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書籍のご紹介『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』~いじめ対応を実践的に学びたい方へ~

みなさんこんにちは。全然更新ができておりませんでした。。。
今回は、2021年5月に上梓した『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』(エイデル研究所)をご紹介させていただきます。

現在感じている「いじめ問題」に関する課題

現在学校では、まだまだいじめで辛い思いをしている子どもたちがたくさんいます。そして、学校でも様々ないじめに関する研修等が実施されており、教員の方々も尽力されているところです。

しかし、教員はもちろん、普段法律に触れている弁護士であっても、いじめについては、いじめ防止対策推進法を見ても、いじめの防止等のための基本的な方針を見ても、抽象的でわかりにくい、「もっと具体的に何をすれば良いのか知りたい・・・」という方も多いのではないでしょうか。

足りないのは事例だ!

他方、多くの裁判で判決が出されたり、第三者委員会の報告書が発表されたりしており、関わった方々は、同じ過ちが繰り返されないよう、多くの方々に教訓として活用いただきたいと思っているにもかかわらず、必ずしも現場の先生方が裁判例や第三者委員会の事例に触れる機会は少なくありません。

そんな方々には裁判例の事実関係を共有することでより効果的にいじめの対応を学んでいただきたく、『教員×弁護士 対話で解決 いじめから子どもを守る』を昨年出版させていただきました。弁護士が判例を題材に解説する本・・・というといかにも堅そうですよね。

しかし、同書籍の事例を読んでいただければわかる通り、「事実」として認定されているのは、まさに教員の方々が普段過ごしている学校の中での出来事ですので、とても「リアル」です。

そのような事例を読んでいくことで、法令の考え方や、また、議論に参加した先生方の経験を学ぶことができます。ぜひ、流し読みをするだけでもよいですし、欲を言えば、ぜひ教員研修等にも活用いただきたいと思っています(事例に関する部分であればコピー・配布していただいて構いません。)。
※事例:P16~P35、P94~107、P166~181

研修に使う場合

具体的に私、鬼澤が研修で使う場合の内容について紹介します。私が実施する研修では時間が許す限り、以下のようなワークを通じて教員の皆さんに具体的に考えていただきます。

  1. まずは7分~10分程度時間を確保して黙読してもらう。

  2. 自分が当該事例に出てくる教員の立場であればどのように行動するか考える(2分程)

  3. 5分程時間を確保し、以下の観点から意見を共有する。

    1. 自分が同じ立場であればどうするか

    2. 似たような経験をしたことがあるか

  4. 3.で共有した意見を発表する

  5. 裁判例の見解や、いじめ防止対策推進法等で求められる具体的対応を共有する。

これをすると、講師側も教員としての具体的な対応について勉強になりますし、受講者の側も具体的なイメージが湧きやすくなります。

お願い

自分は研修で上記のような使い方をしていますが、裁判例や第三者委員会の報告書の活用方法については様々なものがあるのではないかと思っています。
ぜひ、この本の感想や、また「こんな風に使いました」ということ等の例があれば、このNOTEのコメントやSNS(Twitter、Facebook等)でご共有いただけないでしょうか。
なお、日本教育新聞で亜細亜大学特任教授である大久保俊輝先生が書評にて以下のようなコメントを下さっています。

現在の学生は、多様ないじめの実例を基に考え・学ぶ場を与えられてはいない。その意味でも本書を生徒指導論などのテキストにする意義は極めて大きい。本書の特徴に教員の立場において悩ましいと思われる部分を議論のポイント(論点)として掲載しているために役立ちそうだ。

https://www.kyoiku-press.com/post-235746/

過去の悲しい事件が風化しないように、そして、多くの先生方にとって子どもたちを守るために役立つ具体的な知見が得られるように、ぜひ、みなさまのご知見もいただけると嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。

おまけ

実は、表紙では、弁護士と教員が向かい合っていますね。この「子どもがいないではないか」と思われませんでしたか?じつは、カバーをめくると、そこには子どもがいるんです笑。みんなで協力して子どもたちを守る、そんな願いがこの本のデザインにも込められています。

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