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冬至といえば柚子湯

本日12月21日は、二十四節気の「冬至」です。
冬至には古くからカボチャを食べて、柚子湯に入る習慣がありますが、今回は冬至になぜ柚子湯に入るのかについて考えてみたいと思います。

柚子湯に入る習慣は江戸時代から

冬至に柚子を入れる習慣を遡ると、1838年(天保9年)に刊行された江戸の年中行事を紹介する「東都歳時記」の中に「冬至、星祭 今日、銭湯風呂屋にて柚湯を焚く」との記述に行き着きます。
きっかけは諸説ありますが、冬至は日の長さが一番短く、翌日から少しずつ長くなっていくことから冬至は「運気が上昇に転じる日」という考えから
厄払いとして柚子をお風呂に入れて入るようになったという説や、融通(=柚子)が利く、冬至=湯治といった語呂合わせから柚子湯に入る習慣が根付いたという説もあるようです。

柚子湯は生活の知恵から生まれた予防策

上記のような概念的な説の他に実用的な意味合いから柚子湯に入ることが
根付いたとする説もあります。
ミカン科の常緑半高木である柚子は柑橘の一種で、中国・揚子江上流が原産と言われています。日本へは奈良時代か飛鳥時代に朝鮮半島を経由して渡来したと考えられていて、当時は薬用などの用途で栽培されていました。
なぜ江戸時代に柚子湯に入るようになったのか裏付けは確認できませんが、柚子の果皮に含まれる保湿効果(ビタミンC)と血行が改善(フラボノイド)され、風邪の予防や健康にいいことを経験的に知っていたようです。

驚くべき柚子湯の効能

柚子湯は、柚子の果実をそのまま湯船に浮かべるイメージがありますが、
薬効による効果を最大限に得るには柚子を細かく刻んでさらしの袋に入れ、湯に浮かべることでビタミンCが果汁・果皮両方から湯に溶けだします。
この柚子入りの袋で体をこすると、柚子独特のよい香りの癒し効果と共に、肌を滑らかにする効果があります。

柚子の果汁に含まれるビタミンCの含有量は柑橘類の中でもトップクラスの40mgありますが、果皮には更に多い150mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCは肌の保水性を高め、抗酸化作用を有することから、乾燥肌の
予防や老化予防が期待でき、肌を守るバリア機能の効果が期待できます。

柚子の精油(エッセンシャルオイル)には、柚子独特の爽やかで優しい香りがありますが、香り成分は揮発性のため湯船に入れると香りが立つことで、リラックス効果も期待できます。

柚子湯に入って免疫力を高めよう!

柚子は薬用で使われる他にも、独特の爽やかな香りと果皮の色合いから日本料理においても欠かせない重要な食材として人々の五感に触れてきました。最近はリラックスに対するニーズの高まりもあって柚子の精油や入浴剤など様々な商品が販売されており、柚子の香りは身近なものになっています。
体調を崩しがちな時期に加えて今年は新型コロナウイルスによる影響も甚大な状況にあります。免疫力を高めて元気に年越しを迎えるためにも、柚子湯に浸かって心も体も温まってみませんか。

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