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【書籍】信頼・傾聴・振り返り:1on1ミーティングの成功法ー日経ビジネスー冨山真由氏

 日経ビジネス2024/7/8の記事に『1on1は「3ない」が基本 遮らない・かぶせない・助言しない』が掲載されていました。
 この記事では、行動習慣コンサルタントの冨山真由氏が、効果的な1on1ミーティング(以下、1on1)の秘訣を、具体的なステップや事例を交えながら詳しく解説しています。1on1は、単なる上司と部下の面談ではなく、部下の成長を促進し、課題を解決し、そして何よりも信頼関係を築くための重要なコミュニケーションツールです。


短時間で頻度を多く

 1on1を効果的に行うための最初のポイントは、1回の時間を短くし、その分頻度を上げることです。15分を目安とし、内容を詰め込みすぎず、毎週、2週間に1回、あるいは毎月といった高頻度で実施することが推奨されています。

 なぜ短時間の方が良いのでしょうか?それは、人間の集中力が持続する時間には限界があるからです。長時間の1on1は、実施する側もされる側も集中力が途切れやすく、内容が散漫になりがちです。また、忙しいスケジュールの中で長時間の1on1を頻繁に設定することは困難です。短時間で集中的に話すことで、より効果的なコミュニケーションが期待できるだけでなく、1on1を習慣化しやすくなります。

1on1の3ステップ

1on1は、以下の3つのステップで構成されます。

  1. 信頼関係の構築(最初の2~3分)
     
    1on1の冒頭は、今日の目的を明確に伝え、雑談から入ることが重要です。例えば、新しいプロジェクトの進捗状況を尋ねたり、「週末はリフレッシュできましたか?」といったように、相手の状況や気持ちに関心を示すことから始めると、部下は安心して話せるようになります。

  2. 傾聴(10分を目安)
     1on1のメインパートである傾聴では、部下の話を遮らずにじっくりと耳を傾けることが何よりも大切です。相手の言葉だけでなく、表情やしぐさ、声のトーンなどの非言語的なメッセージにも注意を払い、部下の真意を読み取るように努めましょう。例えば、部下が自信なさそうに話している場合は、「何か不安な点はありませんか?」と具体的に尋ねることで、本音を引き出すことができるかもしれません。

  3. 振り返り(最後の2~3分)
     1on1の最後に、部下にミーティングの振り返りをしてもらう時間を設けることは、1on1の効果を最大限に引き出すために非常に重要です。部下自身が1on1で話した内容や気づいたことを整理し、言葉にすることで、自己理解を深め、今後の行動変容に繋げることができます。上司は、部下の振り返りを聞きながら、「今回の1on1で話したことを参考に、次はこんなことに挑戦してみませんか?」といったように、具体的な提案やアドバイスをすることもできます。

1on1を習慣化するための工夫

 忙しいリーダーにとって、1on1の時間を確保することは容易ではありません。しかし、1on1は部下との信頼関係を築き、組織全体の成果を向上させるために非常に重要な投資です。事前にスケジュールを組んでおく、1on1専用のツールを活用する、1on1の時間を確保するための会議を減らすなど、工夫を凝らすことで、定期的な1on1の実施が可能になります。

まとめと考察

 この記事で紹介されている1on1の進め方は、あくまで一つの例であり、各組織やチームの状況に合わせて柔軟に対応することが大切です。しかし、1on1の基本原則である「信頼関係の構築」「傾聴」「振り返り」を意識することで、より効果的な1on1を実施できるようになるでしょう。1on1を通じて、部下の成長をサポートし、より良いチーム作りを目指す第一歩となるでしょう。

 1on1を実践するにあたり、「やるのが少し重いな」と思われる方も多いかと思います。また、実践するにあたり、一定程度のスキルが必要なことも確かなのですが、まずは、「信頼関係の構築」「傾聴」「振り返り」を意識して実践してみることは重要でしょう。


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