で正解なのかもしれないと僕が実際に試して感じた方法です。
5)木工用ボンド
木工用ボンドを水で希釈して塗布する方法も紹介されていました。
実は調べてみる前に自分で試したのがこの方法でした。 ただし、僕が使用したのは一般的な酢酸ビニル系の木工用ボンドではなくタイトボンドⅢという商品。
なぜこれなのかというと、(FDAアメリカ食品医薬品局)の認可を受けていて食品に直接触れる食器などに使用できる安全性と、高い耐水性があるからです。 洗濯することも想定したいですよね。
日本で一般的な酢酸ビニル系の木工用ボンドは水に弱いです。
実はこのタイトボンドⅢ、以前割れた茶碗を修復するために購入してあったものが手元にあったので、今回のフェルトの毛羽立ちを防止できないかと考えていた時、まっさきに試してみたものでした。
どのくらい効果があるのか、写真で見てみましょう。
右半分に水で6倍程度に希釈したタイトボンドⅢを平筆で塗り(というよりも染み込ませた感じ)、丸2日自然乾燥させました。 表面だけじゃなくてフェルト自体にボンド希釈液を浸潤させた状態。 アイロンはかけていませんが、併用すると表面は更に強固になるかと思います。 乾燥すると、樹脂が硬化するので当然硬くなります。
ボンド自体にベージュの色味が含まれていて、硬化すると少しだけ透明度を持ったブラウン色の樹脂になるので、6倍希釈液を含ませたフェルトも硬化後には浸潤した裏側にその色味が出ます。 表側にはそれほど色濃く影響していませんが、これは重力の作用で裏側に溜まっていくのが原因ですね。 白や薄い色のフェルトには影響が出る可能性が高いので端材でテストしたほうがいいです。
では、乾燥後に表側を擦ってみたらどうなったでしょうか。
指、ヘアブラシ、消しゴムを使用して全面をしつこく擦りました。
写真で分かりますかね? ボンド希釈液で保護した右半分はほんの少し毛羽立ちが生じていますが、素の状態の左半分の激しい毛羽立ちとは比べるまでもなくきれいです。
縫う前の裁断した状態で塗布しておくと面をシャープに仕上げることができそう。 縫い上げてから塗布すればフェルト作品の形状維持にも役立ちます(硬さが出る)。 どのタイミングで塗布するのかは仕上がりに影響するので十分考慮する必要がありますね。 必ず使用するフェルトの端材でテストをして、どのくらいの希釈が自分の求める効果に最適なのかを確認しましょう。
今回試してはいないんですが、ゴリラグルーの木工用も耐水性があって安全性もある程度高いようなので同じような使用感かもしれませんね。
最後に、すでに毛羽立ってしまったフェルトのぬいぐるみ(以前の記事で紹介した『あぱとぅん』の最終試作品)にも試してみましたが、毛羽立ちを十分に除去せずに塗布したので、絶大な毛羽立ち防止効果は発揮しなかったものの、型崩れは防げています。
効果を発揮するには毛羽立ちが発生する前の段階で表面処理を施しておくのがよさそうです。
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