成人玩具009~こけしマンの憂鬱 最終回
俺たちはゲートフェンスから右手へ回り込んだ。
そこでまず龍二さんがフェンスの一部に硫酸をかけて、人ひとり通れるくらいの入り口を開けた。
コンドウさんを前に歩かせて、次は龍二さん。俺たちはその後に続いた。コンドウさんなら銃弾を通さないからだろう。が、直後、コンドウさんは両の眼球を撃ち抜かれ即死した。龍二さんも硫酸を噴出させる間もなく小指を撃ち抜かれその場に倒れ込む。
やばいな、この状況。射撃の腕が凄すぎる。
元の位置に戻って玲子さんもロケットパンチを繰り出すが、着弾する前に撃ち落されてしまう。
そこに立ち上がったのは仮面ライダーディルドだった。
ディルドはパンツを下ろすと、奇声を上げながらマシンガンを乱射した。
ディルドが乱射している間、敵は伏せていたものの、弾が切れてキンタマガジンを装填しているうちに再び向こうからの銃撃が始まり、ディルドは再び引っ込んだ。なんてことだ。
俺も義手を外し、攻撃態勢に入っているが、なかなか攻撃のタイミングがつかめない。
「こうなったらあの手しかないわね。ジロー、こけしをここに挿入して、左のキンタマスイッチを押して!」
玲子さんは手首のTENGAを俺に向けた。
「え? わ、わかった」
玲子さんの手首にこけしを挿入しキンタマスイッチを押した。すると玲子さんが突然巨大化した。
え?! 聞いてないよ! これがまさか新機能!?
玲子さんは三十メートルほどの大きさになり一呼吸置くと、一歩踏み出しそのままキトウマンをプチっと踏み潰した。
え? 終わり? それ少年漫画で一番やっちゃダメなヤツじゃ……
玲子さんはそのまま工場の建屋を全壊しつくし、三分経ったら元の大きさに戻った。
すると、ローターレディたちの股間から、ボトっ、ボトっとローターが落ち、ジュッと音を立てて霧散した。
女たちは我に返り、口々に、あれ? ここどこ? あたしなんでこんなところに!? と騒いでいる。
玲子さんは博士に電話し、終わったわ。女性用の下着と着るもの30人分送って。と言って通話を切った。
十分もするとドン・キホーテの袋をいくつも引っ掛けたドローンが飛んできた。
彼女たちを自宅に送り届け、博士の研究所に戻った。これにて一件落着。
俺たち成人玩具009! 誰がために戦う!
全員がカメラ目線でポーズを決めた。
エピローグ
翌日、俺は一人でこっそり八王子に向かった。潰された倉庫の中には、銀行から盗まれた2億円が。
ふっふっふ。
完
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