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支援実績:人事課題(人事制度、給与制度)ー2023年、卸売業

 2023年に、某企業A社様(卸売業)の人事課題支援を行いました。簡単に内容を紹介します。当内容の公表は支援企業様からの承諾済みではありますが、大枠の内容に止めていることはお許しください。


支援企業・実施概要

 業種、従業員規模:卸売業、従業員100名程度
 場所:(自身の居住地である)福島県外の地方企業
 実施期間:2023年4月~12月
 方法:現地訪問(数回)+オンライン(1回/1~2週)
 主たる窓口:人事担当取締役および課長
       (給与制度は社長、他取締役含む)
 内容:人事制度構築支援(評価者・被評価者研修実施含む)、給与制度見直し支援

最初は直接訪問で企業の立ち位置を知る

 県外の企業の支援ですので、基本的にはオンラインでの支援です。とはいえ、すべてをリモートだけで実施するというのは困難です。一部は現地訪問で実施しております。

 最初の訪問時は、以下に基づき、会社の状況確認を行っています。人事課題の解決を中心に実施するということにはなっています。とはいえ、企業様の諸状況の確認は必要です。仮につかんでいる問題点は同じでも、取るべき、または取れる施策は異なります。また、問題点そのものが異なるケースもありますので、良くコミュニケーションをし、十分に確認するようにします。


人事制度の運用整備(制度運用研修含む)

 まずは人事制度の運用関係整備から実施しました。

 仮人事制度が存在しても、コミュニケーションの部分がうまくいってなかったり、プロセスのある部分が欠落していたりということがあります。

 実際に、現状把握をした際、コミュニケーションに課題がありそうだということが分かりました。評価者研修を実施し、その中で、評価者について、評価に種々課題を抱えているというところを、ざっくばらんに話していただきました。ここはとても大切で、現在、職場がどのような思いでいるのか、ということをしっかりと認識する必要があります。その内容も鑑みながら、制度として整理・構築していきました。

 また、評価という視点でサポートが不足しがちになるのが、フィードバックを「受ける側」つまり「被評価者」の意識です。被評価者側は、目標設定、進捗確認、評価という一連の「流れ」は説明されることも多いのですが、姿勢的な面はあまり説明されることがありません。そこに、評価者・被評価者の間の溝ができ、人事制度全体としても良い運用ができなくなります。
 一方、被評価者は人数が多いこともあり、研修という形で実施するのはなかなか難しいです。それでも、「こういう立ち位置ででフィードバックを受けてください」という共通ガイドを案内することにより、共通の理解に立つことができるようになります。
姿勢的な面について、被評価者の方に対し、共有させていただきました。また、被評価者の方が普段感じていることも出していただきました。まだ課題がありますが、一定程度理解をしていただいたものと思います。このような機会を設けること、そして、会社として、従業員に対して意見を聴いているという姿勢は、人事制度そのものを運用していくにあたり、非常に重要になってきます。

人事・給与制度の運用整備

 人事・給与制度も問題を抱えている中小企業は多いです。大企業は賃金を上げるということが簡単にできますが、なかなか中小企業はやりにくいところもあります。一方、ある程度の賃上げを確保しないと、現状は非常に厳しい採用活動において、競争力がない状態になることも考えられます。

 「初任給アップ」は重要ですが、1回実施するだけではなく、「その後どうしていくのか」かというところも重要になります。また、給与については、上記の人事制度とのつなぎも必要です。フィードバックをどのように行うのか、人事評価と査定の区別というのもしっかりと認識してもらう必要があります。評価はよかったけれども、査定が良くないということは当然あるわけです。また、財源との関係というのも非常に重要になってきます。

 処遇の中では、特に昨今は賃上げの話が多くなっていることから、給与面ばかりが着目されます。自身が既に持つ制度を改めて注目してみるのも有効です。意外に自社に優位性のある制度があったりするものです。
 例えば、扶養手当的な手当は、本人の能力・業績には直接関係が薄いことから、全体としては廃止の方向にはなっています(それでも現在は、揺り戻しはありますが、、、)。しかし、人材を定着させ、安心して勤務いただいていただくためには有効ともいえます。
 また、企業型確定拠出年金(DC)は、大企業が中心で、特に中小企業では導入されている企業は多くはありません。DCはポータビリティがある(持ち運びが可能)であります。他社で企業型DCに加入していた方、自身で個人型DC(iDeCo)に加入していた方へのも多くなってきています。自社がDC制度を実施しているとすれば、採用などにも有効になってきます。

実施してみての所感

 オンサイト中心はありましたが、コロナ禍を経て、オンラインを中心とする企業支援は初めてでした。正直、コミュニケーションの維持はなかなか難しいというところもあります。ただ、リモート環境がなければ、県外の企業を支援させていただくということは困難であり、コロナ後の新しい形が構築できたと思っております。

 支援させていた内容(人事、給与制度関係)は、多くの企業様で、何かしらの問題を抱えているということが多いと思います。私のように、実際に数多くの制度構築、運用経験がある、そして、「今もまさに」インハウスで構築、運用を実践しているという立場で、外部の観点・支援を少し入れるだけでも、きっかけづくりができるものと思います。私自身も新たな視点を取り込むことができ、感謝しております。ありがとうございました。


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