船着場
今日も船は出なかった
宿で待つ
町をぶらぶらしてから、マッサージへ行き、宿のかたがたと夕食を食べた
今日のマッサージの人はあくびをしながら揉んでいたので若干嫌な気分になった
夜は爽快な気分
海外にいるせいか思い出すことがある
一昨年、ベトナムでの海外就活を内定取り消しで終わった僕は日本に帰った
その後も、日本にいながらスカイプで面接を試みていた
ある企業から内定をもらって、僕は迷っていた
たしか失業保険の関係で8月から働きたかったのだが、相手の条件は7月からだった
内定の返事の締め切りが迫り、僕は内定を断った
まだ2年目という若いエージェントは、8月から働けないか交渉してみますと言った
そしてエージェントは再度交渉し、8月は無理そうですと言った
では、やはり断ってください、と僕は言う
するとしばらくして、エージェントから、うちの上司から話があります、と連絡が来た
えらそうな上司とやらがスカイプで出てくる
この上司は僕に「何度も内定を断られては困る、そういうことしているとベトナムで名前がまわるぞ。とにかくあなたは迷惑」
というようなことを若干怒り目に僕に説明した
僕がそのエージェントで関わった案件はその一件だけだった
・なぜいきなり上司が出てくるのか。責任を持つべき担当者はどこへ行った?
・交渉を申し出たのはお前の部下だろう?
・ベトナムで名前がまわる?何の脅しだ?
そういったいろいろなことが頭を駆け巡った。が、僕は当時ショックで何も言い返すことができなかった
これが僕の最後のほうのやり取りだった
僕は自分の怒りを押しとどめてしまった
このエージェントを選んだのは自分だ。自分が悪いんだ
と自分を責めた
でも今はっきりと思うが、ふざけんじゃねえ!てめえらの交渉の不手際だろうが。こっちに押しつけんじゃねえ。そんな気持ちで他人の人生に関わる仕事をやるんじゃねえ。担当者はどこにいった?コントロールできなくなってきたら上司に任せるとか、海外行ってる意味あるの?
と思う
もちろん、繰り返すが、そんな会社と関わった自分の全責任である
ただ、文句くらいは言ってもよかった
そうすべきだった。自分を守れなかった
そんなことを思い出したので、お炊き上げ
自分を守れる強さ、そして、他人を守れるやさしさを
明日は船は出るだろうか
出てくれるとうれしい
おやすみ