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♨漫遊記#7 奇跡の温泉・玉川温泉

 数多くの温泉地を誇る秋田県の中でも、玉川温泉は”日本一の湧出量”と”日本一の強酸性”を誇る、温泉ファンが多く訪れる国内屈指の秘湯です。また玉川温泉では、地熱を利用した天然の岩盤浴も楽しむことが出来ます。

 秋田県北東部の仙北市に位置する玉川温泉は、本州最北端の国立公園である”十和田八幡平国立公園”の中にあります。玉川温泉の歴史は古く、延宝8年(1680年)に噴泉を発見したのが始まりとされています。営業期間は例年4月~11月ですが、湯治や観光を目的にした多くの人々がこの秘湯に訪れます。

 玉川温泉の最大の特徴は、1ヵ所から毎分9,000リットルという”日本一の湧出量”です。1ヵ所から湧出する源泉の量は、国内屈指の自噴湧出量を誇る草津温泉の約9倍にもあたります。それから、もう一つの特徴が、pH1.2という”日本一の強酸性”の泉質です。私も一度だけこの温泉に入ったことがあります。温泉に入る前には、同行した人から「デリケートな部分がピリピリするよ」と脅されていましたが、特にそんなことはありませんでした。ただし、擦り傷やひっかき傷などの小さな傷があると、ピリピリと沁みるみたいです。

 玉川温泉が有名なのは、温泉そのものもそうですが、天然岩盤浴によるところが大きいです。玉川温泉の地盤には微量のラジウムが含まれていて、新陳代謝の促進や鎮痛に効果が期待できるといわれています。その評判から”癌や難病に効く”と噂され、毎日のように岩盤浴を利用している方も多いそうです。私が訪ねた時も、大型キャンピングカーで来ている人たちがいました。実際に癌に効くかどうかの医学的根拠は分かりませんが、”癌に効いた”という体験談も多く、それが玉川温泉が”奇跡の温泉”と言われる所以です。

 岩盤浴のやり方はとてもシンプルで、野外に寝るか、設営されているテント小屋を利用します。図のように、岩盤の上にゴザを敷いて寝転がり、タオルケットをかぶって地熱を体内に取り入れるのが一般的です。私は岩盤浴はしませんでしたが、熱心に岩盤浴する多くの湯治客を見ました。

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