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「採用」って死ぬほど大事

皆様、こんにちは!PLAY PRODUCT STUDIOの玉井です。

前回はブランドコンセプト設計からブランドローンチまでの流れを書かせて頂きました。

今回は「採用」をキーワードにチーム作りから今までについて書かせて頂きたいと思います。

夜な夜な書いていたら5000字を越える過去一の長文が出来上がりました。

是非お暇なときにお読みくださいませ。

立ち上げメンバーの採用


ブランドローンチに向けての採用計画は以下の通り。

2018年7月 会社設立

2018年8月 メンズデザイナー 1名
ウィメンズデザイナー 1名入社

2018年9月 ウィメンズデザイナー 1名

2018年10月 プレス 1名
ECショップマネージャー 1名入社

2018年11月 商業施設・プレス向け内覧会

2018年12月 ショップマネージャー(営業責任者クラス) 1名入社

2019年1月 ECスタッフ 1名入社

2019年2月 ショップマネージャー 2名
ショップスタッフ 12名入社

2019年3月 実店舗&EC(自社EC・ZOZO TOWN・ELLE SHOP) OPEN

メンズデザイナー:1名
ウィメンズデザイナー:2名
プレス:1名
ECショップマネージャー:1名
ECショップスタッフ:1名
ショップマネージャー:3名
ショップスタッフ:12名
合計:21名

会社設立から半年間で21名の採用を計画。
創業間もない、無名な会社の採用計画としてはかなり無謀。

採用=企業力×採用力

■企業力=ブランド力
・会社名を知っている
・その会社のブランドを知っている、買ったことがある
・優秀な人材が働いている
・給与水準が高い
・福利厚生が充実している
・成長している業界である
・成長している企業である
・人気職種である
etc…。

■採用力=営業力
・知り合いや社員から候補者を紹介してもらえる
・人材紹介会社から適切な人材を紹介してもらえる
・候補者が応募してからの面接日設定が早い
・面接の対応が親切、丁寧、適確
・面接を通して志望度を上げることができる
・合否の連絡が早い
etc…。

創業間もない弊社が提供できる企業力は以下の通り。

・スタートアップ

→年功序列の上が詰まった組織より可能性がある!

・新規ブランドの立ち上げを経験できる

→大変だけど力がつく!

・ブランドの立ち上げを成功させてきたメンバーが働いている

→自他共に厳しく、求める水準は高いけど!

・業界平均よりやや高い給与水準と福利厚生

→成果に応じたインセンティブ設計と一般的な福利厚生完備

・サザビーリーグのバックアップによる安心感

→そんなに簡単には潰れない!

今でこそ「MAISON SPECIAL」や「PRANK PROJECT」が好きで応募してくださる方が増えてきたものの、最初は上記の5点が企業力。

上記5点を営業材料として、とにかく人に会いまくる毎日。

自分たちの直接の知り合いで適した人がいれば声をかけた。

※前職在職中の方を除いて

適した人を知っていそうな人に紹介をお願いした。

日中は採用以外の仕事を進めて、夜は人を紹介してもらう毎日。

自分の事のように候補者を探してくれる方がいたり、昔の仲間がタイミングよく合流してくれたり…。

今までの人生でお世話になった方々にお力添えを頂き、なんとか採用計画を達成。

MAISON SPECIAL青山店
MAISON SPECIAL MENS新宿店
MAISON SPECIAL WOMENS新宿店
OFFICIAL ONLINE STORE
ZOZO TOWN
ELLE SHOP

そして、2019年3月に上記6店舗を同時OPENすることができた。

無事OPENして安堵したのも束の間、すぐに大きな挫折が待っていた…。

今思えば、ここまで運がよく、うまくいきすぎていた…。

そんな簡単にうまくいくわけないよね…という話。

伸び悩む売上とチームの不穏な空気


2019年3月のブランドローンチは決して悪い数字ではなかった。

オープンに際してのメディア露出もあり、多くのお客様にご来店頂いた。

新規立ち上げブランドとしては合格点と言える初月だった。

4月・5月と徐々に数字が落ちていって、思うように数字が取れなくなった。

商品面で言うと、売れ筋の欠品。

最初はお客様の反応を見る為に幅広いテイストで少量多品種で商品を展開しており、反応がいいものがなくなり、反応がにぶいものが残った。

販促面で言うと、継続的な露出機会を作れなかった。

6店舗同時OPENのニュースはキャッチーで多数のメディアに取り上げられたものの、その後の継続的な露出を仕込めていなかった。

営業面で言うと、戦略の欠如。

直前に集まった急造チームということもあるが、バラバラにがんばっているだけで力が分散してしまっていた。

全社的に言うと、目線が合っていなかった。

私たちの考え・価値観を伝えきれていなかった。

説明が全く足りていなかった。

共通理解がない状態で進んでしまい、途中で空中分解してしまった。

時間をかけて少しずつ人員が増えていくのであれば説明しなくても共通理解を深めていくことはできたかもしれない。

私たちのように半年で21人もメンバーを増やすのであれば、共通理解作りに相当な時間をかけるべきだった。

会社の文化や方向性を途中で修正するのは難しい。

最初からしっかりと言語化して共通理解を作っておけばよかった。

正直に言うと目線が合っていないことは度々感じていた。

ただ、迫るOPEN日に対してその他の仕事を優先してしまった。

本質的に大事なことを疎かにして。

採用の失敗


採用=企業力×採用力

弊社が提供できる「企業力」のメリットの部分だけが一人歩きしてしまい、メリットを得る為に負荷がかかる箇所を伝え切れていなかった。

筋トレで例えると…

メリット:筋肉がつく・体の代謝が上がる・自信がつくetc

負荷:筋肉痛・日々の継続・目に見える結果が出るまで時間がかかるetc

何かを得る為には負荷がかかる。

何の負荷もかからずに手に入れられるものなど存在しない。

あったとしてもそれは誰でも手に入るものなので後に価値がなくなる。

その負荷がどれくらいなのか?(50キロ?100キロ?)

求めるものや理想が高ければ高いほど、高い負荷がかかることになる。

スタートアップ(自分の働き方次第で無限の可能性)

<メリット>
経営陣との距離が近い。
組織の上が詰まっていない為、頑張り次第でチャンスが掴みやすい。
若くても実績次第で昇給・出世しやすい。
一つのポジションに制限されない、幅広い仕事ができる。

<負荷>
年齢に応じて出世・昇給するわけではなく、実績が求められる。
自分の専門領域以外のことまで幅広く考え行動する必要がある。
決まった仕組みや前例がなく、自分で切り開く必要がある。
制度や教育などの環境が整っていないので自分で学ぶ必要がある。

②新規ブランドの立ち上げを経験できる

<メリット>
将来自分でブランドを立ち上げてみたいと考えている方にとっては貴重な予行演習の機会になる。
お客様を見ながら自分の考えを発信することで主体的にブランド作りに携わっていくことができる。

<負荷>
お客様を見ながら修正を繰り返していくので変化が激しい。
常に考えながら仕事をし、意見を出すことを求められる。
有名ブランドよりも認知度が低いため、売るのが難しい。
有名ブランドよりも認知度が低いため、集客が少ない。

③ブランドの立ち上げを成功させてきたメンバーが働いている

<メリット>
素直に学ぶことができれば成長できる。

<負荷>
仕事に対しての要求水準が高く、どこまでもこだわる。
前職の上司がOKを出していたものもNGになる可能性がある。
常に学び、常に向上心のある行動が求められる。

④業界平均よりやや高い給与水準と福利厚生

<メリット>
業界平均よりやや高い給与水準と福利厚生

<負荷>
周囲より給与が高いということは一人当たりの生産性が高いということ。
一人当たりの生産性を高める行動が求められる。

⑤サザビーリーグのバックアップによる安心感

<メリット>
サザビーリーグのバックアップによる安心感

<負荷>
なし

上記①~⑤の負荷について、説明はしていたものの伝えきれていなかった。

仕事の負荷は筋トレのダンベルの重さと違って正確に計ることができない為、個人によって50キロに感じる人もいれば100キロに感じる人もいる。

その結果、その方が想定していた負荷より重い負荷であればミスマッチを生んでしまった。

玉井ダウン、チーム再構築


実は2019年6月・7月とメンタルブレイクして出勤できない時期があった。

創業メンバーを中心とした会社のみんなに多大なる迷惑をかけ、2ヶ月間お休みさせてもらった。

創業に向けて走り続けていく中で、自分が思い描く通りにチームや事業を運営することができず、理想と現実のギャップにまいってしまった。

今思えば、自己評価が高すぎて何でもうまくいくものだと思い込んで進んでしまったことがよくなかった。

「うまくいかなくて当たり前!うまくいったらラッキー!」

「諦めたらそこで試合終了!うまくいくまで行動し続けるのみ!」

それくらいのメンタルでいれたらこうはならなかった。

休んでいる間、とにかくチームに関する本を読み漁った。

昔読んだ本を読み直すこともあれば、新しい本を読むことも。

それからチームを再構築する為の戦略を練り始めた…!!

チーム再構築

会社のVISIONである「SPECIAL IS YOUR STANDARD.」の理念は素晴らしい。

ただ、そのVISIONを達成する為にあるべき姿や働き方が分かりにくい。

「クリエイティブかつ自分で考えて行動するチームでありたい」という理想から、創業メンバーとしてはあまりルールを作らずに進めていきたかった。

少しずつ人員を増やしていく小さな組織であればそれでもよかったかもしれないが大人数が集まればルールが必要になる。

国に憲法があって、法律があって、条例があるように。

2019年8月の復帰後、まずは「VISIONを達成する為のあるべき姿・働き方」を明文化することからスタートした。

MISSION・VALUE・SPIRITを説明してミスマッチを無くす

2019年8月末に全社員を集めて、明文化したMISSION・VISION・VALUE、改めて「企業力の負荷」に対しても説明を行った。

結果としてその後の半年間でミスマッチを感じられた方は離職し、新規採用の方には上記の説明を行いミスマッチは少なくなってきている。

この話は決してミスマッチを感じられて離職された方がどうとか言う話ではない。

あくまで私の説明不足によるものであり、ミスマッチを感じて離職することやそもそも入社しないことは正しいと思う。

人の価値観は人それぞれだし、幸せの定義も違う。

安定を求める人もいれば、刺激を求める人もいる。

どっちが正しいとかではなく、犬派か猫派かみたいな話。

犬派の人に、犬っぽい猫ですとかいう売り方をしてはいけないという話。

犬は犬、猫は猫、偽りのない姿を愛せる会社で働こう。

リスタート~今

復帰後、説明会を行い人材の入れ替えが進んだ。

ブランドがスタートし、ブランドが好きで入社してくださる方も増えた。

そのおかげで、会社全体の目線が合ってきた。

商品や販促の精度も格段に上がり、徐々に数字が伸び始める…。

2023年には新しくPRANK PROJECTをスタートさせることもできた。

MAISON SPECIALスタート時の反省を活かし、非常にいい状態で進んでいる。

もちろん、課題はたくさんある。

会社は「人」でできている為、「人」が変われば様々な問題が発生する。

チームも採用もサグラダ・ファミリア並みに完成しない。

一生進化し続けて変わり続けるものであると思う。

さらなる飛躍に向けて、もっともっとたくさん失敗しながら前に進みます。

待て、次回!

今回で創業から今までのストーリーは終了。

次回からは今回も話題に上がった弊社の「VISION」「MISSION」「VALUE」「SPIRIT」や「弊社で大切にしている考え方」などを書いていきます。

弊社を志望してくださる方・弊社社員に向けてはもちろんのこと、ファッション業界で働く方々にお役に立てるように書いていきたいと思います。

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