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デジタル人材はSIerにいるのか、事業会社にいるのか

はじめに

デジタル人材不足が叫ばれて久しいですが、最近の転職事情に関して以下のような記事を見つけました。

「35歳を超えたら転職は難しい」と言われたのはもう過去の話です。この連載で以前に40代の転職が増加中との話題を紹介しましたが、最近ではさらに50代で転職して新しい領域にチャレンジしたり、年収アップを実現したりする事例が増えているのです。

日経クロステック(xTECH)
IT業界で50代中途採用が倍増、プロジェクト危機回避や若手採用への好影響を期待
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00577/121600049/

このように、現在は35歳転職限界説どころか、40歳を過ぎたエンジニア、場合によって50代でもの転職市場が活況らしいです。この辺は「35歳未満にそもそもエンジニアが少ない」という問題と密接に絡んでいる気がしますが、ともかく40代以降でもプレーヤー、特にDX推進プレーヤーが広く求められているのは間違いないでしょう。

さて、年代はともかく、このようなデジタル人材は

今どこにいて、これからどこに行くのでしょうか?

今回はこのあたりについて考えていきます。

デジタル人材はSIerにいるのか、事業会社にいるのか

まず、よく聞くのは「SIer→事業会社」のルートです。これまでの事業会社はITシステムをSIerに丸投げすることが多かったですが、これからは自社のデジタル人材でそれに対応しようというものです。以下の記事も、ITエンジニアに高報酬を出し、SIerからIT人材をかき集めているという事例を紹介しています。

ある大手小売りは2022年、人事制度に手を入れた。ITエンジニア専用の給与テーブルを新設し、既存社員の平均年収の2倍以上に当たる年収1200万円以上を提示できるようにした。これによりアマゾンウェブサービスジャパンやアクセンチュアなどからITエンジニアを次々と採用できているという。「エンジニアはとにかく争奪戦。他社に採られないよう、条件面で見劣りしない金額を提示するのは当然だ」(大手小売りの採用担当者)。

事業会社とコンサルに吸い込まれるITエンジニア、SIerの人手不足が危ない
 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00989/022800111/

一方で、以下のような記事もありました。

優秀なIT人材は、ユーザー企業からシステムの構築や運用を請け負うシステムインテグレーターに流れているという。ラブロック氏はその理由について、IT人材にとってはシステムインテグレーターで複数のユーザー企業の案件に従事する方が、給与額やスキル、キャリアの向上を見込めるからだとみる。

「優秀なIT人材」が集まる企業、離れる企業の違い:
企業のIT支出と人材の行方【後編】 - TechTargetジャパン 経営とIT
https://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/2303/02/news05.html

こちらは、事業会社のIT人材がSIerに流れて行っているという記載です。

どっちやねん!

おわりに ~ デジタル人材はどこにでも渡り歩ける

結論としては、

SIerも、事業会社も、どちらもIT人材がとても不足している

ということでしょう。加えて、最近では

どちらにも属さず、個人事業主として生きていく

という生き方もあります。最近では、TwitterやYouTubeなど、個人で情報発信するためのチャネルが非常に発達しました。これまでは、何かを世に問うためのチャネルは「会社」くらいしかなく、その中で

発言力を持つまでは、言うことを聞いてもらえず、不遇を耐え忍ぶ

しかなかったですが、今ではこれまでより多くのチャネルでメッセージを発信することができます。

これらを行えるデジタル人材はどこにでも渡り歩ける

と考えています。いずれにしても、大事なことは

  • 企業内のDXに関して、同じ価値観が共有できるか?

  • 自分自身が、その中で何をやるのかが明確か?

  • 自身のキャリア形成から見て妥当か?

などを一度よく考え、ここが合わないのであれば距離を置くことが重要だと考えています。

このような生き方とするにはあたっては、スキルと発信の絶え間ない継続が必要になります。これはなかなかタフだなとは思いますが、このような活動を続けることで、ずっと求められ続けるデジタル人材として暮らしていけるのではないかと考えています。

DX部隊に社内のDX人材がいるのか、SIerがいるのか #一枚絵図

(この項続く)

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