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成人玩具009~こけしマンの憂鬱

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 最終回

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 最終回

 俺たちはゲートフェンスから右手へ回り込んだ。
 そこでまず龍二さんがフェンスの一部に硫酸をかけて、人ひとり通れるくらいの入り口を開けた。
 コンドウさんを前に歩かせて、次は龍二さん。俺たちはその後に続いた。コンドウさんなら銃弾を通さないからだろう。が、直後、コンドウさんは両の眼球を撃ち抜かれ即死した。龍二さんも硫酸を噴出させる間もなく小指を撃ち抜かれその場に倒れ込む。
 やばいな、この状況。射撃

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #9

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #9

 ミーティングルームにみんなで入り、一人ずつ順番に手術室に呼ばれる。テレビでは連続銀行襲撃事件のニュースを流し続けていた。
 
 まず、龍二さんが戻って来た。龍二さんの小指は、ローションではなく硫酸が放出されるようになった。ワンダフル。
 電マボーイのタカシくんは、ちゃんと足の長さが揃えられ、まっすぐ歩けるようになった。スイッチを入れると10万ボルトの電流が流れるらしい。
 亀甲マンの亀梨さんは、

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #8

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #8

 博士がリモコンで天窓を開けると、二羽の雀がふわりと入って来て、博士の目の前の机の上にとまった。
 博士は「お、来た来た」と一羽の雀を手に取り、お尻の穴にUSBケーブルを差し込んだ。
「これはな、最新AIに全方位4Kカメラに高性能集音マイク、しかもこのサイズに1TBのHDが搭載されておるのじゃよ」
 なんてむごい改造するんだ、この博士は。
「この雀たちに敵のアジトを調査させておったのじゃ。まずは敵

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #7

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #7

「博士! 待たせたな! これからカチコミや!」
「まあ待ちなさい。みんな集まってから作戦会議じゃ。こちらこけしマンのジローくんとTENGAレディの玲子さんじゃ。玲子さん、ジローくん、こちらはローションの龍二さんじゃ」
 え? ローション? お互いに何となく気まずい雰囲気で会釈した。ど、どうも。
「龍二さん、例のやつ見せてやってくれ」
 おう、と龍二さんは、小指を第二関節から外すと腕を伸ばした。する

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #6

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #6

「あいつら? ってこないだ言ってた敵ってやつ?」
『そうよ、今から会える?』
「いや、今仕事中だから……」
『デリヘルのドライバーなんか誰にでも出来るじゃない! こっちは緊急なのよ!』
 俺はすこしカチンときた。
「誰にでも出来る仕事ってなんだよ。悪いけど、切るよ」
 俺は通話を切った。再び着信音が鳴る。
『ごめんなさい! そういう意味じゃないの! 本当にごめんなさい』
「もういいよ。でも仕事は休

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #5

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #5

 女は玄関のドアを開けると、ソファに身体をうずめた。
 31歳未婚、恋人無し。今日も派遣の仕事を終え、コンビニでファッション誌とサラダと缶酎ハイを買って帰宅した。
 メイクを落としシャワーを浴びる。30過ぎるとコンパのお誘いも激減した。大半の友達が結婚しているのも大きい。平日は特に飲みに出かけることもなく、真っ直ぐ帰宅する毎日だ。
 長い髪にドライヤーをあてながら酎ハイを開ける。
 ふぅ~、今日も

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #4

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #4

「あ、あなたがジローさん?」
「そうです。電話くれた玲子さんですか?」
 俺たちは簡単な挨拶を交わし、そのまま俺の行きつけの居酒屋に行くことになった。
 生ビールが運ばれ、グラスを合わせると彼女が口を開いた。
「たまにはこういうお店もいいわね。気に入ったわ」
「で、話ってなんですか?」
「博士からあなたの話聞いたの。ぜひ私の仲間になってもらえない?」
「え? 仲間? なんの?」
 つまみを頼み、ビ

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #3

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #3

 夢を見て目が覚めた。
 あれから数ヶ月経つが、左腕を無くした時の出来事は、今もたまに夢に見る。
 俺はデリヘルドライバーのジロー。またの名を電動こけしマン。
 
 ベッドから上半身を起こすと、隣に女が寝ていた。
 この女とは昨日の深夜、行きつけのバーで知り合った。30代前半だろうか。隠しきれないビッチオーラが全身から溢れていた。
 俺の部屋で飲みなおそうと部屋に連れ込み、シャワーも浴びずにそのま

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #2

成人玩具009~こけしマンの憂鬱 #2

 俺はため息を一つ吐き警察署の外に出た。黄色い太陽が目に染みる。
 俺はデリヘルドライバーのジロー。またの名を電動こけしマン。
 昨日は職質振り切ろうとした結果逮捕され、一晩警察に厄介になっちまったぜ。
 ポケットから財布を取り出し中身を確認すると、一万円札が数枚入っていた。そのまま通りでタクシーを止めて滑り込み、デリヘルの詰所まで向かう。
 詰所に着くと、社長が出迎えてくれた。
「おう、ジロー。

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成人玩具009~こけしマンの憂鬱

成人玩具009~こけしマンの憂鬱

 俺はデリヘルドライバーのジロー。
 常連の田中っていうハゲから連絡があり、いつも指名のさくらを指定されたマンションまで送りにきた。
 そのマンションの前まで来ると、さくらは田中さんのとこにはどうしても行きたくない、という。前回怖い目に遭ったというのだ。
 わかった、そしたら玄関の前まで一緒に行ってあのハゲに注意するからさ、それでなんとか、となだめすかし、とりあえず部屋の前まで連れてきた。
 スケ

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