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激動を迎える世界経済。問われる日本の耐性

箱根駅伝の激走・激闘を観ている、そんな方も多いのではないでしょうか。
世界も激動の時代を迎えています。
国際通貨基金(IMF)によると世界経済の3分の1が景気後退に陥ると予測されています。
この2023年、世界はどうなるのか。

逆風にさらされる23年の世界

日経新聞社説では、2023年の世界は4つの逆風に直面すると説いています。
その4つとは、
『1.物価高圧力との闘い
2.金融引き締めの副作用
3.中国経済の不振で、世界の成長の支え役が不在
4.世界経済を襲う「デカップリング(分断)」の進行』

です。

1.の物価については、ご存知の通り、新型コロナウィルスの経済対策により始まったインフレが、ロシアのウクライナ侵攻によりエネルギーや食料価格が跳ね上がりました。

2.の金融引き締めは、FRBが昨年4度にわたる0.75%の大幅利上げを実行しました。
その悪影響が出始めるでしょう。

3.の中国は、ゼロコロナ政策の失策で今年もその影響が続くとされています。
中国に頼るのもこのへんでやめておくべきですね。
箱根駅伝もそうですが、同じ大学に1人スーパースターがいるだけでは、そのチームは優勝できませんからね。
現に生産拠点を中国から移す企業も続出しています。

4.デカップリングは米中の覇権争いを筆頭に、ロシアと西欧諸国の対立、また先進国の中でもエネルギー高騰や対中問題で自国優先の政策をとる動きが進んでいます。
このことで国際協調が揺らいでいます。
しかし、まず自国優先、自国を守ることは当然のことであり、日本も例外ではありません。

特に物価上昇について着目してみますと、物価上昇は世界共通であるものの、各国・各地域で少しずつ物価上昇の背景が違っているようです。
・米国~労働需給のひっ迫による賃金上昇
・欧州~脱ロシア依存の反動によるエネルギー調達難
・一部新興国・途上国~経済基盤の脆弱さを狙った金融市場の売り圧力

不透明な日本の耐える力と伸びる力

そして、日本は労働生産性や国際競争力で出遅れている上に、強烈な円安で原材料が高騰、物価高に賃上げが追いつかないスタグフレーションが続きます
『23年中に超円安が再燃する』との見方をする専門家もいます。
資源高と世界的なインフレにどこまで耐えられるのか、というところで不安を抱えています。

日銀はイールドカーブコントロールで、長期金利の変動幅を上下0.25%から0.5%に広げましたが、「利上げではない」と日銀・黒田総裁は政策転換を否定しています。
政策転換に慎重な理由は
『1.持続的・安定的に2%上昇という物価目標が未達である
2.世界経済が減速すれば日本にも波及する
3.足元の物価高が企業や消費者の心理を変え、物価と賃金が上昇する好循環につながってほしいと期待』
などです。

春闘での賃上げへの期待は高いものがありますが、賃上げに応じられる企業は限られており、大半の企業は引き続き原材料高に苦しんでいます。
賃上げが実現しない限り、家計は苦しいままで、消費も上がりません。
日本企業には、直近で200兆円もの内部留保の資金があります。
この巨額の現金を元手にどこまで賃上げに直結する人への投資が進むか、それには経済成長が必須条件となります。
世界経済低迷を目の前に、予断を許さない状況の日本です。

『  』内、参考・引用
1/3 日本経済新聞
【社説・成長の主役欠く世界経済の再起を】
【世界インフレと新「日本病」】より
#経済 #為替 #株式市場 #日経平均 #米株価 #金融 #投資 #世界経済

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