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♨漫遊記#2 幻の島牧村営温泉

 北海道・奥尻島津波の大被害があった1年後、地熱資源の調査で奥尻島に行きました。到着したときは、丁度1年後だったので、宿泊していたホテルは報道陣でごった返していました。ホテルは、新しい建物だったのですが、地震の爪痕があちこちに残っていました。もともとは温水プールもあったようですが、プールの底が大きくひび割れていました。また、壁面にはせん断破壊のX字型の亀裂が残っていました。

 奥尻島での調査を無事終えて、北海道本島に戻ったついでに、島牧村での温泉調査を頼まれました。いまはもう無くなったようですが、当時は島牧村の村営の小さな温泉がありました。温泉を掘ったきっかけは聞いていませんが、たぶん”ふるさと創生1億円”を使ったのではないかと思います。この温泉は海岸のすぐ近くにあって、脱衣所を出ると露天の湯船がありました。また、湯船からそのまま海に直行できました。一応、湯船は男女に分かれていましたが、海に出ていけば、女風呂(男風呂)も丸見えの作りになっていました。

 調査の目的は、この温泉の湯量がどんどん減っているので、その原因を調べて欲しいとのことでした。調査の詳しい結果は、忘れてしまいましたが、温泉を掘りなおす必要があったようです。しかし、深さにもよりますが、温泉掘削には1億円前後はかかりますから、結局、この温泉は営業を断念したようです。この海岸は、夕日が一望できる良いロケーションなので、もったいない気もしますが仕方ありません。

 調査の時には、当時の村長さんが来てくれて、お昼をごちそうしてくれたました。また、調査が終わって帰る時には、特産の島牧ワインをお土産に持たせてくれました。この当時は、そんなに有名ではなかったと思いますが、少し前に千歳空港で偶然見た時には、高級なワインとして売られていました。

 タイトル図は、島牧村のマスコットキャラクターのアワビの「シマくん・マキちゃん」です。二人合わせると、シママキになる”ヤン坊・マー坊”みたいな一対のキャラクターです。実は長い間、「シマちゃん・マキちゃん」と間違って覚えていました。人間の記憶って、やっぱり曖昧ですね。これを機会に、正しい名前を覚えます。

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