最近の記事
「ユニットモデル」や「内容モデル (パラダイム) 」に対するジェンドリンの立場: G・H・ミードの時間論から見た遡及的時間
生命プロセスは事前に予測することができないというジェンドリンの発想はもうひとつの重要な発想につながります。それは、過去は現在の視点から「事後的に」見直されるという発想です。しかし、私たちは、後から発見されるはずの要素が、以前からそのままのかたちで存在していたかのような錯覚に陥りがちです。この錯覚を表したのが、彼の用語である 「単位モデル (ユニットモデル) 」や 「内容パラダイム (内容モデル) 」です。 非ラプラス的連続以前のブログ記事 (田中, 2024, April
マガジン
記事
-
Why is Gendlin’s philosophy less widely accepted in academic philosophy?
“Why is Gendlin’s philosophy less widely accepted in academic philosophy?” This question is often discussed in conversations with people studying Gendlin's philosophy as non-Focusers. One reason may be that a few people believe that his ph
-
ディルタイの「体験 (Erleben)」からジェンドリンの「体験過程 (experiencing)」へ: フォーカシング前史
ジェンドリンは、自身の哲学に最も影響を与えたのはディルタイの哲学だ、と明言しています。 ディルタイ哲学がジェンドリンの心理療法理論や心理療法のリサーチに与えた影響を、今から20年前に紀要論文として私は公表しました。 田中秀男 (2004). ジェンドリンの初期体験過程理論に関する文献研究:心理療法研究におけるディルタイ哲学からの影響 (上). 図書の譜:明治大学図書館紀要, 8, 56-81. 田中秀男 (2005a). ジェンドリンの初期体験過程理論に関する文献研究: