【書籍】夏まゆみさん追悼ー『致知』2018年5月号(一対一の言葉掛けで人が輝く時)-指導者が心がけるべきことのヒントが盛り沢山
2023年6月21日、振付師の夏まゆみさんが亡くなりました。「モーニング娘。」や「AKB48」の育ての親とよばれ、多くのダンスグループのアイドルを世に送り出した第一人者といえるでしょう。
そんな夏さんが、『致知』2018年5月号に、「一対一の言葉掛けで人が輝く時」というテーマで掲載されており、再読してみました。指導者としてのあり方という観点で考えさせられることが多くあります。記事の中から、いくつか取り上げてみました。
「一対一で向き合う」ことが重要
組織を率いる場合、「全体」を考えてしまうような気がします。これはもちろん大切なことです。しかし、そのときに忘れがちなのだが、「一対一で向き合う」ということ。声かけをする、相手の「長所」に着目する、ということが非常に重要であるということを再認識しました。組織を率いる方にも非常に参考になるような話だと思います。
「一対一」とは、相手を「観察」すること
では、「一対一」とはどのようにすることなのか。これは私自身も、人事評価者の皆さんに対する研修等で話をしていることなのですが、上司としてはとにかく「観察」をするということが非常に大切になります。そして、その際に「評価」をしない。観察をしていれば、評価は自動的ついてくるものです。逆に、観察なしに評価はあり得ない。観察は、最初は「単に見ている」だけのような感であっても、継続していくと、「言葉掛け」のタイミングが分かってくるようになります。夏さんも、言葉掛けを「人を育てるための大原則」と仰っていますが、上司の一番大切な仕事は、部下に対する「言葉掛け」といっても過言ではないでしょう。その結果、部下はしっかりと存在感を与えられるのです。
指導者は「伝える、贈る、認める」
指導者というと、偉いもので、「教える、与える、見る」となりがちです。そうではなく、「伝える、贈る、認める」こと。確かに立場的な上下関係はあるわけですが、対等に接すること。上司はどうしても上から目線になってしまいがちですが、まずは対等に接することを心がける。良い関係がないと指導者としての役割を果たすことはできないでしょう。
エースに必要なものは、自己の確立、強い意志と覚悟
逆にいえば、指導者としては、自己の確立、強い意志と覚悟ができるような人を育てていくということが大切なところなのでしょう。
これは、今から5年前の記事ですが、改めて読み返してみると、長年、人事・人材育成に従事してきて、指導者のあり方という観点で考えさせられることが多かったです。何度も読み返したいと思います。
夏まゆみさんのご冥福をお祈りいたします。
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