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しくじらないインフルエンサーとの関係づくり

「インフルエンサーとの関係づくり」


もしかしたら、P2Cブランド成功について、
これがいちばん大切かも。

いや、これにかかっていると言っても
過言じゃない。

「インフルエンサーとの関係づくり」
が良好であれば、自然と打つ手は増えます。

そうでなければ、できることは限られて、
とても平面的な仕掛けしかなくなります。

うちの会社は、もともとD2Cブランドのコンサルや商品企画、販売計画を行っているからこそ、

色んなタイプの人や会社と
協業することが多いです。

ですが、もちろんそんな私も全て
上手くいったわけではありません。


何度も協業先と望んでいない結果になったり、
企画自体が途中でなくなったりもしました。

そんな経験から、インフルエンサーと協業する上で
大事な5つがわかりました。

1,リスペクトと感謝を持って接する
2,ゴールを明確にする
3,最悪のシナリオを共有する
4,早い段階でいいたいことを言える環境を設定する
5,必ずテストする

 1,リスペクトと感謝を持って接する


当たり前ですが、インフルエンサーさんも
人間です。

インフルエンサーに限った話ではありませんが、
協業相手、チームメンバーも、

かならずリスペクトと感謝を持って
接していきましょう。

勘違いしやすいところですが、メーカーは彼らに宣伝してもらえたら
ある程度売れていくと思っています。

半分正解ですが、半分不正解です。

同じ人物が告知したとしても、これがなければ
同じ人物でも結果は全く違うものになります。


例えばYoutubeで10万人のフォロワーを
持っているインフルエンサーだとしても、

 
ペロッと告知したくらいでは大きな売上は
望めません。

ポイントは、彼らの「熱量」です。

ひとつの商品だとしても、何度も告知して、商品づくりのストーリーやその商品に対する想い、機能性を伝えていく必要があります。

 
彼らの告知に商品のストーリーも想いもなく「熱量」が低いと、自然とそれはフォロワーさんにも伝わります。

 
あ、これって、ただの案件なんだな。

 バリバリの案件や宣伝に人は心を動かされません。
今の世代は、テレビCMや広告に対して、全くといっていいほど興味を示さなくなりました。

テレビも録画視聴が多くなり、CM中もスマホ見てるし、
広告自体に触れる機会もどんどん減っています。

※引用元 https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210926-00259462

テレビを見なくなった代わりに、ネットの
時間は増えました。

2020年にはテレビのリアル視聴時間を
インターネット使用時間が超えました。

※引用元 https://news.yahoo.co.jp/byline/fuwaraizo/20210926-00259462

 
スマホで何を見ているかといえば、もちろん
SNSと動画です。

商品を知るにも、ユーチューバーをはじめとするSNSや、
SNSでの友人の投稿が起点になることが年々増えています。

なので、広告もSNS広告がどんどんと
影響力を増しています。

引用元 https://ecnomikata.com/column/26944/

 
さらに、お客さんは企業の広告やCMよりも、インフルエンサーや友人の口コミを信用しています。

だからこそ、彼らの「熱量」が大切になります。

ウチの会社のブランドのひとつでは、インフルエンサーさんと協業する場合、必ず彼らがみんなに見てもらいたい、というビジュアルを一緒に作ります。

なので、いわゆる告知だけ依頼するよりも、コラボで
一緒に商品作りすることがオススメです。

彼らが欲しい物、みんなに見せたくなるようなものを一緒に作っていきます。

もちろん、彼らも服作りのプロではないので、こちらの目的や思いも共有しなければいけません。

優先度としては、
・インフルエンサーの熱量があがるもの
・メーカーの目的に合うもの

 まずは彼らの意見を尊重したものづくりで、彼らの世界観を表現することが大事です。

その商品を彼らのSNSで投稿することにより、彼らのブランドが高まったり、世の中からの見られ方がよくなったりという利点があることで、インフルエンサーとしても一生懸命UPしてくれます。

ここがずれてしまうと、ただただ、投稿を依頼するだけになり企画は全然盛り上がらなくなるので注意しましょう。

 
2,ゴールを明確にする


案外多いのですが、今回の協業企画のゴールを
決めていないことがあります。

 メーカー側で売上の目標だけは決まっているけど、
彼らの報酬について明確になっていない、など。

「今回、これだけ販売することができたら、次回はこんな取り組みをしましょう」
「ここまで売れたら、インスタ広告も試してみましょう」

など、明るい未来を共有することも彼らの「熱量」に大きく影響していきます。

数字でゴールを明確にして、何をいくつ、いつまでに売れると、こんなインセンティブや可能性がある。

ということを事前に伝えておくことが大切です。

 3,最悪のシナリオを共有する

コラボして商品づくりをしていると、売れる算段ばかりして、その逆の売れなかったケースを想定するのを忘れがちです。

2と逆のケースも考えておくことが必要です。

例えば発売後、予測していた販売数に達成していなかったとします。

こういうときに、二の手、三の手が用意されていることが大事。

インフルエンサー周りのお友達などに告知を協力してもらったり、
自社だけでなく、他のモールにも出品したり。

消化促進のための期間限定のクーポンを出したり、など。

あらかじめ、お互いに結果に応じてプランを持っておくことで対応が後手になることを防ぎましょう。

インフルエンサーからの信用度をあげるために、発売前にアッパープランとダウナープランどちらも共有しておきましょう。

 
4,早い段階でいいたいことを言える環境を設定する


一回だけの企画でも、長期に渡る取り組みでも、
チームで仕事をする上で大事なことがこれです。

チーム作りで大切なことは、早い段階での
ぶつかり合いです。

こう聞くと

「え!とっととケンカしろってことですか?」

となるかもしれませんが、そんな極端なことでなくリスペクトを持った上で、お互いの目的にズレがあれば早めに、腹のうちを言い合える環境を作るということです。

これが言えないでいると、売れなくなったときに本音を伝えられないので、余計に気まずくなります。

チームビルディングを行う際に、とても便利なフレームワークがあります。

「タックマンモデル」といいます。

チームには成長段階があります。

※引用元 https://toyokeizai.net/articles/-/117979?page=2

 ① 形成期(Form)
チームが結成されたばかりの状態です。互いの人となりがわからず、不安や緊張、遠慮が見られます。互いに本音を出さずに様子見をしている段階です。この段階のチームでは、遠慮しあいながらも和やかに見える場合と、明らかに緊張感が漂っている場合があります。

出典 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/117979?page=2

コラボや協業するために、チームメンバーが集まりました。
しかし、まだお互いの明確なゴールは定まっておらず、お互いの得意な能力を足し算したら、なんとなく売れそうとか、面白そうとか、価値観もずれている状態。
まだチームワークが機能していると言えない。

② 混乱期(Storm)
意見や主義・主張のぶつかり合いが起きます。いざ仕事が始まってみると、それぞれの考え方、やり方、ポリシーの違いが明確に浮かび上がってくるからです。
この段階のチームでは、メンバーの興味関心はチーム内でメンバーがどのような行動をしているのか、どんな考え方をしているのかということに向かいがちです。たとえば、細かいことで言えば「資料の作り方自体が気に入らない」、「会議での発言が気に障る」などですし、大きいことだと、「ゴールの達成のイメージや達成アプローチそのものが食い違っている」ということもありえます。成果に向けて一丸となってはいない状況です。

出典 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/117979?page=2


チームメンバー同士、お互いの仕事に対して不満が出るころ。

ここで、いいたいことを言える環境をしっかり作っておかないと、あとあとまで長引くことになります。
不満があるならこの段階で解消しておきましょう。

③ 統一期(Norm)
混乱を乗り越え、共通の規範や役割ができ上がります。個人の思考や行動の特性を理解しあい、自身の役回りを認識してどのように動くべきかに気づくことで、そうなっていきます。目標がしっかりとメンバーに共有され、チームとして従うルールが定着する段階です。それぞれの持ち味が生かされてくる状態がベストです。

出典 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/117979?page=2

統一期に入ると、きっとあの人はこんな仕事をやってくれているだろう、といちいち確認しなくても大丈夫。

週に一度のミーティングで十分管理しあえるくらい、お互いの仕事の状況を把握できています。

④機能期(Perform)
チームが機能して成果が生まれます。成功体験ができ、リーダーから言われなくてもメンバーが自律的に動き、更に成果が生まれる状態です。統一期では、リーダーによって規律やルールが提示されましたが、この段階ではチーム自ら規律を生み出します。

出典 東洋経済オンライン https://toyokeizai.net/articles/-/117979?page=2

機能期に入ると、各々のポジションからそのプロジェクトに対して、クリエイティブなアイディアが出てきます。

新しいキャンペーンの方法や、これまでリーチしていなかった層へリーチする新しいアイディアが、思いも寄らない担当者から出てくるなど、各自が信頼されている状態です。

4つのフェーズがありますが、やはり 混乱期の乗り越え方が「カギ」になるといわれています。 

過去に関西出身のインフルエンサーさんと
協業したときのことです。

この企画が始まるときに、全員が別の会社で集まり、
・プロデューサー
・インフルエンサー
・インフルエンサー マネージャー
・デザイナー(私)
このキーマン四人でスタートしました。

事前に販売計画やスケジュールの確認は行っていたのですが、いいたいことを言える環境づくりを全く行っていませんでした。

商品がローンチされ、売上は予想より大幅に下回りました。

すると、急にみんなが他人事のようになり、責任を押し付け合うようになりました。

企画段階では、「いいね、いいね」だけ言われて進んでいましたが、
いざ販売が始まり売上が予想を下回ると、勝手にすすんでいたとか、知らなかったとか、責任転嫁が始まりました。

ことの最後には連絡もままなくなり、チームは空中分解。

結果、商品を作っていた私が全ての負債を受けることになったのですが、事前に最悪のプランも用意しておき、メンバーがいいたいことを言える環境を作ればよかったと後悔しました。

販売前から売れなかったときのことを言うのはなかなか気まずいです。

いいたいことを言って嫌われたらどうしよう、いい人として見られたい。
など甘いことを言っていてはチームが弱いままです。

なので、今では協業が始まる前に、

「私たちの目的はブランドや商品の価値を多くのお客さんへ伝え、感動してもらうこと。

そのためにいいたいことは言い合おう、そのためにぶつかり合うことはプラスなこと。

お互いに言われたときに嫌な気持ちになるかもしれないけど、言う側も気まずいと思いながらも伝えていることを理解しておこう」

ということ確認し、納得してもらってから
プロジェクトをはじめます。 


きっと揉めるでしょう、いや、チームが強くなるために揉めたい。
という気持ちです。

魔法の一言

そしていざ、相手の行動に不満がある場合は、
この魔法の一言を付け加えて指摘していきます。

これは私のコーチングのメンターから教えてもらった魔法の一言なのですが、もし、あなたが誰かに指摘したいとします。

そのときにこれを付け加えてコミュニケーションを取ってみてください。

「もしかしたら、これは私の勘違いかもしれませんが・・・」

 指摘した相手に考える時間を作ることができます。

 
人は誰でも他人から指摘されて、素直に「はい、そうですか」とはいきづらいものですし、

自分自身が納得した上でないと、頭では理解しても行動レベルにまでなりません。

そんなときにこの魔法の一言にはとても救われました。
今では会社の会議にもよく出ますし、私のチームメンバーも使っています。

 
5,必ずテストする

何があっても、はじめは小さくテストする
ことが大事
です。

webマーケティングであれば、ランディングページをABテストするのは当然ですが、アパレルの場合はいきなり現物の在庫を作り販売することも少なくありません。

服作りの場合は、ミニマムロットがあるので、最小といっても100枚作らなければならなかったり、

生地のミニマムロットをつぶさなければならなかったり。
最小ではじめたくても、ある程度リスクが大きくなってしまうこともあります。

今の時代にあわせ、過剰に在庫を作らず、環境に負担をかけないものづくりという視点からも、

リスクを抑えて、安全に進めるために受注生産で始めるのもありです。

ただ、受注生産はどうしても納期が読めなくなるのと試着ができなくなるという、この二つの問題が解消されません。

在庫リスクをいきなり持ってスタートするのは怖い、でも売れるかどうかわからない。

そんな時には、事前にアンケートをとったり、フォロワーさんからコメントをいただいたりします。

ちょっとしたテクニックになりますが、
いきなり商品を発売するのではなく、商品づくりの様子を少しずつ見せていくティザー告知も効果的です。

お客さんの反応を見ながら、リスクを軽減していくことが大事です。

私の場合は、いくらYoutubeで100万人のフォロワーさんがいたとしても毎回テスト、テスト、テスト、という気持ちでものづくりと販売を行っています。

以上の5つが、「インフルエンサーとの関係づくり」に

必要なポイントになります。

1,リスペクトと感謝を持って接する
2,ゴールを明確にする
3,最悪のシナリオを共有する
4,早い段階でいいたいことを言える環境を設定する
5,必ずテストする

あなたがもし、インフルエンサーと協業する場合や、あなたがインフルエンサーでメーカーと協業する場合は、まずはこの5つを踏まえてスタートしてみて下さいね。

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最後まで読んでくれてありがとう。

2022年があなたにとって
素晴らしい一年でありますように。

ホンマヒデ






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