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部下を「観察」することは、上司の大切な仕事

 上司の最も大切な仕事の一つが、「部下をしっかりと観察する」ということです。観察をしないと事実をきちんと把握できず、評価することは難しいです。観察する際の注意点、効果をまとめました。


「業務上」「業務外」に分けて観察、観察記録を作成する

 その際に、「業務上」「業務外」に分けて観察記録を作成することです。そして、マネジメントには双方の情報が必要ですが、「評価」の局面では、「業務上」の話だけになります。ここは注意すべき点です。

観察1:「業務上」の話

 業務上の話は、部下の業務に関連する内容を指します。例えば、部下との面談や会議の中で、プロジェクトの進捗状況や課題、業務目標の達成度などを話すことです。他にも、仕事の方法やプロセスに関する情報や指示、タスクの優先順位やスケジュールに関する話題も含まれます。業務上の話は、部下の仕事の遂行に直接関わる内容を指し、業務の効率性や成果に寄与することが期待されます。

観察2:「業務外」の話

 業務外の話は、部下の業務に直接関係のない内容を指します。これには、部下のプライベートな問題や家族の事情、個人の興味や趣味、休暇やイベントの話題などが含まれます。業務外の話は、部下の人間性や個人的な状況を理解するためには重要ですが、業務の優先事項には直接的には関係しないものです。


「観察記録」を実施すると、どんな効果があるのか

 上記に基づき、観察記録を実施することによって、多くの効果が得られます。

1.人事考課を「事実」に基づいて実施できるようになる

 部下の観察記録を実施することで、評価者は客観的なデータに基づいて人事考課を行うことができます。観察記録には部下の行動や成果、能力の発揮状況などが記録されます。これにより、評価者は主観的な印象や個人的な好みに左右されず、客観的な評価を行うことができます。また、観察記録は評価者と部下の双方にとって参考資料となり、具体的な改善点や成長の機会を特定する上でも役立ちます。

2.業務上の話と業務外の話を区別できるようになる

 観察記録を通じて、業務上の話題と業務外の話題を明確に区別することができます。
 業務上の話題は、部下の業績やプロジェクトの進捗状況などに関連する内容です。これに対して、業務外の話題は部下のプライベートな問題や家族の事情など、業務に直接関係のない内容です。観察記録を通じてこの区別が明確になると、評価者は公平かつ客観的な視点で評価を行うことができます。また、部下とのコミュニケーションも円滑になり、業務上の優先事項に集中することができます。

3.下位評価者が、きちんと部下を観ているかどうかを確認できる

 観察記録を作成することにより、上位の評価者は、下位の評価者が部下を適切に観察しているかどうかを確認することができます。観察記録には部下の行動や成果に関する詳細な情報が含まれており、上位評価者はこれを参考にして下位の評価者の観察力やフィードバックの質を評価することができます。また、観察記録は上位の評価者と下位の評価者の間でのコミュニケーションやフィードバックの基礎となります。上位評価者が部下を適切に観察し、適切なフィードバックや指導を行うことで、部下の成長と組織のパフォーマンス向上に貢献することができます。


 部下をしっかり観察し、よりよいマネジメント、納得性のある評価が実施できるようにしたいものです。「観察」はすぐにできることですので、是非試していただくことをおすすめします。


 2023年6月21日に亡くなった夏まゆみさんも、「観察」の大切さを強く仰っていました。どうしても、評価したくなりますが、まずは目の前の事象を評価せずに確実に押さえます。


以下、上記行動観察シートフォーマットになります。ご自由にカスタマイズして活用ください。

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