見出し画像

彼らに「DX」という言葉の意味は決して正しく伝わらない

はじめに

このnoteでは、これまでいくつもDXに関する投稿を行ってきました。私自身「真の意味でDXを推進したい」と今でも思っています。

しかし、それでもDXはなかなか進んでいるとは言えません。なぜなのでしょうか?

DXを阻害してるのは、はっきり言ってしまえば、個々のテクノロジーが難しいからではないのです。それよりも

「DXって何なのか?」を全員が認識合わせできない

ことが問題なのです。DX関係で使われている用語の意味がよくわからないので、DXが何なのか? DXを通じて、何を実現したいのか? これらが皆で意思統一できないことが真の問題なのです。

今回は、DXという言葉が何を指すのかということについて、少し深堀して考えてみたいと思います。


???「DX? 要するにコストダウンに寄与するITシステムのことだろ?」

DXのことを少しでもまじめに勉強したことがあれば、「デジタイゼーション」「デジタライゼーション」「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の違いについて理解されていることでしょう。

デジタイゼーションとは、アナログなものをデジタル情報として扱えるようにすることだ。紙文書の電子化がその一例だ。
デジタライゼーションは、デジタル技術の活用により個別の業務・製造プロセスをデジタル化して、コスト削減や業務の効率化を実現することだ。これまで人手で行っていた業務の一部をソフトウェア型のロボットに置き換えて自動化する「Robotic Process Automation」(以下RPA)がその一例だ。RPAは、社員の業務負担の軽減や長時間労働の削減を実現する。業務を効率化できれば、社員を付加価値の高い業務にシフトさせることも可能になる。
DXは、自社の事業と組織の変革、および意識や制度改革を経営の視点で遂行する取り組みが含まれる点で、デジタイゼーションやデジタライゼーションとは異なる

今、なぜ企業にDXが必要なのか
https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckeconomy/20210121-OYT8T50043/
今、なぜ企業にDXが必要なのか
(https://www.yomiuri.co.jp/choken/kijironko/ckeconomy/20210121-OYT8T50043/より)

また、DXにも2つの観点があって、その理解の差があるという話は以前も書いておりますのでそちらもご参照ください。

いずれにしても、DXのことを少しでもまじめに勉強したことがあれば、DXのことを「コストダウンに寄与するITシステム」などと理解するわけがないのです。

伝言ゲームで間違えるのはいつも中間層

しかし、現実はそうではなく、DX=「コストダウンに寄与するITシステム」のことだとを理解している人が山ほどいます。特に経営層ほど、そう理解してしまっています。言い換えると

DXのことを「デジタイゼーション」で理解してしまっている人たち

です。

しかし、よく考えてみれば経営層がいきなりそう理解するわけではありません。本人がどこで聞きかじったか、もしくはネットで拾った文書を斜め読みしたかしたのでなければ、そのような間違った情報を経営層にインプットしてしまった人がいるはずです。その場合、

そういった間違えるインプットを入れるのは決まって中間層

です。担当ではありません。担当と経営層の中間に入る人たちがいるはずです。

ここから先は

1,527字 / 1画像

¥ 100

この記事が参加している募集

業界あるある

課金してくれるととても嬉しいです。シェアしてもらっても嬉しいです。「いいね」も嬉しいですし、フォローも嬉しいです。要するに、どんなことでも嬉しいです。