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喰らう #2


 俺。今日眠るよ。家に帰ったらさ。このままバタッとベッドに入るんだ。お風呂には入らない。もう使わないからね。いや、やっぱり入ろう。去り際美しく。それが僕たちが獲得した小さな小さな抵抗だもんね。
 僕はいつだって眠い。いつでも早く眠ってしまいたい。起きるのが面倒だ。肉体に籠るのはたまにでいいんだ。
 大抵ひとつ抜ければ次が来る。何かはずっと渋滞し続ける。書くことなどないんだよ。ただ、渋滞してるだけ。困ったもんだ。
 だからさ。だから、こんな丸いセカイだから、俺は世界を三角にしたいんだ。


 毎日毎日。秋葉原の街をただ見下ろして通り抜ける。見えてる景色はいつも一緒。テレビでドラマを見ても、画面を見ている景色はいつも一緒だから。




 嘘に死ぬ気になればいい。それで終わりなんだよ。受け取る世界は終わってるの。君はたくさん受け取りたがるクセに、受け取る許可がないと受け取らないのは何なんだ。俺に何かあげた事にしないと、俺から受け取ろうとしないのは何なんだ。そんな許可なくたって全部あげるよ。全部嘘で、全部本音でいいんだよ。だから、俺は君にあげる許可など取らないよ。勝手に押し付けてやる。

 なあ友よ。そろそろ踊ろうぜ。全てを喰らってさ。飲み込んで消化して、そしたら違うものになってるだろ?喰えないなら大切に捨てればいいよ。誰かが拾うから。

全部全部、君が食べ尽くせば。
全部解決。それでいい。
存在しない問題は、全部解決するんだ


私が貴方を喰らう時その心まで喰らえるか
その時あなたは夢を見ているか
その夢を喰らう時あなたは僕を喰らうだろうか
あなたは僕を耳から齧り付いてくれるか

月を目指して飛んでいって
辿り着く前に月は僕らを燃やしてくれるか
太陽の頂きに登って月は僕らを照らすか

全てを喰らった時
産まれた何かがあなたを喰らうか

僕たちはいつも通りレンガを積みながら
青い空と蒼い空に太陽の光を押し付けて
また会える事を願うだろうか

あなたと僕たちという問いは永遠なのか
本当にそんなものあるのか
出鱈目な世界に終わりを描こうとするのは
いつだってアイツだけだなのか




本音はきっと、嘘が本当になるまで信じることでしか産まれないのかもね。

だからかな。
なんか気になる。君のこと。
なんか気になるんだよな。

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