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2018年5月の記事一覧

訴訟は社会課題解決の手段になるのか〜『政策形成訴訟』を読んで〜

 最近、中国「残留孤児」国家賠償訴訟弁護団が、訴訟から最終的に自立支援の立法を勝ち取るまでを書いた『政策形成訴訟』という本を読みました。

アドボカシーの第一人者として非常に尊敬している方から「鬼澤さんもしっかり昔のことも学ばないといけない」というご指導をいただきました。そのため、今までの弁護士の活動ももっと学ぶために、弁護団活動に熱心な友人に聞いて、この本を読みはじめました。

実は、多くの弁護

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『ミライの授業』と『君たちはどう生きるか』

瀧本哲史先生の著書『ミライの授業』を読みました。

これからの「ミライ」を作っていく、14歳の中学生を対象とした講義形式の本です。「ミライ」を変える法則を5つに分類し、過去の偉人から現在の偉人まで、日本や外国の偉人がどうやって「ミライ」を変えたのか、具体例をもって説明しています。中学生にもわかるように大変平易な言葉で書かれており、やはり本当に頭の良い人はこのような文章も書けるのだなぁと思い、思わず

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有川浩『明日の子供たち』(文庫版)

有川浩『明日の子供たち』(幻冬舎文庫、2018)を読了しました。単行本としてはすでに2014年に出ていたようですね。恥ずかしながら知りませんでした。。。児童養護施設で働き始めた新人職員、そこの職員及び子どもたちを主人公とした物語です。

他にも児童養護施設を(も?)テーマとした小説もありましたが、あくまで主人公の人物設定としてしか描かれていませんでした。しかし、この本ではまさに「児童養護施設」が舞

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