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【17 学校のこと】 先生必見!私はゲーミフィケーションで授業をカイゼンしました

ゲーミフィケーションという言葉をご存知でしょうか。
コンピュータゲームの原則や要素等を他のことに応用するという考えです。
仕事や趣味にも取り入れることができますが、今回は、授業にスポットを当ててお話したいと思います。
まずは、ゲームの4つの特徴をお話します。


初めての方へ
私は小学校教員として29年勤め、GIGAスクール環境以前に一人一台iPad環境において指導した経験があります。


1.目標、課題、アクションの明確化

目標:お姫様を助ける、悪い魔王を倒すなど
課題:レベルを上げる、アイテムを集める、仲間を集めるなど
アクション:課題をクリアするため、キャラクターを操作して、会話や戦闘などを繰り返すなど

このように、目標を達成するための課題がスモールステップで設定されており、ストーリーを楽しめる構造になっています。


2.ステータスの可視化

操作するキャラクターのステータスや現在地等は、常に可視化され確認が可能です。プレイヤーはこの情報を基に、次の課題やアクションを決めていきます。


3.アクションに対する即時フィードバック

ゲーム内のアクションには様々なものがありますが、例えば戦闘シーンですと、相手に与えたダメージや自分が受けたダメージを数値やグラフ、ステータスバーといったもので表示し、それらはリアルタイムで更新されていきます。こうした即時フィードバックにより、攻撃、防御、回復等、ネクストアクションを決めていく判断材料となっています。

4.課題クリア時の報酬

課題がクリアされると何らかの報酬を得ることができます。
戦闘(アクション)の場合は経験値やアイテム、レベルが上がると各ステータスの数値が向上したり、スキルポイントを割り振ったりと、キャラクターの成長に繋がります。

5.ゲームの特徴

他にも様々な要素はありますが、簡単にまとめると、この4つをサイクルとしてストーリーが展開し、目標達成へと向かうことになります。

こうした考えを仕事や学習に応用してみようというのが、ゲーミフィケーションというわけです。

6.ゲーミフィケーションによる授業デザイン

では、ゲーミフィケーションによる授業デザインとは、どのようなプロセスになるでしょうか。

1)目標、課題、アクションの明確化

単元や本時において、それぞれについて考えてみてください。
単元の目標を設定し、それを達成するため本時の課題を系統的に設定、そして課題達成のためのアクションが学習活動に当たるでしょう。

2)現状、現在地、実力の可視化

これまでに学習して身についていること、関連単元での既習事項や次の関連単元との位置関係、学習者の知識やスキルなどがこれらに当たります。
個々の差があるので、ひとくくりにするのは難しいかと思いますが、学習者のステータスを分析することは、授業づくりではとても大切だと思います。

3)即時フィードバック

授業では一番難しいところですが、児童生徒が活動したこと、表現したことなどについて評価というフィードバックが当たるでしょう。
このあたりは別の機会に紹介しようかと思いますが、評価は先生だけでなく、自己評価、学習者同士による評価も考えられます。また、ルーブリックといった指標を活用することもできます。今後はAIの発達によってICTによるフィードバックも日常化するかもしれません。

4)課題クリア時の報酬

たいへんよくできました、100点です、といったことも考えられますが、思考力、判断力、表現力、主体的に取り組む態度などといった育てていきたい資質や能力に関する評価が望ましいと思います。
例えば、根拠となる情報を見つけて自分の考えを組み立てることができたことから、情報収集力が伸びた、論理的思考力が伸びたといった評価を伝えることができるでしょう。このように、次の学習活動に活かせるような評価が望ましいわけです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
授業づくりのヒントになったでしょうか。
授業づくりにはいろいろな方法がありますから、ゲーミフィケーションが絶対に有効とは言いませんが、現状に課題を抱えているのであれば挑戦してみるのもひとつかと思います。
実際に行った実践についても、いずれご紹介したいと思います。

写真展示や写真集発行を目標に活動しております。そのための活動費としてサポートをお願いできれば幸いです。よろしくお願いいたします。